大統領に政治生命・最大の危機が訪れた。
…………それは、“ロマンス”。



アメリカン・プレジデント






◆ 評点――――★★★

◆ アンドリュー(米大統領) ……………マイケル・ダグラス
◆ シドニー(ロビイスト)………………アネット・ベニング
◆ ルイス(首席内政顧問)………………マイケル・J・フォックス
◆ AJ(大統領補佐官)…………………マーティン・シーン
◆ ジェニー(専属補佐官)………………サマンサ・マシス
◆ ラムソン(対立大統領候補)…………リチャード・ドレイファス




≪ あらすじ ≫

主人公は、選挙を 間近に控えた アメリカ 合衆国大統領アンドリュー(マイケル・ ダグラス)。 一人娘(この娘が、可愛いです。 ポイント。 でも名前が杳として 知れない……)の父親で、男やもめ。
4年前の大統領選では、僅差で勝利した経験がある。

そんな彼が、美人ロビイスト・シドニー(アネット・ベニング)と出会い、あっと いう間に 恋に落ちてしまう。 周囲の目をはばからぬ ふたりの仲の良さに、補佐官 たち(マーティン・シーン、マイケル・J・フォックス、サマンサ・マシス他)は、 半ばあきれ気味。 一応 苦言を呈してみたりはするものの、『公務とプライベートは 別』と、アンドリューはきっぱり言い切る。

――しかし、時あたかも 選挙直前。
現大統領の 対立候補・ラムソン(リチャード・ドレイファス)は、この世紀の スキャンダルを利用して、中傷攻撃を開始。 アンドリューの支持率はどんどん 落ちていく。 心中穏やかでない、側近たち。 ままならなさに苛立ちながら、事態 を打開する道を模索する。

この政治的危機を、アンドリューとシドニー、そして優秀な補佐官たちが どう乗り 越えるか。 アンドリューとシドニーは、果たして幸福になれるのか? ………… というのが、物語の中心です(たぶん)。




なんと言っても キャストの豪華さ! 主役クラスの 大俳優たちが、惜しげもなく 出演しています。 特に、脇役がみんないい味出しています。 脇役がいい作品と いうのは、私のツボです。 主役ひとりが出張る作品というのは、あまり好きには なりにくい性質です。 困ったもんです。

いわゆるラブロマンス、です。 でも甘いラブラブばかりではないあたりに、好感 が持てる一品ではないかと。
かっこいい政治がらみのシーンが多く、アンドリューとシドニーも、政治上での 意見の不一致があったりします。 そのせいで、溝ができてしまったりもします。

私のお気に入りは、主席内政顧問のルイス氏(マイケル・J・フォックス)。
とても有能な方です♪ 終盤の盛り上がるところで、大統領に喧嘩を売るような発言 (でも筋は通っているから、かっこいいのです)をするくだりが、とてもツボです。
スピーチ(年頭演説だったはず)の原稿を頼まれて、『30分で書けって? 余裕だな!』 と、強気の発言をするのも素敵です……なにげに、M・J・フォックスさんは 頭のいい 人の役が似合うのだなと、この作品で気づきました。

副大統領兼 大統領の親友、AJ役のマーティン・シーンさんも素敵です♪
けっこう感情的な面のある 大統領に対して、いつでも穏やかに彼に対する、良き友人の 彼。 しみじみとした 味が出ています。 …………実は息子のマーティン・シーン氏より、 私はこの方のほうが 好きです。 知的で渋いです(どうもわたしは、この『知的で穏やか で渋い』というタイプに弱いらしいです……)。

大統領のお嬢さん(名前が分からないのが残念)は、賢くて父想いの娘さんです!
父親と対等に皮肉合戦を やっていたり。 シドニーとの恋も、しっかり応援してくれます。 なんて理解のあるお嬢さんなんでしょう(じーん)。 ……しかしここで娘さんが猛反対 したりしたら、事態の収拾がさらに困難になっちゃいますけれどね……。

ラムソン上院議員役の リチャード・ドレイファスは、あの名作 『陽の当たる教室』 (この映画も好き♪ です)で、主役の 心やさしい 音楽教師を演じていた人です。 この 方はけっこう、知ってる人も 多いんではなかろうかと思いますが。
この『アメリカン〜』の中では、ひたすら嫌味で 陰険な人物を 演じてますけれど…… 役柄で、ここまで変われる俳優さんってすごいです……尊敬。

――あ、主役について 語らなくては。
アンドリュー大統領。 ……ラムソンとは反対に、明るく嫌味な(……)おひとです。 部下との掛け合い漫才が、なんとも愉快です。 最初のシーンで、朝、顔を合わせるなり 説教をし始めたルイス(M・J・フォックス氏)を見て、『そら来た』とぼやくシーンが お茶目でした。
この人の 口説き文句は……ある意味すごい……強烈です。
人の話をほとんど聞かずに 勝手に話を進めて、ついには 自分のペースに乗せてしまう、 というやりかたで シドニーさんを落としていました……。
でも、その自分勝手さがいい感じなんです。 なんだか、笑って許せてしまいそうな 雰囲気の、かわいい自分勝手で(もう、しょうのないひと。 ……という感じです)。

シドニー役の アネット・ベニングさんも、知的かつチャーミングでかっこいい女性を、 厭味にならずにうまく演じています(うちの母上が、えらくこの人を気に入っています)。
しかしこの人の出演していた(おそらく準主役)『グリフターズ――詐欺師たち』は とてもとても暗かったのです……詐欺師というから、軽快な詐欺コメディ(なにそれ)だ と思っていたんですが、見事に当てが外れました。 ラストが救いようもなかったです…… (思い出すのもちょっといや)。


あ、オープニングの 映像が、私は大好きです。
荘厳で、威風堂々。 アメリカの歴史の重みを、ゆっくりと語りかけてきてくれている気が するのです。 歴代の大統領の肖像画。が次々に映し出されて、うちの家族と『これ誰?』 『あ、もしやこれはリンカーン?』なんぞと言い合っておりました。

特に賞などは 貰ってないんですけれど、いい作品ですよ。




◆ 監督…………ロブ・ライナー