'02 June



June / 04 / 2002

 オレは硬派だ。今は高校も卒業して昔よりは少し落ち着いたが、高校の頃は悪(ワル)だった。飲酒、喫煙、賭博行為、無言電話、窃盗、無免許運転、喧嘩・・・一通りやった。盗んだバイクで走り出したり、夜の校舎の窓ガラスを壊してまわったのも、今となっちゃあ良い思い出だ。昔の仲間たちは未だにオレを恐れ、慕ってくれている。

 今日は勇気を出して、カミングアウトしてみようかと思う。実はオレ、ロリコンのようだ。

 こないだ、地元の不良仲間のケンイチと話してな、その時、女の顔の話になったんだよ。で、ヤツがいきなりオレに向かって「オマエ、ロリコンだろ。」とか言い出すんだ。オレはその場で、ソイツをしめあげてやろうかと思ったが、グッとこらえた。オレは冷静になって、「あぁ?何言ってんだ、おまえ。オレがロリコンなワケ、ねーだろ。」低い声で言った。そしたらケンイチはタバコに火をつけて一呼吸してから、こう言った。

 「ロリコンっていうか・・・、オマエが好きになる女って、みんなロリ系じゃねーか。こないだだって、ポニーテールの女の子大好きとか言ってたし。・・・それと、オマエが好きな加藤あいもロリ系だよ。」

 もう我慢できなかった。しかし、ここでぶち切れては、硬派なオレのイメージが台無しだ。不思議と額に汗がにじんでいる。オレはなんとか落ち着いて、自分を振り返ってみた。オレはロリコンなのか?・・・いや、断じて違う。モーニング娘。の人気チビっ子2人に辻希美と加護亜依がいるが、オレは全然好きじゃねえ。オレはむしろ、どっか大人っぽくてしっかりしている女が好きなはずだ。オレが小さいもので「かわいい」と思うのは、せいぜいこげパンぐらいだ(Fov Diary.2001年9月15日参照)。

 「それは違うな。オレが魅かれる女はみんな大人っぽいヤツらばかりだ。タカエもシノブもヨシコもアヤコも、みんなそうだった。」

 「・・でも、オマエが去年、世界一かわいいとか言ってたアイツも、ロリ系だよ。」

 オレは拳を握り締めた。が、なんとかこらえた。最近、カルシウムが足りないせいか、少し怒りっぽい。いや、そんなコトはどうだっていい。問題は、去年、・・・大人の事情ってやつなんだが、まぁ、その、オレが世界一かわいいと思ってたヤツがロリ系だと言われたことだ。ケンイチに言わせると、顔がロリ系だそうだ。オレは硬派だから、あまりチャラチャラしたものは好きじゃねーんだが、仲の良いケンイチとはついついそういう話をしてしまう。

 オレは否定した。アイツは絶対に絶対にロリ系じゃない、と。現にアイツは、大人っぽくてしっかりしている印象があった。そしたらケンイチは、他のヤツらの意見も聞いてみると言い出した。数日後、結果が出た。ロリ系ではないと答えたヤツはわずか1人(ちなみにコイツは本物のロリコン)、他の4人はロリ系だと答えた。オレの完敗だった。

 「ローリーローリーローリーローリー。」ケンイチが本当に嬉しそうに、悪魔の微笑みを浮かべながら冷やかしてきた。泣きそうになった。オレは人を見る目がないのか・・・それとも、世の中がすべて間違っているのか・・。

 オレは開き直った。もう、人の目なんて気にしてられるか。そして、20という年になって、ようやく自分を知った。オレはロリコン、・・・っつーか、ロリ系が好きらしい。あぁ、そうだよ。どうせ、オレは前田愛より前田亜季の方が好きだよ!!モーニング娘。じゃぁ、高橋愛が一番好きだよ(あ、あと石川利華もチョット好き)!!女の子が髪型ポニーテールだと興奮するよ!!あぁ、どーせオレはロリコンだよ!わりぃかよ!!?あぁ?

 あぁ・・・、オレの硬派なイメージが崩れてく・・・・。







June / 12 / 2002

 「某教育TVの子供番組にて」

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 こんにちは〜!!歌のお兄さんです!!

 今日は特別に、チビッ子たちの質問に、お兄さんが答えちゃうよ!どれどれ、えーと、神奈川県横浜市に住むケンイチ君5歳からのお便りです。

 「うたのおにいさん、こんにちは。まいにちテレビでみています。おにいさん、しつもんです。おにいさんにとって、りそうのじょせいってどんなひとですか?ぼくのりそうのじょせいは、ようちえんでおなじクラスのふみえちゃんです。」

 ありがとう、ケンイチ君。コレは難しい質問だなぁ。まず、みんな「理想」ってなんだか分からないかもしれないから説明するね。理想というのは、最も完全なものとして、人が心に描き求めるもの。つまり、自分にとって最高だと思うもののことなんだ。理想の女性っていうと、つまりは自分のすっごい好きな女の子のタイプってコトだね。それにしても、こんな質問をしてくるケンイチ君はませてるなぁ。

