■No.06210「つぇーたは、すくぅーどと、いる」

GM:星空めてお 担当マスター:ひのよしゆき

 このリアクションは選択肢210を選んだ人の内、
一部の方に送られています。
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《前回までのあらすじ》
 ハンプティ・ダンプティ基地に、カイパーベルト
に潜んでいた機構軍機が襲いかかった。応援の宇宙
船が駆けつける中、基地に突入する機構軍機。侵入
した敵兵士の目的はハンプティ基地の破壊。基地メ
ンバーは、敵兵の驚異的な能力に手こずるが、どう
にかこれを撃退する。そしてあきらかになる事実。
この兵士たちもまた、クローン少女だった。
 オロメが連れてきた少女が、捕虜になった姉妹を
殺害する。彼女たちは、生きて捕虜になってはなら
ないと命令を与えられていたのだ。生き延びたのは、
アルファ、ツェータ、ミューの三人だけ。取り押さ
えられた少女は、タウと名乗っただけで沈黙する。
 数週間後、基地に移動の要請がなされる。ハンプ
ティ・ダンプティ基地は、木星軌道に向けて航海を
開始した。


 たぶん、ハンプティ・ダンプティ基地生まれの猫
王院うずらが赤ん坊の頃使っていたものなんだろう
けれど、そんなものをどこで見つけてきたのか、メ
リーゴーランドをぶらさげて、ウェスリー・ハイン
は医療ラボ区画へ戻ってきた。篠宮美沙季が抱えた
箱の中にはガラガラも見える。これもたぶんうずら
のものだったものだろう。
 ナースセンターをのぞいて、居合わせた玉響彰子
に声をかけ、手伝ってもらう。
 クローンの少女、タウたちは、まだそれぞれ個室
に分けて拘束してある。自由にさせておくと、自殺
したり、姉妹を手にかける恐れがあるからだ。
 彼女たちをどう扱っていくかについては、さまざ
まな意見が交わされているが、未だ結論が出てはい
ない。「彼女たちが何であるのか結論が出るまでは
人間として扱う」という瀬神慎一郎の意見、「精神
的未熟児とみなす」という祀白馬の提案に沿って、
「責任能力の欠如した捕虜」とする線が、とりあえ
ず無難な姿勢となっているだろうか。もちろん異な
る意見も多々あるし、“情に厚い”人たちは、彼女
たちは何なのかなんて、はなから気にしているとも
思えないのだけれども。
「俺は、サイレントベビーだと思うんだよ」
 ウェスリーは彰子に自説を披露する。
「ひとつ作るのに十何年もかかる兵器を、使い捨て
にするとは思えないから、きっと彼女たちは、促進
培養されているんだ。途中の経験がないから、脳の
ニューロネットワークが発達しなくて、それでAI
チップが必要なんじゃないかな? 知識だって、任
務に必要なものだけしか与えられていないと思う。
もしかしたら、育てられた場所の地名さえ知らない
かもしれない。情操教育も、きっとまともにはされ
ていないと思うんだ。そんなもの、兵器には邪魔な
だけだからね。だから、いろいろ探してきたんだ。
サイレントベビーの治療には、ともかく手間をかけ
てかわいがってあげるのが一番だから」
 医学にも育児にも縁のなさそうな、この朴念仁そ
うなこの男が、なんでそんなことに詳しいのか、彰
子は不思議に思う。
 オルゴールを鳴らしながらくるくると回るメリー
ゴーランドを、タウはじっと見つめている。といっ
てもそれは、家の中で飼われている猫が、窓の外の
すずめを狙っているような目つきだ。
 どこでどうやって調達してきたのか、ウェスリー
は大きな赤いリボンを取り出した。
「手伝ってください」と彰子にも手伝ってもらって
タウの半身を起こし、彼女の髪を三つ編みしはじめ
る。
「それは?」
 彰子は尋ねた。
「四人を、簡単に見分けられるようにしようと思っ
て」とウェスリー。
「あら、見分けられません?」
 ずっと四人を診てきた彰子は、すでに彼女たちを
見分けられるようになっていた。
「左目の下に泣きぼくろがあるのがアルファ。ほか
の子より髪の色が明るくて、ちょっとカールがかか
ってるのがミュー。ツェータとタウはちょっと見分
けにくいんだけど、ツェータは左利きなのね」
「へえ……」
 ウェスリーは素直に感心した。
     @     @     @
 航行の開始より二日、哨戒中の宇宙船が、ハンプ
ティ基地の進行方向、距離10AU付近に展開しつ
つある所属不明船団を発見する。ハンプティ基地の
現在の速度では、8日あまりの距離だ。ハンプティ
基地リーダー瀬田晶は、警戒態勢を宣言した。
 現在、反物質彗星シルマリルを内包したハンプテ
ィ・ダンプティα基地は、β基地より見て、進路0
60マーク0、距離およそ1AUにあり、ともに0.
