レジェンド・オブ・スケロク2 エピソード3

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第6話 苦悩2〜超越者の場合

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スケロク共和国共和国の中心地スケロクシティ。ここにある政府の施設で、特務部隊「ホワイトラヴァー」の結成式典が行われていた。

「・・・祖国のために死ぬ!それが我々に課せられた使命だ!まずは目下の敵、イナリ王国を叩き潰す!超越者ゴロウの名の元に!」
副隊長であるイルの長い演説が終わり、会場に拍手が沸き起こる。時の大統領ザエモンも、会場に顔を見せていた。

「いかがでしたか、ゴロウ殿。私の演説は−」
イルが、ホワイトラヴァー隊長に任命されたゴロウの元にいく。
「さすがだな、イル。俺はこういうのは苦手だから、君の存在は助かるよ」
ゴロウは頭を掻きながら苦笑している。しかし、すぐに真顔に戻って、政府の極秘研究施設に入っていく。
「俺たちが結成された理由を、ホワイトラヴァー全員が理解しなければならない。イル、期待しているぞ」
イルは全てをわかっているかのような顔をして、こう答える。
「はい−『人造超越者計画』は滞りなく進行中です。捕獲した超越者−ルビーアイの少女の解析はほぼ終了、プロトタイプの試作にとりかかります」
ゴロウとイルを乗せた巨大なリフトが、地の底へと通じているかのような穴を降下していく。

施設の最下層には、ガラス張りの筒が無数に並んでいた。その中の2つに、2人のルビーアイの少女が入っていた。死んでいるかのように動かない。
「世界に16人いると言われている超越者・・・そのうちの三人が俺とこの娘たちか・・・」
ゴロウは冷淡な表情で、筒の中の少女を見つめる。

超越者の出現により、世界の戦争は変わろうとしていた。それまでは二足歩行戦車による白兵戦が中心だったが、現在では、世界中の各国が軍事的主導権を手にしようと、超越者の探索に力を入れている。
そんな中、自らの能力を武器に出世を重ねたゴロウが超越者と判明したスケロク共和国は、ゴロウの力によって、新たに2人の超越者の発見に成功したのだった。
そして、超越者のメカニズムを解析し、人工的に超越者を生み出そうとするプロジェクトが始まったのだった。



−わたくしの声が、聞こえますか?−



「なんだ!?」


−わたくしたちは、貴方の目の前にいます−


「!」


−貴方も私たちと同じ。利用されているだけよ−



「ゴロウ殿、どうなさいました?」
「なんでもない、ちょっと疲れた。一人にしてくれないか」
ゴロウは青ざめた顔をして、イルを施設から出るよう促した。
そして一人、ゴロウは二人のルビーアイの少女の心の声に対峙していた。

「そう、戦争の道具。それが俺の生きる道だ!何が悪い!?」


−人造超越者計画・・・この計画はあまりにも危険です。世界を破滅に導きかねません−


「この計画が成功すれば、俺たち超越者が戦争の道具として利用されることはなくなるんだ!お前たちだって解放されるんだぞ」


−何もわかってないのね−


二人のルビーアイのうち。年上の少女が言った。


−私たちは、用が済めば殺される・・・それはあなたも同じ−



「・・・」


−よく考えてください。貴方はこのまま戦争の道具で終わる方ではありません。−



少女のその声を聞いたか聞いていないか、ゴロウは施設を後にした。


(俺に何をしろというんだ)


「君に新たな任務を与えよう」
ザエモン大統領が、次の日、ゴロウに直々に任務を言い渡しにやってきた。
「世界中の超越者を探し出し、すべて抹殺する。例の計画に成功のメドもたった。人造超越者が完成すれば、超越者は危険な存在でしかない。いつ他の国が同じような計画を始めるとも限らないからな」

「・・・!」
ゴロウは愕然とした。昨日の少女の心の声が頭にフラッシュバックする。
「同じ超越者を殺すことに抵抗もあるだろう。しかし君ならやってくれると信じているよ」


−用が済めば殺される・・・それはあなたも同じ−



(俺は違う!違うんだ!)

ゴロウは、心の中で自分に言い聞かせるように叫んだ。超越者の中に、自分のような境遇の者がいないともかぎらない。そのような不安をを打ち消すかのように叫んだ。

その日の夜、ゴロウは二人のルビーアイの少女の前にいた。
コンピューターを操作し、少女をガラスの筒から解放する。
「貴方なら、わたくしたちを助けてくれると信じてくれました」
「俺はどうすればいい!?わからなくなった・・・」
「私たちルビーアイの城へ来るといいわ。あそこなら貴方をかくまうこともできる。とにかく、私たちを助けた以上、ここにいては危険だわ」

ゴロウは、二人の少女を施設から連れ出した
「そういえば、まだ名前を聞いてなかったな。俺はゴロウ」

「私はセレナ。よろしく」
「わたくしはラナと申します。よろしくお願いします」
そして・・・ゴロウの逃亡の旅が始まった。



「スケロク様!」
ラナの声で、スケロクは目を覚ました。
「大丈夫ですか?ひどくうなされていましたが・・・」
「変な夢をみた・・・夢にしてははっきりしすぎているし。ザエモン大統領の時代だったな。200年も前だ。ラナも出ていたし、本当に変な夢だった」
それを聞いたラナの顔は強張っていた。そして、ホテルの部屋の外には、卵形の物体を持ったセレナがいた。セレナは、すぐに自分たちの泊まっているホテルに戻っていった。


「ええ。間違いないわ。『彼』よ」
「そうか・・・」
「私は好きにやらせてもらうわ。それが契約の条件だから」
「ああ、わかっている」
すぐにセレナは姿を消した。
「スケロク・・・奴が・・・」
イルの視線は、遥か遠くを見つめているようだった。


「うぉ〜〜!!スケロクいくぞぉ〜!!」
二度寝していたスケロクの布団を、チヨ子がひっぺ返した。
「んぁ〜〜。チヨ子さん、もう少し寝かせてくださいよ〜。変な夢見たせいで、寝た気がしないんですよぉ〜」
スケロクは布団に潜り込む。
「そんなんじゃ今日の本選勝ち抜けないぞ〜!」
チヨ子が布団を再度ひっぺ返す。しばらくは、布団の奪い合いが続いていた。
「『その時』はもう近いのかもしれませんね・・・」
ラナはつぶやいた。
そして、武術大会の本選が始まろうとしている。


(Continue)

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