広島旅行記3―呉

 広島旅行記も三度目に突入し、今回は海軍の町、呉からお届けする。前回の舞台である安浦からは最早お馴染みとなったJR呉線で30分強の道のりだ。なお呉市は2005年3月20日付けで付近の6町と合併し、新生呉市となった(ただし人口では呉市の20万に対し6町合計でも4万、ほとんど吸収に近い)。合併した自治体には前回扱った安浦、次回扱う音戸も含まれている。

 さて、呉における主要戦術目標は「男たちの大和」とワンセットに近い形で完成した海事博物館「大和ミュージアム」だ。同ミュージアムはJR呉駅の南側にあり、呉駅からは案内板に従い屋根付きの高架歩道を歩いて行けば容易に辿り着くことができる。駅のコンコースが北側なので歩行者は自ずとこの歩道を利用することになるのだが、案内板に従っていると何故かショッピングセンターの中を突っ切る(公式案内でもそうなっている!)ことになる。これは呉市とJRの陰謀なのだろうか。

 こうして駅から10分も歩く事無く大和ミュージアムに到着。入場チケット(大人500円)を係員に渡して展示ブースに入るといきなり1/10大和の巨大模型が出迎えてくれる。ただし自分の場合既に尾道で原寸大のそれを見てきたため、大きさの面では何も感慨を得ることはできなかった。第一砲塔や艦橋がちゃんとあるのには感激(なんか妙な感激の仕方だ)できたが、やはり回る順番としては尾道よりこちらを先にしたほうが良かったのかもしれない。
[原寸大見た直後だと流石に]

 1/10大和模型を十分に堪能した後は展示スペースだ。ここには呉海軍工廠の歴史や同時代の主要な艦船、当時実際に使用されていた物品などが明治期から年代順に並べられた「呉海軍工廠の歴史」コーナーと、戦艦大和の生涯を設計時から判りやすくまとめた「戦艦大和の生涯」コーナーの二つが設けられている。特に呉工廠の歴史は興味深い物が多く、時間の関係で足早に通り過ぎざるをえなかったのが非常に悔やまれる。そのうち機会があれば改めてゆっくり見て回りたいものである。

 続いて西日本各地から狩り集められ寄贈されてきた大戦期の兵器たち。零式戦六二型と「栄」エンジン、歴代主要艦船用の主砲弾、有人誘導魚雷<回天>、酸素魚雷として名高い九三式魚雷(ただし小型艦船用の直径53センチのもの)等が公開展示されている。下の写真は戦艦の主砲弾で、左の三つが46センチ砲弾(赤いのは三式弾)、真中のが40センチ砲弾、その右の3つが36センチ砲弾となる。なお更に右のほうには日露戦争時代の主力艦が使った30センチ砲弾や重巡の主砲である20センチ砲弾も置かれていたが、いずれも超弩級戦艦が備えた36センチ以上の主砲弾と比べると笑えるほどに小さい。これでは28センチ砲しか持たないシャルンホルストが36センチ砲装備の英戦艦に勝てないのも道理だ。
[まさに大艦巨砲]

 続いて小型潜水艇<海龍>。何のかんのでほとんど役に立たなかった秘密兵器「甲標的」の発展型といえる小型潜水艦である。横腹には日本最強の対艦兵器である九三式魚雷(こちらは61センチのフル・サイズのもの)が備えられているが、その大きさと言ったら大和の46センチ砲弾の比ではない。直径61センチ、全長9メートル、重量2600kgもあるのだから大きいのも当たり前なのだが、大和の主砲弾にそれほどの感慨を感じなかった自分もこの魚雷の大きさには戦慄を感じずにはいられなかった。確かにこれなら重巡の艦首を一撃でもぎ取ることができそうだ。
[よく考えたらこれどうやって発射するんだろう]

 兵器の展示コーナーが終わると次は艦船の模型コーナーで、太平洋戦争当時の日本海軍主要艦船の大型模型が展示されている。有名どころの戦艦や空母は1/100の大型模型が収められ、それ以外の主要艦艇も多くが1/200で展示されておりなかなか壮観な眺めだった(1/700のウォーターラインシリーズまでちゃっかり置かれていたりもする)。これは余談だが、入り口横の売店ではウォーターラインシリーズの戦艦「大和」(「男たちの大和」仕様限定パッケージ品)が販売されており、なかなかの勢いで売れていたりした(しかも普段プラモなんてつくらなそうな小さな女の子とかに)。模型が大量に置かれていたのはひょっとしてこのためなのだろうか?

 さて前回に比べると短いが、残念ながら博物館の中と言うことでなかなか写真が取りずらく、また残された時間が気になっていて館内は足早に通り過ぎてしまったので今回は掲載できる写真がもう残されていない。このあたりでネタが尽きたので今回の記事はここまでとする。