 お兄さんの理想の女性はね、顔がチョットだけロリな子!コレはね、実は最近知り合いに指摘されて分かったコトなんだけどね。あ、ロリって言っても、このテレビ番組を見ているみんなの年頃の子たちじゃぁないよ。それは犯罪だからね。高校生ぐらいがいいな!女子高生!まぁ、世の中欲を言えばキリがないんだけど、サラサラの黒髪のポニーテールの子なんていいねーいいねーいいねー。大好き!あんまり流行に流されすぎない子もいいかな、チョット浮世離れってゆーか、なんも知らないってゆーか。純真無垢でピュアな。フフフっ。性格?コレは正直難しいんだけど、・・・う〜ん、やっぱ元気な子がいいかな。元気で明るくて、楽しい子。でも、マジメな時はマジメでいられる、しっかりとした子。あと、家庭的!コレは重要だな。料理が上手ってコトは大切だと思うよ、だって栄養とかしっかり管理してくれればソレだけで20年は余計に長生きできそうじゃん?あと、税金の支払い方とか良い保険の加入方法とかに詳しい人なんていいんじゃないかな。こんなコト言ってたらキリがないねー。

 まぁ、みんなはまだ小さいから分からないかもしれないけど、理想の異性なんてそうそう会えるものじゃないんだよ。だって、理想の人っていうのは心の中で住み続けるものだから。でもね、実際自分が恋に落ちた人っていうのが理想になっちゃうってコトはよくあるよ。そんなものなんだよ。・・・・お兄さんも若い頃そうだったよ。恋は盲目っていうのサ。分かるかな?ケンイチ君も頑張って、ふみえちゃんをゲッチューしてね!!グッドラック!!!

 歌のお兄さんでした〜!みんなバイバイ〜!!!

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 この歌のお兄さんは番組放送後に届いた無数の苦情によりクビになりました。その後、お兄さんの消息は誰も知りません。社会的に抹殺された模様です。







June / 18 / 2002

 日本代表の挑戦が終わりました。

 ワールドカップ決勝トーナメントベスト16、日本対トルコ戦は、0−1でトルコが勝ちました。試合後、選手達は「ここまでやれた」という清々しさより、「もっといけた」という悔しさが目立ってたね。残念。だけど、予選リーグを1位で突破したのはすごいよ、ホントに。プロ化され、ドーハの悲劇、フランスワールドカップとわずか10年で少しずつ強くなってきた日本代表も、ここまで強くなったのか・・・と感じたよ。日本対ベルギー戦が一番熱かったかな。今まで僕が見たサッカーの試合の中で、アレが一番興奮したよ。ワールドカップはもうしばらく続くし、後は韓国代表とイングランド代表に頑張ってもらいましょうか。

 楢崎ファンの僕も、彼が全試合ゴールを守って嬉しいです。ライバル川口や曽ヶ端もいるし、ホントはスタメンゴールキーパーになるのは厳しいかなぁと思ってたんだけど、ベルギー戦のスタメン発表で飛びあがっちゃったよ。今大会の日本戦を通じて、「おお!」と感じたのは、やっぱ宮本。彼。バットマン、またはマスク・オブ・ゾロ。2002年に行なわれた幾つかの国際Aマッチでは、いつも彼の力不足のせいで失点しているシーンが目立ってたけど、それがロシア戦・チュニジア戦では完璧に機能してました。本番の舞台で良ければすべて良し!後は、稲本、鈴木、小野、戸田が特に良かったかな。もちろん楢崎も。それと、ロシア戦後の曽ヶ端の笑顔。チュニジア戦で途中交代する時、皆に指示を与えてた中田。どの試合でも、どんどん前に出てくDF松田。最後に、トルコ戦の後の市川の涙。まぁ、ようするにみんな良かったんだよ。日本代表、お疲れ様でした。

 今年になってからだけど、けっこうサッカー好きの友達に色々教えてもらったんだよ。サッカーのプレーのコト、日本代表のコト、世界の有名プレイヤーのコト。それまではベッカムやジタンやロナウドは知ってたけど、ヴィエリ、フィーゴ、ルイコスタ、ロイ・キーンとか知らなかったもん。日本代表も、戸田、福西、宮本、西沢、小笠原、市川、服部は今年になってから知ったし。ツマリ、サッカーを知らなかったんですね。それを今年になってよーやく人並みに情報を仕入れたんですね。ツマリ、にわかサッカーファンの典型なワケですね。ハイ。まぁ、祭りですから。それが日本で行なわれるのですから、楽しまないと。せっかく最近サッカーに興味を持っているので、ワールドカップ後はJリーグでも応援しようかと思います。名古屋の楢崎には申し訳ないけど、近場の横浜マリノスで(将来、名古屋で仕事することばあればグランパスでもいいけれど)。そうすれば、日本代表の試合にも、4年後のワールドカップにも色々と面白味が増すんじゃないかな。

 それでは、さようならざき。







June / 19 / 2002

 僕の e-mail アドレスがコレ↓。

 currying@hotmail.com

 もう1年半ぐらい使ってるんだけど、ホントーに嫌になる程ジャンクメール(迷惑メール)が届く。24時間で20通ぐらいだろうか。その99%が海外のもので、その内容はアダルトやローンやなんだか怪しいお得情報など。下手にメール内にあるボタンなどをクリックしてしまうと、海外に自動アクセスしてどっかからすごい請求額が届いちゃうのもあるんだろうね。ホットメールにはセキュリティー機能っていうのがあって、不特定多数の宛先が指定されているメールなどは、自動的に受信トレイではなく、迷惑メール・フォルダへ流される。コレも完璧ではなく、2割ぐらいは受信トレイに直接届いてしまい、非常にうざったい。けっこう工夫して、できるだけジャンクメールが届かないようにはしてるんだけど、それも限界がある。何故こんなに届くのかといえば、それはきっとホットメールだから。で、名前(curryingの部分)が短いから。迷惑メールフォルダなんて開いてみても良いコトないのだが、ごくごくまれに重要なメールなどが仕分けされている場合があるので、一応チェックしてから、毎度毎度フォルダを空にしている。

