ネットワークRPG“クレギオン”シナリオ#5
『バビロンの紋章』

第3回プライベートリアクションXA2

★OPERATION"V"

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 植民歴4233年2月。宇宙戦艦アトラスは、民間船団を伴ってオーキス太陽系へとようやくたどり着く事に成功していた。だが、件の太陽系は民間船団の受け入れを冷たく拒絶している……。

Act.1 住居区にて

 ブルー中隊の2番機を駆るアッシュ・グレーは、私室の机上にある物体に期待と困惑の入り交じった眼差しを投げかけていた。
(こ、これは、まさか……)
15cm×10cm程の箱状のそれは、ピンクと赤のストライプに彩られた包装紙に包まれ、小さなリボンが添えられている。思わずにやりと笑いながらそれに手を伸ばした時、ドアがけたたましくノックされた。
「なあなあっ、これこれ☆」
 いつものクールさはどこへ吹き飛んだのか、リノ・カーネリアが嬉しそうに笑顔を覗かせた。
「知ってるか? 今日は2月14日、嬉しくも期待あふれるバレンタインなんだぞ。俺さ、もう、メカニックの女の子やら生活班のお嬢さんやら、色々貰って大変でさぁ……」
 成程、リノの手には3つほどのそれらしき包みが握られている。大きく言う割りにはあまり貰ってないよな、と思いつつも、アッシュはその中に自分の手にしている包みと同じものをすかさず見つけた。
「で、アッシュはいくつ貰った?」
「ひとつ」
「ひとつぅ〜?」
 リノは自分の最大のライバルがアッシュだと考えていたので、拍子抜けした。おいおい、少なくとも3つは貰っていろよな、と心中でツッコミを入れる。
「でも、送り主がよく判らない。リノ、その赤い包み、誰に貰ったんだ?」
「ああ、これ?」
 リノはピンクと赤のストライプの包みを持ち上げる。
「朝からさ、俺の机の上においてあったの。起きたら気が付いて――」
「惜しかったな、夜中に目が覚めていたら、その娘と鉢合わせしたかも」
「――アッシュ、先ずおまえの方こそそう思ったんじゃないの?」
 リノはアッシュの手にする包みをジト目で見つめた。
「ま、2人に来てるからメリルさんかなー。きつい所もあるけど、結構可愛いしさ」
 言いながら、リノはその包みを開け始める。箱と包みの間から、一枚のカードがヒラヒラと舞落ちた。
「ほら、きっとこれに、メリルさんの可愛い字で――」 
カードを一瞥して、アッシュは鋭く突っ込んだ。
「別人だぜ、おい」
[St.VALENTINE 
――宇宙を駆ける、貴方のこれからに幸運を
                       レーア]
「レーアちゃんって、誰だ?」
 カードをのぞき込むリノに、アッシュは首を振ってみせる。
「艦内女性 Who's Who のリノが知らないものをmる筈ないだろう」
「コラコラ。誰が Who's Who だって?」
「またまた。ご謙遜を」
 乾いた笑いが響いた。しばらく不毛な時間が過ぎた後、リノは建設的な意見を示した。
「休憩室にでも行ってさ、聞いてみるか」