4Gの等加速で、ほぼ平走している。ほぼ、という
のは、木星に到着する頃には、その間隔は千キロの
単位にまで接近しているはずだからだ。
MAPMAPMAPMAPMAPMAPMAPMA

 ↑ 進行方向

                 △ α


          △ β
MAPMAPMAPMAPMAPMAPMAPMA

 β基地は、直径1.2キロの典型的な車輪型ステ
ーションだ。自転車のタイヤのようなものを思い浮
かべてもらえればいいだろう。車軸部分には、推力
方向前から(進行方向ではない)、ドッキングポー
ト、アヴァターラ区画、機関区が並んでいる。ステ
ーションは、一分半に一回の割で回転しており、居
住区であるタイヤ部分で、およそ0.3Gの遠心力
が働いている。管制室があるのもこの居住区だ。
 ちなみに、この回転速度ではコリオリの力も景気
よく働き、日常生活でも実感できるレベルになって
いるので、ここで暮らすには少々の慣れも必要だ。
 居住区は、各ブロックごとに向きが変えられ、航
行時にも、常に床と“下”の方向が一致できるよう
になっている。0.4Gで等加速中の現在は、自転
による遠心力との合力で、斜め後ろに広がるような
形で“下”、遠心力との合力で、およそ0.5Gが
働いている。
 そうはいかないのが遠心力の影響の小さな車軸部
分だ。居住区から“上がって”きたまま、習慣的に
“壁”だったところが、今は“床”になり、常に0.
4Gが働いてくれるので、一日の四分の一を微小重
力下で過ごしていた(ハンプティ基地は四直制)機
関部やポート作業員には、体が重くてかなわない、
と加速状態が続くのは不評だ。
 スポーク部分の空間は、通常は船舶の係留に使わ
れているが、アヴァターラを拡張する時には、ここ
に工場が広がる時もある。
『こちらトウィードルダム。発進準備完了』
 2番ホールディングアームから、管制室に呼びか
けがある。
 アームを含んだドッキングポート区画は、本体と
は逆方向に回転、つまり空間に対して回転していな
い。軸を中心に四方八方から力が働いているような
港は不便だからだ。今は、ポートに入る時、“真下”
に降下していくような格好になるのが不評。
「了解。各船、順次出港してください」
 オペレーターの安藤香淡が、トウィードルダムと、
ほかの2隻にも、ひとまとめに応えた。
 1番アームからオロメ、3番アームからトウィー
ドルディが離れる。
『帰ってきたら、一晩付き合わねぇか?』
 トウィードルダムの龍崎哲也が香淡にこなをかけ
てくる。
「ば、ばか」
 香淡は赤くなって応えた。
 トウィードルダムもアームを離れる。0.4Gの
加速を続けるβステーションに取り残され、後方へ
流れていく3隻のアタランテ改。
「UW。航海の安全を祈ります」
 香淡は、船がまだ海の上を走っていた頃からの伝
統の信号で、三隻の宇宙船に別れを告げた。アタラ
ンテ改が、対消滅エンジンに点火し、1Gの加速で
発進する。
 ステーションを追い抜き、しだいに速度を上げて
遠ざかっていく宇宙船たち。
「オロメ、ツインズ、発進しました」
 香淡は、肩ごしに瀬田を振り返って告げた。『ツ
インズ』は、対で名付けられたトウィードルダムと
トウィードルディをひとくくりにした呼称だ。
『こちら神龍、仁九龍だ。こっちも出港するぞ』
 香淡のコンソールのマイクが怒鳴り声で告げる。