 今日、麻生さんという女性(?)からメールが届いた。件名は「はじめましてアメリカ在住の麻生●●です。」で、僕自身アメリカに住んでいたコトもあったし、僕に対して個人的に送られたメールだと思って開いてみた。日本語の迷惑メールなんて、ほっとんどないし。ところが、この麻生さん、アメリカに住むOL。彼女の集めたエッチな画像4万点以上、動画700本以上のホームページの宣伝だったのだ。なんだ、本人である麻生さんの写真はないのか・・・と、チョットだけ突っ込みたくなったが、それより目をひいたのは、その後に続いた以下の文章。

 動画を中心に毎週新しいものをUPするから遊びに来てね。レンタルビデオより絶対お得よ。息抜きも大切だから。稲本のシュートもカッコ良かったけど貴方のシュートもお手伝いさせてね。待ってるわ。

 あいちゃー。コレは1本取られちゃったな。この日本中がワールドカップで盛り上がってるシーズンに、稲本のシュートを引き出すとは。迷惑メールで笑わせてもらったのははじめてだった。敬意を込めて(?)、麻生さんのホームページを行ってみた(ここで誤解されては困るが、アダルトサイトなんて普段行かないからな・・・・・・ふ、普段はな)。ごくごく普通の会員制のアダルトページで、アメリカ在住というコトもあってなのか、モデルの女性たちは西洋人。麻生さんのプロフィールまで御丁寧にあったので拝見させて頂いたが、もんのすごい学歴と現職。せっかく来たからとサンプル画像ってのを1枚だけ見てウィンドウを閉じたが、その画像の感想は、「そのパスじゃぁシュートはできないよ、麻生さん・・」。

 英語のジャンクメールはうざいだけだが、日本語のはなかなか面白いね。・・おっと、こんなコト言ってちゃダメだなぁ、品性を疑われちゃう。ハハハ。・・・もう遅いか?最近、ココを読んでくれてる友人に「いい感じに壊れてきたね」と誉められたし。







June / 28 / 2002

 「女子高生のタメのホームページ作成講座」

 ■■■連載03兼最終回

 連載1と2が昨年12月にあって、それ以来続いていませんでした。一応、存在ぐらいは覚えていたのですが、こんな若輩者がこの様な目立たない場所で偉そうに話してても誰も聞いてくれないので、今回でめでたく連載終了となります。

 (1)いきなりトップページでMIDI(音楽)鳴らすなよ!!

 夜、一人こっそりいろんなサイトをまわってて、いきなりでっかい音が鳴り出すページがあるんだよ!驚くじゃねーかよ!!なんの曲だか分からないような電子音がチリリンリン♪ウィンドウが複数開いてると、どのサイトが犯人なのか識別できないし!!頼むからMIDIはムヤミに鳴らすな!誰もそんなの聴きたくないんだよ(多分)。そりゃ載せる人はいいよ、ホームページなんて自己満足の結晶なのだから。せめて、そのMIDIファイルを止めるボタンぐらい用意してくれよ・・・泣きそうになるよ・・。あと、鳴らすんだったら、サイトに合った雰囲気の曲にしような。

 (2)突然のフラッシュやJAVAも止してくれよ!!

 別に使うなとは言わんよ、ぜひやってくれ。かっこいい近代的なホームページはたいていフラッシュとかあるもんな。中田ヒデのページとか。でもよ。一応、(特にJAVAは)そういうのが次あるよって断っておいてくれよ、びびるじゃないかよ。しかも、オレのパソコンだとたまにJAVAはキツイんだよ、一瞬パソコンの処理が止まって、フリーズしたかと焦るじゃねーかよ!!

 (3)Sorry , this homepage is Japanese only.って?

 ハイ、たまに見かけますね、こういう注意書きがトップページにあるやつ。御丁寧に、このページは日本語オンリーですよ〜♪って。いや、いいんじゃないですか。そういう心がけは大切ですよ。でもね。絶対に外国人が来そうにない我家のペットの写真しか載せてないようなホームページにそんなコト書いても意味ナッシングですよ!どう間違っても普通は異国の人は迷い込みませんよ、小さな個人ホームページには。かっこつけで載せてる場合もあるんでしょうけど。まぁ、どうせ↑のような丁寧なお断りを載せるのだったら、世界各国の言葉も載せてみろ!!と言いたいね、オレは。グローバルにな。

 (4)リンク集に Yahoo! Japan を載せる意味は?

 リンク集。覗いてみると、友達のサイトやらオススメのサイトやら便利なサイトやらがリンクされてて、賑やかですよね。で、たまに Yahoo! Japan とかにリンクしてる人がいますよね。しかも、「みんな知ってる有名な便利検索エンジン!」みたいに丁寧な(寒い)説明付き。いや、さすがにその必要性はまったく無いと思うんだよね、ネットやる人だった普通は知ってるし、わざわざ貴方のホームページからYahoo! Japanに行く必要も無いでしょ、ってコトで・・・。ひねくれて Lycos Japan とかにリンクしてやろーぜ!

 (5)淋しいチャットは設置するだけ無駄である。

 一晩に5人も来ないよーなホームページでも、たまに設置されているチャットルーム。覗いてみると、「誰かいますか?」「誰もいませんね」「また来てみよ〜っと♪」と、誰かが一人芝居してるミジメなログが残ってて、こっちまで泣けてきますよ!おそらく設置されてから今まで、一度たりともマトモな会話が行なわれたコトのない無駄なチャットルーム。・・・削除しちゃっていいんじゃないの?って思うコトしばしば。

 (6)ソコにいるんだったら返事しろよ、管理人!!

