| 勝 あしたの雪之丞2 |
| 主人公 久保勝(変更不可):ノリ良く明るく手が早い 心の中に鬱屈を抱える、が酷くは無い 若干ジャイアニズム 対応ヒロイン 水島あきら :ダレた性格、たかり魔、家庭問題で無気力気味・でも本当はネ型、ポニテ 桜瀬由美子 :喘息持ち、控えめだが気はしっかり、周囲優先・自分後回し、優等生 三枝マキ :年上属性、挑発系ノリ進行お嬢(笑)、面倒見てやりたい型 藍川ちはる :後輩、ドジっ娘兼一生懸命タイプ、青髪、スポーツ系(ボーイッシュでは無い) ・・・ここに主人公の妹(久保晶子)を載せるのはやっぱ反則っぽい気がするので自主的に中止(w)。シナリオはちゃんと あるのだが。 |
| 好判定属性:学園王道物ラブコメ好き 前作ファン前提 前作スタッフが合わせ鏡というべき作品を作った、というのが今作の印象であろう。ざっと挙げるだけでも (1)主人公の属性・・・ 陰 → 陽 へ (2)ヒロインの属性・・・ 活発 → 厭世的(やや語弊はあるが) (3)サブヒロイン属性・・・気弱から気強、年上しっかりから年上自堕落、後輩天然ボケから後輩一生懸命型へ (4)シナリオ骨子・・・ 「学園生徒としてのイベント・問題」 → 「関係なく一身上の問題発生」 同じく 「ヒロインの数で勝負ストーリー」 → 「1人の質で勝負ストーリー」 他にも多くの点で、前作を鏡に映して正反対に書き上げたと思しき箇所がよく見つかる。ただしそれらは対象のファン層を 逆転させるものではなく、同じ軸の右と左に分けられているだけ、と考えて良いだろう。この為、あくまでも「前作のファン」 に向けた作品としての立ち位置を崩してはいない。 上でも少し触れたが、シナリオは基本的に「前作の元凶たる主人公が、表面上明るく他のヒロインをフォローしていくが、 後半でうじうじ誤魔化してた自分の傷が噴出し始め、同時にヒロインの個人問題も急激に悪化したため手に負えなくなった。 さあどうする?」てなものである。また前作では「鹿島祭」が攻略フラグの前半判定になっていたが、今作では「修学旅行」が これに当たる。シナリオ通してボリューム(密度)は間違い無くアップしており、「修学旅行」を含めて少なくとも3つは大きな シナリオ分水嶺にぶち当たることになるだろう。当然難度もアップしている。恥ずかしながら私も前半判定(修学旅行判定) については攻略サイトの世話になってしまった・・・。 キャラ数は前作より減少している。これは恐らくシナリオの力量的に、ボリューム増に追いつかない分を削ったのであろう。 結果、「気に入るキャラ数も減少」の荷を背負いはしたが、シナリオの仕事としては正道を貫いたということだろう。 王道とは言えども前作の「学園恋愛」という真っ只中の中の真っ只中ではなく、少しは捻られた 正統派ストーリーに格上げされている。主人公勝の背負うものが雪之丞に比すれば軽い(ある意味では重いが) ように(プレイヤーが)意識する展開の為、その分までヒロインの荷が重くなっており、それが濃い味として出て来ている。 主人公が明るく、比較的能動的であり、また抱えた鬱屈も何とか押さえ続けられる力を持つことから、必然的に前作の 雪之丞とはノリが違う。「ヒロイン(というか、せりな)の魅力と行動」で押した前作とはシナリオのツボや進行役が違う。 音楽の面では残念ながら、前作に劣っているように思われる。前作の使いまわしもあるが、これは手抜きではなく、前作 登場キャラに合わせた演出なので問題は無い。ただ、新規の曲でそれほど引きこむものは無かった(悪い、ということでは 無いので念の為)。 バグや操作中の問題は見られず。安心してプレー出来る老舗らしい確実で行き届いた設計になっている。 また、最終的には今作だけでは味わえない魅力を目指したエンディングも存在する。前作・今作を通してプレーすることが、今作を 楽しむための最大の条件であろう。全体的にソツなく作られており、丁寧に一定水準以上の作品が作られています、という評価を して差し支えないものと思われる。前作プレー前提ではあるが、逆に言えば前作プレイヤーにはおなじみの安心を約束出来る。 |