あわてて振り返った香淡は、
「しぇんろん?」
 戸惑った。
「ああ。いえ、あの、その船の名前は───」
『本作戦においては、当船を『神龍』と呼称する。
俺がそう決めた!』
 九龍が、うむを言わせぬ口調で告げた。
 空いた席をひとつ置いた隣のコンソールの美樹・
S・クロフトと顔を見合せ、瀬田を振り返る香淡。
瀬田は肩を竦めて返す。
「りょーかい。えっと、しぇんろん? 出港、どう
ぞ」
 香淡は、半ば呆れつつ、九龍に応えた。
 ステーションを離れた4隻目のアタランテ改『神
龍』は、0.6Gで黄道面より南に向かう。
「さてと」
 一段落ついて、美樹は、自分の席で大きく伸びを
した。モニターの所属不明船団に、新たな動きはな
い。等加速推進中のハンプティ基地の舵取りに、は
っきりいって仕事はあまりない。
「いっそのことよけちゃいません? そうすれば、
あちらさんの目的がこの基地かどうか分かりますし」
 美樹は、瀬田を振り返って言った。
「おいおい、簡単に言ってくれるなよ」
 瀬田も、いくぶん緊張の抜けた様子で応えた。
 惑星間航行では、あらかじめ、どこでどれだけ加
速し減速はどうするのか、計画を立てておいて、そ
れにしたがって航海する。うっかり予定航路からは
ずれたりすると、目的地に着けなくなってしまうこ
とだってある。図体がでかすぎて融通のきかないハ
ンプティ基地のようなものならなおさらだ。
「失礼するぞ」
 慇懃な様子で、祀天踊が入ってきた。椅子の背も
たれ越しに振り返る瀬田。
「瀬田晶、あんたに確かめたいことがある」
 天踊は言った。
「なんじゃ?」
 その言葉に、瀬田は、ひょうひょうと応える。エ
ングラムを通じて、彼が来ることを知っていたのだ
ろう。
「聞きたいことはひとつだけだ」天踊は言った。「
なぜシルマリルを移動させる?」
「ビアンキに頼まれたからじゃ」
 瀬田は平然と答えた。
「んなもんが理由になるかっ!」
 天踊は怒気を飛ばして腕を振る。
「待ってぇな」
 その背後から、冷静な声が投げかけられる。振り
返ると将斗神楽が、一見冷たくも見える落ち着いた
面持ちで管制室に入ってくる。
「あんさん、落ち着いて話してくれはらしまへんか。
その話、うちらも聞かせてもらいたいよってに」
 神楽の後からも、ぞろぞろと人が入ってくる。ア
レスのせいだな、と天踊は思う。
 その中のひとり、氷月紗久良が、香淡のコンソー
ルに手を伸ばした。
「なにを?」
「シルマリルの移動に疑問を感じている人はほかに
もいるだろうから、この話、みんなにも聞かせてや
ろうよ」
 紗久良は言った。
 香淡は瀬田を振り返る。目顔でうなずく瀬田。
 神楽たちに取り囲まれた格好の天踊は、大きく深
呼吸して、口を開いた。
「もう一度尋ねる、シルマリルを移動させる理由は」
「ビアンキに頼まれたからじゃ」
「さっきも言った、それは理由にならない。ビアン
キの餓鬼が何を言ったか知らねぇが、あの餓鬼にそ
んな権限はねぇ。違うか?」
「違いますやろ」
 神楽が口を挿んだ。「ビアンキはんは、フェデレ
ーションの代表どす。代表ということは、正式には
行政の責任者やおへんか。フェデレーションの運営
と維持に、責任と義務がある立場どすぇ。ビアンキ
はんには、フェデレーション全体を守るため、最善
の策、次善の策を用意する必要があるということや
ないどすか。瀬田はんにしてもそうどす。シルマリ
ルのプロジェクトのリーダーである瀬田はんには、