 気に入ったホームページの掲示板とかに書き込むするじゃない。でも、返事がなかったり、すっごい遅かったりする。その間に、ホームページの方はばんばん更新されてるわけよ。つまり、掲示板の書き込みは読んでおきながら、放置しているってワケ。ソコにいるんだろ!姿を現せ!!無視するな!!!掲示板の醍醐味(?)は、書き込んだ後にしてもらう(主に)管理人とかの返事なんだよ。だから、大抵の人は書き込んだ後、あんま興味の無いホームページでも掲示板だけまた見に行くもんだよ、火事場をまた身に来る放火魔みたいに(チョット違うか)。やっぱお客様第一だろうが、世の中!ビジター(閲覧者)あってこそのホームページですぞ!!


 以上です。

 みなさん、長いコト御愛読ありがとうございました。自分で書いてて耳が痛くなるよーなコトもあります。ま、このホームページの閲覧者の全体の7割を占めるカワイイ女子高生諸君の参考になれれば光栄です。

 (7)見え透いた寒い嘘も止めましょう。

 後で自分で見て泣きたくなります。







June / 30 / 2002

 「モーニング娘。」の価値と可能性

 日本の未来は混沌としている。国債は増える一方、銀行は不良債権を抱え、国民の政治に対する不信感も募るばかりである。企業は合併を繰り返し、この不況の時代を生き抜いている。その裏で、経営破綻が発生する企業も増え、中小企業は深刻な危機に陥っている。政治、経済面ばかりではない。家庭崩壊、自殺率の増加、学校教育に対する不安、他の先進国との国際交渉など、国民の不安と悩みは絶えない。多くの子供が日本の未来に希望が持てないという結果が、あるリサーチで出ている。同様のものが中国でも行なわれたが、ほぼすべての子供が国の輝かしい未来を信じている。大二次世界大戦後、日本はアメリカや欧州に「追いつけ・追い越せ」の精神で高度成長期を駆け抜けて来た。しかし、国民が裕福な生活に慣れてきた頃、一九九一年一月以来のバブル崩壊も含め、歯車が狂いはじめた。“日本の未来は 世界がうらやむ”のではないのだろうか。

 不況は芸能界、音楽界にも影響が及んでいる。経済的な影響でいうと、CDをはじめとする各関連商品の売上が全体的に思わしくない。また、国民の価値観の変化により、昔で言う「巨人 大鵬 卵焼き」のような絶対的なものの存在を感じにくくなってしまった。その芸能界、音楽界で現在実質ナンバーワンの地位にあるアイドルグループが「モーニング娘。」である。その存在は日本中に浸透し、幅広い世代から絶大的な支持を得ており、国民的アイドルグループという呼び方が最も当てはまる。経済効果は家庭用カラオケとチョコレート菓子だけで約400億円という数字を見ても分かる通り、すべてにおいて他を圧倒するのだ。一九九七年九月、テレビ東京系番組「ASAYAN」のオーディション企画「シャ乱Qのロックヴォーカリストオーディション」の結果、約九千九百名の応募者の中から平家みちよ(当時十八歳)が選ばれた。このオーディションで落選した十名の候補者の中から五人を集めて結成されたのが「モーニング娘。」である。元々「負け組」であった彼女達は精力的な活動を続け、一九九九年九月九日に発売されたシングルCD「LOVEマシーン」の記録的な大ヒット以降、その地位はもはや揺るぐことがない。現在では、音楽CDの発売、テレビ番組出演、映画、ライブコンサートやミュージカルの公演などの活動が中心である。そこから得られる利益の他にも、写真集、文房具、スナック菓子、おもちゃ類などの各関連商品による利益も大きい。モーニング娘。の勢いも当然ながら、とある有名企業の幹部が「モーニング娘。は経営の参考になる」と言わせるぐらいで、多くの企業はその幅広い戦略性に学ぶものがあるのではないだろうか。何故ならば、芸能界は他に類を見ない競争社会だからである。

 芸能という分野においては、芸能人はプロダクションの会社の社員ではない。むしろ、商品と呼ぶ方が正しい。人間に対して商品と称することに抵抗を感じる者も多いと思われるが、彼ら芸能人が世に与えるものは主に娯楽というサービスであるからだ。関連商品などは、言わばその小枝に過ぎない。プロダクションは、いかにその商品を世に売り出すか、認知してもらうかを思考錯誤する。実際にヒット商品となるものはごく一部で、そのヒットを持続させるのも難しい。人気とはまるで株価の変動のようで、消費者、つまりはファンに飽きられたら終わりである。ただスーパーに並べておけば売れるお馴染みの商品、というわけにはいかない。その芸能界の中でアイドルは最も短命だと言われており、雑誌「日経エンタテイメント」では女性アイドル歌手系の寿命はニ年も続かないと述べられている。その理由は、魅力の多くが若さによるものであり、いくらでも代えが存在するためファンに飽きられ易いというものだ。そういった芸能界の中で、約四年半。これはモーニング娘。が結成されてからの年月である。毎年毎年、「今年消える芸能人」というリサーチでトップにランキングされているものの、人気がトップレベルで持続しているのは事務所UFA(アップフロントエージェンシー)、レコード会社Zetima、プロデューサーのつんく♂氏の戦略が非常に優秀だからであろう。彼女達はアイドルグループとして、他には真似の出来ない力がある。その力こそが、常にファンを引き付ける源なのだ。