| 嫌判定属性:前作未プレー ある意味で前作ファン えー、「王道なんて飽きた」とかなんとかいう観点の批判は前作やれば向き不向き判るはずなのでもう触れない。 さて。ぶっちゃけ「せりなのいない”雪之丞”に明日はあるのか?」というのが今作の論点であろう。 今作は結局のところ、「主人公−ヒロイン」の中身をそっくり入れ替えようとした作品な訳だが(登場人物の台詞でも、今作の 勝と前作のせりなが”中身一緒”とまで言われている)、はっきり言って勝にせりなの代役は出来ない。 まあ仮にもヒロインの代役が主人公でOKではたまらん訳だが、結局このせいでぶっとび具合がパワーダウンしていることは 否めない。のみならず、結局前作のキャラ(というか、せりな)抜きでは話が展開出来ない状態になっている。 これは今作で、本道を支える脇役・脇設定の決定的な力不足を認めてしまっていることになる。シナリオは重厚化、役者はパワーダウン。 ・・・これでどうしろと?元々、ボリュームアップといったところでヒロイン数との引き換えな訳で、立っているランクが上がった訳では無い。 質を採るか、量を採るかなのだから、一人辺りの書き込みはパワーアップしていて当然、当たり前、最低条件だとすら言えよう。 「前作のファンの為に旧キャラを出す」のは良い。それはいわばファンの期待に応えるサービスとして評価されるべきではある。 だが! しかし!! 一人前の作品だろうが!!続編は「おまけ」じゃねえだろ!? このシリーズにせりなが必要なら、無理に反転キャラなんざ作るな! ライターの力量で「重厚化」が出来ないなら、無理にそんなもん合わせ鏡にするな! グレートマジンガーがいまいちマジンガーZを超えられないのと 同じミスを犯してやがるッ!! 「私がヒロイン」だの「今回は脇役」だのといった、いわゆる楽屋オチを多用しているのもマイナス点。別に前作でも時折は見られたし、 笑いどころとして入れる効果を全否定はしない。だが、一方でシリアスを増すような展開にしておいて、この手の「興ざめ」を多用するのは 見苦しいというほか無い。前作で「舞台効果」に味をしめた、というなら論外である。誰がそんなもんパワーアップさせろと言った、てめぇで その世界観(舞台)そのものを反転させたんだろうが。 手抜きとは言わない。しかし 「雪之丞に頼るな!」 「ひげぇぇぇぇ!」 <漫画版スクライド爆 と製作スタッフがぶち殺されても文句は言えないと思われる。また、ヒロインにしても前作での同位置キャラと比べ、確実に魅力アップして 描かれているのは桜瀬由美子ぐらいのものだろう。なお、メインヒロイン水島あきらは一応ヒロインとしての面目は保っている、と評価出来る キャラ造形ではある。ただし、前作の春日せりなが一人で作品を背負うキャラだったことと比べるのは可哀相に過ぎるだろう。そもそも、 ダレキャラ・無気力系というこれまたヒロインとしては一癖難を持つキャラを、前作を受け継いだ今作のヒロインとして十分な魅力を持たせ、 せりなの後釜に据えるなどというのは、明らかに苦労するのが判りきっていた。 これらの欠点全ての原因は詰まるところ一つに帰結する。 「せりなの魅力」を売りにした前作の反対を「各キャラほどほどに魅力」にしたスタッフの責任。 王道シナリオとは言っても、「前作に比べてパワーアップ」程度じゃ今作のシナリオは武器にならんのですよ、上の人にはそれが 判らんのです。もともと、雪之丞の評価は「この程度のシナリオなら腐るほど流布している」のだから。敢えて、それを百も承知で 規格外のヒロインを放りこんだところが「雪之丞」の売りだったのだから、その売りを消してしまった以上、対比される今作の主人公を とんでもない超人的(行動性の)主人公にするか、あるいはシナリオライターが二回りぐらい剥けねばどうにもならない。シナリオはそうすぐに 急成長出来るものでもないのだから、当然主人公に、「雪之丞」から引き継いだパワーを受け止める必要があった。ただ、問題は、 エロゲにおいて「主人公の個性」なんざ「ヒロインの個性」の万分の一の意味も無いことだろう。結果として、 単体としての今作の評価はダウンしている。 「無駄なパワーアップ」としか言いようが無い。 難易度もアップさせること自体をそう批判はしない。が、ダミー増加はまだしも、 「ヒロインを一途に追っているとクリア出来ない」といった手法は個人的にはどうだかなぁ、と思いますな。 損はしないことは認めよう。シリーズ第2弾として、シリーズファンを楽しませるために前作とは別の味わいを目指したことも認める。 しかし、一つの完成品として目指すべき路線は違ってたんじゃないのか? という疑問は拭えない。
|
| 個人的一押し:桜瀬由美子。 ただの病弱キャラではない芯の強さと、そして雪之丞シリーズ全ヒロイン中でも屈指の「正統派」な美少女ヒロインであるところ が魅力。個人的に、「ヒロインらしからぬヒロイン」であるせりなに本来対比させるべきだったのは「ヒロインらしいヒロイン」 である彼女ではないか、と考えてしまう。 水島あきらも一キャラとして見たときの印象は悪くは無い。しかし、前作のメインヒロインであるせりなと、どうしても比較して 見てしまうため、魅力的には一枚落ちて評価されてしまう。重いものを背負っているシナリオもしっかりしてはいるのだが、 本来彼女も「王道物のヒロイン」とは言いがたいキャラクターであり、今一歩前作との対照を為すのに失敗している感がある。 |