必要で正当な要請には、従う義務があるのどす」
「そしてプロジェクトのリーダーである瀬田晶には、
移動の決定を含めて、基地の運用に関する全権が与
えられているというわけだ」
 ジャンニ・クラウディオが付け足した。
「このおいぼれは、そんなだいそれたもんじゃない
んじゃがのう」
 瀬田は照れくさげに頭をかいた。
「そこじゃあんまり遠くて不便だから、ちょいとこ
っちに来とくれ、と頼まれたら、断る理由なんかな
いからの。わしゃ、あいつを信用しとるんじゃ」
 反物質を海王星の向こうまで取りにいっていたの
では、行って帰るだけで二ヵ月や三ヵ月簡単に経っ
てしまう。半年先の需要見通しが立てられる平時な
らともかく、現状でそんなことをやってた日には、
反物質船はできたが、肝心の反物質がない、なんて
ことにもなりかねない。
 神楽は、おだやかな口調で、天踊の行動のずさん
さ、落ち度を指摘する。
 天踊はぎりっと奥歯を噛みしめ、銃に手を伸ばし
た。
 その腕を、脇から伸びてきた腕が掴む。
「おっと、あんた、それはやめておいた方がいいと
思うぜ」
 天踊の腕をねじりあげる平山健児。天踊の腕から、
ゴトンと銃が落ちる。
「きゃっ」と瀬田の脇に控えていた秘書のアヤナ・
マツナガが小さな悲鳴を上げる。エステーバン・ギ
イェルモと趙剛琴が、反射的に瀬田を守る位置に動
く。
「あんさん、自分が何してはるんか、分かってはり
ますんか!」
 神楽が一喝した。
「あんさんらの主張は、すじ通ってぇおりまへんの
ぇ。あんさんがうちにその作戦を持ちかけてきはっ
たとき、うちはそれを指摘してあげましたのに、ほ
んにお馬鹿なお人どすなぁ」
 千三百年の京女の伝統は伊達ではない。神楽は、
穏やかで上品な言葉で、天踊を“諭す”。彼女に論
破されて、天踊は抵抗を諦め、投降した。
「あの、よろしいでしょうか」
 彼が連れていかれるのを見送って、アヤナが瀬田
に尋ねた。
「遠くて不便になると分かっていて、彗星動乱の後、
どうしてシルマリルを太陽系のはずれまで持ってい
ったんでしょう?」
 ハンプティ基地に航行能力があることを知らなか
ったことに、瀬田の秘書として勉強不足を痛感した
アヤナは、最近、知識を得ることに意欲的だ。
「当時は、まだ、α基地の殻なんてなかったからの」
 瀬田は言った。
「太陽に近ければ近いほど、光や太陽風は強くなる
じゃろう」
「はあ」
 当然、話が変わってしまったのに、アヤナは戸惑
いながらもうなずく。
「小惑星帯のあたりにあると、太陽の光に温められ
たシルマリルが蒸発して、核を取り囲むコマができ
る。コマと太陽風の粒子がぶつかって、微小対消滅
が起きる。その微小対消滅の熱で、さらにシルマリ
ルが蒸発して、成長したコマがさらに太陽風と、で、
その熱でさらに……と、普通の彗星でも、何度も太
陽に近づいている間に、溶けてなくなってしまうと
いうのに、そんなことやっておったら、すぐに全部
溶けてなくなってしまうわい。限りある資源は大切
にせにゃならんからの、とりあえずできるだけ太陽
から放しておこうということになったんじゃ。今は、
もう三重の殻ができとるからの、木星くらいならな
んの問題もないわい。本当なら、もっと早く移動し
ておいてもよかったんじゃが、誰も言ってこんかっ
たし、知ってのとおり、こいつを動かすのは大仕事
じゃからなの、なしくずしに、太陽系のはずれに置