 モーニング娘。に見られる特徴的な戦略の一つがオーディションである。ただし普通のオーディションとは異なり、その模様をすべてテレビ番組内で放送するのが特徴だ。視聴者はアイドル誕生までの経緯を知り、オーディションを勝ち抜いた者を確実に認知する。ここが突然ブラウン管に登場するアイドルと決定的に違うところである。この売り出し方は新鮮であった。アイドルをアイドルになる前の姿から見せることにより元・普通の子の印象を与えるのだ。また、度重なるテレビ番組の出演ではメンバー個人個人のトレーニングによる成長を描いている。グループ内での競争をもアピールすることで、消費者に購買意欲をそそらせることができる。

 二つ目の戦略であり、モーニング娘。の活動の最大の特徴が、メンバーの入れ換えである。二○○二年現在十三名のメンバーがいるが、過去に脱退したメンバーも合わせると合計十七名になる。モーニング娘。はメンバーを変化し続けることにより常に新鮮さをアピールし、補充によって新しい個性をグループに加えることを可能とした。頻繁なメンバーの加入脱退という形式は、実際に多くの小中学生達に自分もモーニング娘。に加入したいと思わせることに成功している。そういったサクセスストーリーに憧れを持つ若い女の子は多い。とある小学校のアンケートで、七十パーセントの女生徒がモーニング娘。に入りたいと答えた結果から見ても明白である。また、つんく♂氏は自らの著書「LOVE論」でモーニング娘。に同じタイプの子は二人要らないと断言している。一人一人が違うタイプのアイドル像を持つことによって、消費者は好みを選択することができるのだ。メンバー内の一人に何かの欠点が見えても、それを他が補えば良い。メンバーの役割もそれぞれ違い、決して明確なものではないものの、カリスマ系、美人系、幼稚系、お笑い系、歌唱力系などに分類される。それが大人数グループの最大の強みである。

 三つ目の効果的な戦略は、モーニング娘。を中心とした Hello! Project と呼ばれるプロジェクトによる、いくつかのアイドルを活用したファミリー経営である。現在では、モーニング娘。の他にもアイドルグループではカントリー娘。、ココナッツ娘。、メロン記念日、単独で松浦亜弥、藤本美貴、石井リカといったアイドルが所属している。この人数を武器にしない手はない。上記二十六名を三つもグループに分けて歌わせるシャッフル企画と呼ばれるものが存在する。親会社であるモーニング娘。を看板に、他の関連会社も世に売り出そうという効果的な便乗作戦である。また、モーニング娘。のメンバーの中から数人を選び新しいグループを作ったのがタンポポ、プッチモニ。、ミニモニ。といったグループであり、いわば子会社のようなものだ。これらの新しいグループ企画の利点は、モーニング娘。という枠にとらわれないバラエティー化と、持続的な活動によるファンの維持である。例えば、タンポポというグループではアイドルソングに近い歌謡曲を歌い、プッチモニ。ではロック調の曲、ミニモニ。では低年齢向けの曲、またメンバーの一人でソロ活動も行なう中澤ゆうこに演歌を歌わせるなどと役割分担が異なり、これが幅広い世代のファンの拡大に繋がる。また、主体となるモーニング娘。での活動を多少減らしても、他に参加しているグループの活動により、一年中常にその姿をブラウン管に映し出すことができるのも大きなメリットである。こういった販売戦略がモーニング娘。の地位を維持しているのだ。

 現在では、モーニング娘。はアイドルグループという定義がもっとも当てはまるように感じる。しかし、結成当時のメンバー五人は飽くまでも歌手を志望した者達であり、現に結成されてから二年までに歌われた曲は、多くが複数のヴォーカリストが複数のパーツを流れるように歌う歌謡曲であった。現在の彼女達の地位は、この頃のCDを多く売ることが最大の目標であった音楽活動によるものである。当時のモーニング娘。は、紛れも無く素人歌手集団であった。個人では華が無いが、それをグループにすることで足りない部分を他から補うことができた。当時のモーニング娘。のCDの消費者層は、若いアイドルファンが大半と、J-POPと呼ばれるジャパニーズ・ポップスのリスナーであった。モーニング娘。の楽曲は典型的なアイドルソングというよりは、良くも悪くも歌謡曲であり、素人集団ながらも音楽界に溶け込んでいるように感じた。一九九八年にはレコード大賞最優秀新人賞受賞、NHK紅白歌合戦にも出場した。しかし、結成から一年が過ぎた頃から、少しずつだがCDの売上が減少していった。二枚目のシングルCDの売上が四十一万枚、三枚目が四十九万枚と順調な売上を誇りながらも、以降、四枚目が四十一万枚、五枚目が二十三万枚という売上を記録した。一九九九年七月十四日に発売された、六枚目のシングルCD「ふるさと」では、わずかに十七万枚しか売り上げることができず、明らかに衰退期と呼べる時期であった。モーニング娘。の全作詞作曲を担当するプロデューサーのつんく♂氏は楽曲をJ-POP界に馴染ませることに成功はしていたものの、どうしても世の中途半端なアイドルグループという印象を拭うことができずにいた。一九九九年七月下旬から八月上旬にOngakuNET.comが日経産業消費研究所と共に行なった首都圏に住む中学生以上五十九歳までの男女リサーチ(有効回答数八百七十九人)では、モーニング娘。の好感度は、当時流行していた歌手二十六組中、下から二番目という結果であった(一位がサザンオールスターズ、二位が宇多田ヒカル、三位がDREAMS COME TRUE)。ところが、同年九月九日に発売された七枚目のシングルCD「LOVE マシーン」が売上百六十四万枚を記録し、モーニング娘。は起死回生を果たす。この曲はそれまでのモーニング娘。の楽曲のイメージを百八十度変えたディスコ調の大変インパクトの強い曲で、同時にダンスの振り付けも非常に大胆かつ斬新なものであった。この曲の誕生が、モーニング娘。の未来を決定付けた。「LOVEマシーン」の大ヒットは幅広い年代の消費者から支持され、マーケットをそれまでのアイドルファンから拡大することを可能とした。以降、モーニング娘。の楽曲の大半は明るい、元気の良い、馬鹿馬鹿しい、ノリの良いという評判のもので、実際に高い売上を記録した楽曲はこういった曲ばかりである。一度、ややテンポを落とした曲を発売したこともあったが、そのCDの売上は六十五万枚と、当時のモーニング娘。の平均売上からしてみれば低いものであった。つまり、消費者がモーニング娘。の楽曲に期待するものは馬鹿馬鹿しい曲である。しかし、未だにそれに束縛されているために新しい曲調へ転換することは厳しいと思われる。モーニング娘。が確実にアイドルグループへ変換したのは、ニ○○○年に新しく加入した四名のメンバーが歌唱力ではなく、ルックスとキャラクターというアイドル性を選考基準の重点に置いたからである。もはや初期とは似て異なるモーニング娘。であった。

