夢No.19
運命のイト
左手の小指には、赤い糸が巻き付いていて、
それは自分の運命の人と結びついているのだそうだ。
誰でも知っているこの話を、
僕はいったい、いつ、どこで知ったのだろう?
気付いた時には知っていた。
そんな気がするほどに定番な話ではある。
ふと、そんなことを考えながら、自分の左手小指を見てみる。
すると・・・付いているではないか。小指の付け根にハッキリと。
目を凝らす。付いている。ほっぺたをつねる。付いている。
何度見ても、手で触ってみても、細く赤い糸は依然そこにある。
僕の小指には、運命の赤い糸が付いているのだ。わお。
いやいや、ちょっと待て。
こりゃ、なにかのタチの悪い冗談だろう。
と、思ったが、ふと周りを見渡してみると、
僕は広く平坦な場所に立っている。地平線さえ見える。
そこには何人もの男女が居て、
その手と手は左手の赤い糸で結ばれているではないか。
どんなに大勢が居ても、決して絡む様子ひとつ見せない赤い糸、
それが恋人達をしっかりと結びつけている。
一人で歩いている人も、例外なく赤い糸が縮まる方向へと歩いている。
糸が縮まり、手を握り合うまでに辿り着いた二人は、
そのままどこへともなく歩いて行き、僕の視界からは消えてゆく。
ナルホド。
これは本物なのだな。よし、それじゃ早速・・・
僕は自分の左手小指についた糸を手繰り寄せはじめる。
他の人のとは違い、ダラしなく地面に垂れているその糸は、
僕に運命の人を遠く遠く感じさせたけれど、それでも僕にも糸はある。
そのささやかな希望を、僕は手繰り続ける。
どんどん手繰る。
ぼくの運命の人とは、どんな人なのだろう(わくわく)
どんどん手繰る。
綺麗な人かな? 可愛い娘だとイイな(にやにや)
どんどん手繰る。
年上だろうか? 年下だろうか?(どきどき)
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
まわりの人影もまばらになってくる(そわそわ)
どんどん手繰る。
まだまだ先は長そうだ(いらいら)
どんどん手繰る。
いい加減、飽きてきたんだがなぁ(むかむか)
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
いつの間にか、サッカーボールほどの大きさにまでふくれ、
僕の足元に転がっている、数個の真っ赤な糸玉たち・・・。
どんどん手繰る。
どこまで繋がっているんだろう?(はらはら)
どんどん手繰る。
ついには、人影はなくなり、僕ひとり(へなへな)
どんどん手繰る。
と、かすかに手応えのようなモノを感じる!(ざわざわ)
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰る。
どんどん手繰り・・・・・・
僕が赤い糸の終点に見いだしたのは、
「ハズレ」と書かれた紙片だけだった。
「運命の人」も「運命の糸」も信じちゃいないが、
こんな夢を俺に見せた「運命の意図」ってヤツには悪意を感じるぜ(苦笑)
寝覚め最悪。
糸を手繰り寄せたら、
最後にはでかいイチゴ飴が付いてたってオチを今考えついた。
駄菓子屋にある、糸ひっぱる例のアレね(笑)
しかし・・・これが正夢だった日にゃ、俺はアンタを殺りにいくぜ>カミサマ
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