ネットワークRPG“クレギオン”シナリオ#5
『バビロンの紋章』/灼熱の夜明け編

第12回リアクションXA1

★敵は海賊

9/10


Act.13 幕間
 セフィール・ライトは昼食を終えるとキャヴァリアー格納庫に向かった。格納庫では、整備員達が先日捕獲した<アズラエル>を取り囲み、羨望のまなざしで眺めている。
「どうか、したんですか?」
 倉庫のお掃除グッズを準備しながら、セフィールは手近な整備員に声をかけてみた。
「整備したいよねぇ、って皆で言ってたんですよ」
 彼の話をまとめると。アダンはDスペース騒乱の後、騎士団を解散し、新たに軍を組織した。元々貴族を中心として個人所有されていたアダンのキャヴァリアーはその時点で全て国家財産となり、国外への売買が禁止されてしまったのだ。美術的価値も高かっただけにアンダーグランドでの売買も今では殆ど見る事はなく、幻の品となっているのである。そんな『レア物』が目の前にあるのだ、これは是非とも隅から隅まで見なくては。意気込んだ整備員有志連合は、興味津々でキャヴァリアーを見ていたエレザール中尉に無理矢理頼み込んで、所有者に承諾を貰いに行ってもらった。しかし中尉はあれ以来姿を見せないし、仕方なく指をくわえて見ているしかない、という事らしい。
 キャヴァリアーにさして興味を持ってないセフィールは、ふぅーん、と適当に返事をすると、バケツを抱えて倉庫に向かった。
 ふんふんふんと鼻歌混じりに粗大ゴミを手早くかたづけ、モップがけでもしようかとバケツを持って外に出た時、グリーン中隊隊長ジェシカ・ランバートが通り掛かる。
「あら、セフィールさん」
 ジェシカはふわっとした笑みを見せた。
「倉庫の掃除、パイロットはやらなくてもいいんですよ。ところで、セフィールさんもコアシリンダーシステムの実験に立ち会ったんでしたね。どうでした? 自分では、使うつもりはありませんの?」
 ジェシカの言葉に、セフイールはどうしたものか、考え込んでしまった。