 しかし、モーニング娘。もここ一年で人気が減少していると言われている。その理由がCD売上の低迷だ。「LOVEマシーン」の百六十四万枚売上という記録をピークに売上は減少気味である。十一枚目のシングルCDは売上九十八万枚、十二枚目は六十六万枚、十三枚目では五十一万枚まで下がっている。この売上も他の歌手と比べれば非常に高い数字であるが、CDの売上面では緩やかに下り坂の傾向が見られる。ただし、これが直接人気の下降だとは思わない。その理由の一つが、音楽界全般のCD売上の低迷である。一九九六年には百万枚以上の売上を記録したシングルCDは二十枚以上だったのに対し、昨年はわずかに四枚であった。これは音楽の質の問題ではなく、マーケット全体が縮小傾向にある音楽業界の問題である。若者の音楽CDの消費額が減少した原因の一つが、小遣いが携帯電話代にまわされるからと言われている。すなわち、CDの売上低迷をモーニング娘。人気の下降と結びつけるのはおかしいと言える。

 二つ目の理由が、モーニング娘。という商品のマーケットが変化したことである。ニ○○一年、モーニング娘。のメンバー三名と、ココナッツ娘。のメンバー一名によるミニモニ。というグループが結成され大ヒットに至った。このグループの歌う曲は対象年齢が主に幼稚園生と小学生である。子供に受け入れられるということは、人気持続の面で非常に重要である。子が親にCDなどの関連商品を買い与えてもらい、家庭にそれらの商品が存在するという時点で、ミニモニ。及びモーニング娘。の国民的アイドルグループとしての地位を築くことは成功している。現在では、モーニング娘。の支持の大半は、こういった若年齢層とその家庭からきている計算になる。モーニング娘。のコンサートでは、通常の一般席以外にも親子席なるものが用意されているようで、これは実に優秀な戦略の一例と言えるだろう。また、現在のメンバー十三人の内、十人が十代である。平均年齢も、新しいメンバーが加入する度に減少しつつある。そのような若い女の子による若いグループ(最年少は十二歳)が、ニ十代、三十代以上の者、特に女性のファンを作るのは難しいと考えられる。メンバーの違い、曲調の違い、対象の違いなどから、モーニング娘。は結成当時とはマーケットがまったく違う商品へと変わってしまったのだ。それでも、先程リサーチでモーニング娘。の好感度について述べたが、現在ではテレビコマーシャルの出演数は数え切れず、モーニング娘。の印象は明らかに良いものとなっている。マーケットは変化したものの、成功はした。国民的アイドルグループになるためには、旧来のアイドルファンは切り捨てなければならなかったのだ。 モーニング娘。には前例が無い。以前、似たようなアイドルグループでおニャン子クラブが存在したが、それとは規模もマーケットも異なる。メンバーの加入脱退は毎週行なわれ、うしろゆびさされ組などの関連グループもいくつか存在した。モーニング娘。と共通する要素はあるが、おニャン子クラブのマーケットはアイドルファンであった。モーニング娘。も本来はそうであったが、現在では必ずしもそうとは言い切れない。事務所が売り出す新人が普通の歌手なら、売り出し方のノウハウは理解しているのでやり易い。しかし、モーニング娘。はやる事がすべて新しい方向へ向いている。非常に巨大な船だが、舵を取るのは決して楽ではない。プロデューサーのつんく♂氏は音楽性よりも企画性に重点を置いており、曲作りもカラオケでの歌い易さを重視している。これまで、オーディション、メンバーの脱退と加入、グループ内の新グループ企画はその新鮮さから吉と出ていた。しかし、飽きは必ず来る。アイディアが尽きると同時に、ファンは離れていく。アイドルグループの宿命とも言えるべきことだが、モーニング娘。と事務所はこの飽きを相手に戦わなければならない。この様な困難極まる経営戦略を真似することは不可能であり、モーニング娘。の二番煎じも登場する機会が与えられない。FOLDER5、dream、EARTHといったアイドルグループは芸能界に多く存在するものの、モーニング娘。の圧倒的な力が影響してか、一般層へ浸透するまでは至っていない。要するに、今のモーニング娘。にはライバルが存在しない。現在、音楽界では天才R&Bシンガー・宇多田ヒカル、女子高生のカリスマ・浜崎あゆみ、モーニング娘。が三強と言われているが、音楽面でも芸能面においても、ファン層がかぶりつつも求められるものが違い、微妙に土俵が異なるのだ。

