<SABER CATS>
登場門派:通背拳、八卦掌
掲載誌:コミックGENKi
作者:山本貴嗣
ニュータイプ100%コミックス全5巻


あらすじ

舞台は未来。辺境の植民惑星ウ・タンで通背拳を師・炎老師から学んだ主人公宿祢光(すくね・ひかる)は、師の命により無法地帯と化した地球へと向かう。その目的は炎老師の友人、陳尚武の娘チカを守ることである。陳は若い頃から各植民惑星を渡り歩き、人類がその科学の進歩とともに拡散消失させてしまった宝、「武術」を探し求めていた。そしてついに陳は武術界の至宝を見つける。それに目をつけた大富豪で殺人狂の雷仁飛は「宝」を手に入れるために陳の妻子に魔の手をのばす。それを防ごうとする光。また戦いの中で雷がかつて自分の父親を殺した男であることに気づく。
善戦むなしくチカをさらわれてしまった光は、親友であり雷の弟でもある鳳岩、銃の名手であるチカの母親と共に雷の居城に侵入する・・・

感想

 コミックは5巻だが、掲載誌が季刊のため非常に長い連載期間だった。たしか完結まで6年くらいかかったと思う。だが待たせるだけのことはあり、その深い考証と独特なSF的視点、絶滅動物と武術のメタファー等、たいへん魅力的な作品に仕上がっている。僕が特に感銘を受けたのは、セイバーキャッツ(サーベルタイガー)はいちど絶滅したあと、数万年を経て再び進化した姿で現れる、絶滅と再進化を繰り返してきた生物であるという説明である。これにはそれまでの「生物の進化」の認識をくつがえされ、目から鱗が1ダースくらい落ちた。また中国武術に対する考え方に個人的に共感を覚える。「SABER CATS」を読んで以来、僕は中国武術を何も知らない人に説明するときにたびたびこの作品のセリフを引用させてもらうことにしている。本作は掲載誌の休刊により予定より早く終わったそうだが、ぜひつづきを読みたかったものだ。
 それと、この作品で描かれる武術の衰退は決して作中だけのことではない。僕の老師の銭源沢老師や馬賢達老師も、最近の中国の若者は武術などの伝統文化に興味がなく、外国人の方がよほどまじめに練習するとおっしゃっていた。(注・別に老師達は僕のことを「まじめだ」と褒めたわけではない。僕は大変不真面目な生徒なのです)

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