彼は替え玉。 でも最高にワンダフルな大統領!


デーヴ






◆ 評点――――★★★★

◆ デーヴィッド・コヴィック/
◆ ビル・ミッチェル……………ケビン・クライン
◆ エレン・ミッチェル…………シガニー・ウィーバー




≪ あらすじ ≫

ビル・ミッチェル大統領の そっくりさん、デーヴィッド・コヴィック(ケビン・ クライン)。 このたび1回限りの契約で、大統領の替え玉を演じることに。

だが、本物の大統領が、その日脳卒中で危篤状態に陥ってしまい、陰謀たっぷりの 大統領主席補佐官と、その巻き添えのような広報官に頼まれ、そのまま大統領のふり をし続ける羽目に!
政治のことなどちっともわかっていなかったデーヴは、戸惑いながらもだんだんと ホワイトハウスになじんでいく。

本物にはないやさしさとユーモア・センスで、一躍国民の人気者になるデーヴ。 その魅力は、とうの昔に冷めきっていた関係だった、ファースト・レディのエレン (シガニー・ウィーバー)の心さえも惹きつける。
だが、大統領の地位を狙うボブ・アレグサンダー補佐官(フランク・ランジェラ)の 陰謀により、デーヴは就任(!?)以来のピンチに!




なにがいいって、やはりキャラクターでしょう。
『天然コメディアンですか、あなたは』と 突っ込みたくなるほど 陽気なデーヴは もちろん、気が強いけれど 実はかわいい性格をしてるエレンさん。 アレグサンダー の部下だけど、実はとっても人が好いふとっちょ広報官さん。 無愛想で無表情だけど、 ここぞという時には 決めてくれるシークレット・ガードのデュエーンさん。
みんながみんな、魅力的で とってもナイスです。

……しかし、向こうの大統領ってスゴイですねぇ。
野球の始球式にまで 出てるんですもん……びっくりしました。 あちこち飛び回って は、そのたびに人気を上げていくデーヴが素敵。


それにしてもこの作品、笑えます笑えます。
笑わせてくれるのは、主にデーヴのパフォーマンスですけれど、それだけじゃあない のです。
生真面目なシークレット・ガードさんが、突発的なデーヴのお茶目行動を、慌てて フォローするところ。 エレンが強烈に冷たい科白で、デーヴを固まらせるところ。 ……なにしろ本物とは 夫婦関係が凍っていたもんですから、最初のころは毒々しい 科白ばかりが、彼女の口から飛び出ること飛び出ること…………。

この映画に限ったことじゃないんですけれど、アメリカ映画は、さりげなく伏線を 張って、あとあとで効果的に使用する――というのが とても多い気がします。
随所で、『あ、あれは伏線だったのか』というのを見つけられます。 小技のぴりりと 効いた、丁寧に作られた作品ですね。 そういう伏線を探すのも、映画を観る楽しみの ひとつなのかもしれません。


――なにより、シガニー・ウィーバーさんがとっても素敵!
『エイリアン』シリーズの 『女戦士』な彼女しか知らない人は、びっくりするかも 知れないくらい、この作品の彼女は 気品溢れるファースト・レディです。
シンプルなロング・スカートが、長身(なんだか180cm 近くあるらしいと)に、 よく似合ってますし、スーツ姿は女性らしくなりすぎないで、かっこいい。
私的には、ネグリジェ&パジャマ&ガウン姿の彼女が、素朴だけど 可愛くてお気に 入りでした。
『ああ、シガニー・ウィーバーさんって、こんなにきれいで素敵な人だったんだ』と、 認識させてくれた この映画に感謝。
と同時に、彼女をファースト・レディ役に抜擢した スタッフの御慧眼にも、感服。 やはり、いい映画はいい配役から。

シガニー・ウィーバーさんというと、『エイリアン』シリーズでも見せたように、 男顔負け(ほんとに負けてる)の、とても存在感のある女優さんですが。
……なのにこの作品では、デーヴ役のケビン・クラインさんと 横に並んでも、殿方 を食ってしまうほどの強烈な存在感がなくて、しっくり隣におさまっているんです。 俳優さんって、不思議だなぁ、と思いました。

あとは、シークレット・ガードのデュエーン氏が、この作品にいい味出させてますね。 科白が少ないわりに 存在感がありますし、随所でびしりと決めてくれますし。
最後の名ゼリフに 『おお! それでこそ!!』と思ったわたし。

出番は少ないんですが、副大統領の人もいいですよー。
おいしいところ かっさらっている気(笑)がしますけれど、彼のエンディングの科白 はいいぞ! ……と、私は力一杯 お薦めします。


デーヴのパフォーマンス&演技力を楽しむもよし、デーヴとエレンの微妙な関係を 見守るもよし、『大統領ってこうなのか』と 納得するもよし。
何度でも楽しめる逸品です。 おためしあれ。