 オーディション、頻繁に行なわれるメンバーの加入脱退が実際に機能していたのは、初期の頃のみである。結成当時は熱心なアイドルファンに支えられており、彼らは提携していたテレビ番組「ASAYAN」の視聴者でもあった。彼らの興味を維持するためにも、メンバーの加入脱退は重要な意味を持った。ところが、現在ではマーケットが異なるがために、これらは充分機能していない。一般人から見れば、メンバーの増減は新しいCDが発売される時に知り、さほど重大な要素ではない。新しいメンバーが加入したことによって、次に発売されるCDの売上が高くなることはないのだ。現在において、メンバー増員の意味はモーニング娘。にテレビ番組向けに新しいキャラクターを増やす目的と、小中学生への興味促進が主だと考えられる。しかしながら、新しく加入したメンバーと従来のメンバーの間では、歌唱力、経験、実績のギャップがあまりにも広いため、一つのグループとしてもまとまりに欠けるという弱点もある。モーニング娘。という商品を、ご飯にかけるふりかけに例えてみる。十三種類のふりかけが一つのセットになっている、それがモーニング娘。である。十三種類と聞けばお得な気もするが、一つ一つの印象を残しづらい。そのため、市販されているふりかけパックは、大体が五種類程度の味を複数セットにしたものだ。見当違いな引き合いのようだが、実に的を得ているのではと思う。

 弱点はまだ見つかる。それは、モーニング娘。は自身を安売りし過ぎということだ。仕事が多すぎるのである。メディアへの露出の多さは人気へも直結するが、逆に飽きられてしまうと消えるのも早い。現在、モーニング娘。のメンバー達は過密なスケジュールを施している。結成当時のメンバーの一人が、デビューしてからは一週間以上の連休を体験したことがないと言う程、仕事に拘束されている。今が最も人気のある時であり、事務所も売れる時に売っておこうという心理は納得できるし、決して間違いではない。毎年メディアでは解散が騒がれているが、事務所が現在のモーニング娘。のような金の壷を逃すことは絶対にありえない。売れなくなって落ちぶれるくらいなら、素直に解散させるという考えは間違いである。利潤追及体として利益が出る限り、活動は続けるべきなのである。しかし、今後も同じような戦略で活動を続けることは通用しそうもない。不幸なことに、モーニング娘。には未来像がない。結成当時とはマーケットも活動内容も異なるうえ、一体どこへ辿り付くのが見えてこないのだ。人気アイドルグループと言って多くの人が挙げるのがスマップ(ジャニーズ事務所所属)である。もはやアイドルという定義は通用しない程の地位にあるが、彼らの成功の秘訣は徹底的なイメージ操作と仕事を選別である。自らを安売りしないだけで、グループの印象は変わってくるものだ。もしもモーニング娘。がスマップのようなグループを目指すのなら、メンバーを固定し、世にこれがモーニング娘。だという姿を見せなければならない。モーニング娘。という名前は老若男女に浸透しているが、メンバーの名前を複数言える者は多くない。それほどまで個人が弱いのが、最大の弱点なのである。スマップの場合で言えば、木村拓也という超カリスマ的存在の力が大きかったが、モーニング娘。ではその様な存在は見当たらない。モーニング娘。が初めてメンバーが五人から八人に増えた頃のテレビ番組で曲を歌う時、八人でボーリング・ピンのような逆三角形フォーメーションを取った。この時、ボーリング・ビンの一番、つまり画面の一番手前に当時メンバーの中心的人物を配置することにより、視聴者に一辺に全員の顔と名前を覚えさせるのではなく、最も人気の高いメンバーにスポットライトを当てることによってカリスマ的存在を作り出そうという戦略の一例を見ることはできた。しかし、度重なるメンバーの増減により、視聴者はなかなかメンバーの名前と顔を一致させることができずに現在までに至る。つまり、モーニング娘。の解散後、もしくは脱退後に、個人として第一線で活躍し続けるのがほぼ不可能なのだ。現在でも、過去に脱退した数名が芸能界、音楽界で活動を続けているが、モーニング娘。に加入していた頃程の活躍は到底期待できない。

 メンバーが多いことはそれなりの危険を伴うと思う。幸いなことに、結成当時から現在に至るまで、決定的なスキャンダルはない。芸能人のスキャンダルや不祥事は人気に多大な影響を及ぼす。それはグループに関しても同じである。ニ○○一年八月に起きたスマップのメンバー稲垣吾郎の逮捕は、スマップというグループの存続の危険に直面したが、事務所側の徹底したイメージ戦略で現在では安泰している。モーニング娘。はその人数の多さから一人の脱退によるグループへの影響力は少ないが、その原因がスキャンダルや不祥事だった場合はどうなるか。平均年齢が非常に低く、多くが学生という身分であり、スキャンダルなどが同年代のファンに与えるショックは大きいだろう。過去にゴールデンタイムのテレビ番組で、幼稚園生と小学生に絶大な支持を受けるメンバー二人(当時十二歳)が番組内で下品な言葉を連発したことで苦情が殺到した。こういった悪いイメージ一つでも消費者は敏感に反応する。それが小さな子を持つ親なら尚更である。これは事務所側の監督不行届きが原因で起こったことであるが、今後、モーニング娘。という商品価値を安っぽく感じさせてしまうことには充分気を付けるべきであろう。

