後書

これは、様々な記録の断片を組み上げて、兄弟効果による意識の共有によって補完した物である。
「蒼嵐」ブラウゲイルはこれより10年後に掃海船によって微かな残骸が発見され、その中に偶然航行記録が残っていた。
一応親族であるということもあり、更に5年後、それは私の所へ届けられた。
それをそのまま参考資料として使用した物である。
故に、これは真実である、と再び言わせてもらおう。
私の姉と親友の歴史である、と。
果たして彼らが星界で何を見たのかはわからない。
誰も宙へ行く事を考えなくなってしまった今としては、解らないことだ。
30年たってしまった今でもふと空を見上げるときがある。
彼らが、あのときのままの笑顔で、帰ってきてくれるのではないかと。
そう、夢想してしまう。
この身体も、黒使病ワードキャンサーに侵され、後余命何年も残っていないだろうと診断された。
義体の身体で黒使病に冒された今、逃げる手だてはもう無い。
ただ、彼女らのことを、誰も覚えていてくれないのは哀しいと。
そう思っただけのことだ。
そのお陰で、作詞などという恥ずかしいことをする羽目にもなってしまったのだが。
なお、その歌「争乱神舞楽曲」は、巻末に掲載されている。
そろそろ、時間も残り少なくなってきた。
まずは、この本を書き上げられたと言うこと。
そして、この本を手に取ってくれたことを感謝して、此処に筆を置くことにする。


戦後歴562年 癒月 三日

翼達が空へと昇り、還って来なかった日に。

Walter Heuansywam

 


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