 モーニング娘。が嫌いと言う者は、「実力の無さ」を指摘する。確かに彼女達は歌が特に上手いわけでもなく、お世辞にも上手いとは言えないメンバーも存在する。天才的な才能を見せつける宇多田ヒカルや元ちとせのような実力シンガーは存在しないし、今後もそれ以上成長するとは思えない。ルックス面でも、他の芸能界のアイドル達よりレベルが低いという見解が多く、テレビ番組で笑いをとるのが上手なわけでもない。大々的なオーディションを行なっているのだから、新しく加入したメンバーよりも歌が上手で、ルックスの良い候補者も数多くいたはずだ。それでも、今のモーニング娘。が存在しているのは、彼女達は普通の女の子であり、それを身近に感じさせることがモーニング娘。という商品の狙いでもあるのだ。モーニング娘。に、歌唱力・ルックス・頭の良さが完璧に揃った人物は存在しない。宇多田ヒカルらを高級感あふれるブランド物に例えるなら、彼女達はスーパーで簡単に買えるお手軽の商品、なのかもしれない。

 今後、どのような新しい戦略を取れば良いのかは定かではない。新鮮さを求める改革よりも、まずは現在のモーニング娘。の抱える問題を解決して行くのが先ではないだろうか。現在では、モーニング娘。の楽曲はすべてつんく♂氏が手をかけている。彼は他にもいくつかのグループの作詞作曲も担当しており、いかに才能があってもとうてい一人の人間がいつまでも続けられる仕事ではない。事務所の利益面では不利になるが、飽きから避けるためにも楽曲を毎回違う音楽家に依頼する方が賢いと思われる。スマップ、山口百恵、松田聖子などは楽曲製作者が固定されてない。三年間続いたおニャン子クラブは、楽曲者が秋元康・後藤次利と固定されていた。商品が毎度違う顔を見せるのは、一回一回に波はあっても、モーニング娘。の武器である企画性を尊重するには充分な点ではないだろうか。そうすれば、いずれマーケットも拡大され、飽きられにくい。現在はファン年齢層が極端に低いが、やり方によっては更に高年齢のファンを増やすことも可能なはずである。モーニング娘。に必要なことは、現在にアイドルグループという名称をアーティストに変えることではないかと感じる。

 一見、大ヒット商品であるモーニング娘。も、その未来には何が待っているかは誰も予想できない。消費者の目から見れば、それは躍進とも迷走とも映る。ただ、アイドルグループという不安定な存在が、ここまで長くトップの地位を維持していることは安易なことではない。モーニング娘。の需要が今後いつまで持続するのかは分からないが、UFAはモーニング娘。を通じてアイドル育成のシステムを徹底的に研究し、次につなげることが大切である。日本企業は、何もモーニング娘。の戦略やUFAの経営方針を真似する必要はないが、学ぶべきものは多い。消費という概念が多く取り出されている今日、ヒット商品の開発と維持は、多少の強引さと幅広いマーケティングが必要だということである。モーニング娘。というアイドルグループは、単に巨額の経済効果と消費者への影響力があるだけではない。現在の日本経済が、長く暗いトンネルから抜け出すためのヒントが詰まっているような気がしてならないのだ。

    明るい未来に 転職希望だわ
    日本の未来は 世界がうらやむ

これは「LOVE マシーン」の歌詞の一部である。この時代にこの曲を歌う意味を、我々は理解しなければならない。そして、私はモーニング娘。の楽曲を聴いて、いつも思うことがある。それは音楽性のことでも、メンバーのアイドル性のことでもない。彼女たちが歌う、ノリの良い明るい曲こそが、皆を元気にしてくれるということだ。楽しませてくれる。それが何よりも大切なことだと思う。大袈裟な話でなく、この不況の時代に、未来に希望が持てないと嘆く日本人に元気を与えてくれているのではないだろうか。



 参考資料

zetima Online
http://www.zetima.co.jp/artist/Morning/index.html

Morning Musume –Hello! Project-
http://morningmusume.dream.com/

ASAYAN モーニング娘。
http://www.asayan.com/morning/index.html

All About Japan モーニング娘。成功の9ケ条
http://allabout.co.jp/entertainment/technopop/closeup/CU20010516/

虎ノ門 Discussion TIGER’S BATTLE朝まで生どっち
http://www.tv-asahi.co.jp/tiger/contents/back_number/asanama/02/020118.html

OngakuNET.com
http://www.ongakunet.com/research/res0001/


http://homepage1.nifty.com/lucy/indexshin.htm



 あとがき。

 コレ、大学の講義の1つ、商業学で実際に提出したレポートです。レポートのテーマは商品や企業についてSWOT分析と4Pの研究、といったものでした。こういったレポートや研究は大変興味があるのですが、一年の頃から幾つかの企業について調べもしましたが、有名企業はたいてい書籍やインターネットですぐに資料が集まってしまうものです。今回は音楽界・芸能界に焦点を当ててレポートを書いてみようと思いました。その芸能界で、今最も注目を浴び、なおかつ戦略的に南北東西している「モーニング娘。」は題材として非常にやりやすいかなと思いました。実際、講師はテーマの例に「モーニング娘。」も挙げていました。しかし、いざやってみると、テーマがテーマなだけに、大学のレポートっぽくするのは難しく、果たしてこの内容がそれを満たすかどうかは不明です(一応SWOT分析は行なっているつもりです)。メンバーの名前が、中澤を除いて一回も出てこないのが特徴というか、レポートをマジメっぽく見させているせめてものの抵抗です。

 僕はモーニング娘。は好きですよ。別にCD買ったりTV番組見たりするわけじゃないけど、このレポートをやってようやくメンバーの名前を全員覚えました(そしてすぐ忘れた)。ちなみに一番好きなメンバーは高橋愛です。かわいすぎです。ハイ。

 以上、6月でした。






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