きっぱなしになっておったんじゃ」
 瀬田は言葉を切ると、なつかしげに遠くを見つめ
た。
「それでも、ずいぶんとましになったんじゃぞ。当
時はシルマリルを守る殻なんかなかったからの、こ
ぉんな小さな宇宙塵も、ひとつひとついちいち先導
する船でどけて。それこそ、みんな、目を皿のよう
にしてレーダーを見つめていたもんじゃて。それに、
あの頃はレーザー推進じゃったから脚も遅くてのぉ。
そんなことが何ヵ月も続くもんじゃから、みんな大
変じゃった。あの時にくらべたら、今度の航海は、
まるで夢のようじゃて。そうじゃ、ひとつ思い出し
た。こんなことがあったんじゃ───」
 すっかり回想モードに入ってしまっている。まず
い話を振ってしまったかもしれない。アヤナは、管
制室のみんなと目を合わせて、苦笑いを浮かべた。
     @     @     @
 所属不明船団との接触を待つ間も、クローンとそ
の体に使われている技術、AIとナノマシーンの研
究は続けられた。沙織・ミュッセンベルクの言葉を
借りるなら、「敵の技術レベル情報を取得する」た
めであり、エル・グリフィスらによると「クローン
の兵器としての能力を無効化する」ためだ。
 それに、ナノマシーンの技術は、医療への応用も
期待できる。
 たとえば、引き続きタウの被爆の影響を調べてい
るシアン・K・カリウムは、彼女のDNAに異常が
あるのを確認していた。にもかかわらず、彼女に症
状らしきものがみられないのは、ナノマシーンがそ
れを補正しているからではないだろうか。これが事
実なら、ナノマシーンを被爆症の治療に役立つはず
だ。
 ただし、タウのDNAの異常が、α基地での被爆
によるものなのかどうかは、はっきりとはしていな
い。α基地で死んだ4人から取っておいたサンプル
にも異常が確認できたのはよいとして、アルファた
ちからもDNA異常が確認されてしまったからだ。
アルファたちの異常は、長期間に渡った冷凍の影響
であろうか。それとも、クローン兵には、遺伝子操
作のようなものが行われていて、その影響でもとも
と異常があるのだろうか。あきらかに健康な比較体
がない以上、はっきりとはしない。いずれにしても、
タウたちは寿命が短そうだ。数年のうちにどうこう
ということはないだろうが、美人薄命とはよくいっ
たものだ。
 AIの解析は、遺体から取り出したチップを使っ
て行われている。使っているのは、主に前期型クロ
ーンのチップだ。型が古い分、エングラム技能など
への対策技術が古く、対処が容易であろうという、
アンナ・シャルンホルストの意見からだ。また、ウ
ィルスを警戒した方がよいと双四葉が言うので、解
析にはスタンドアローンのコンピュータが使われて
いる。したがって、AIを扱う者たちは情報交換の
便を図るため、ラボの部屋をひとつ借り切って、集
まって仕事をしていた。
 タカタカと百年来のキーボードを叩く音。サイバ
ーアクセスを使っている者もいる。旧来依然とした
プリンタが音を立ててAIから引き出したデータを
プリントアウトする。百年前のソフトハウスにも似
た雰囲気だ。
「なんだ、たいした情報は持ってないんだな」
 AIをサイバーアクセスで探っていたアリシア・
カークがつぶやいた。AIが持っているデータの大
半は、制御プログラムに関するものだ。ハンプティ
基地の座標などの、アリシアが考えていたような情
報もあるにはあったが、彼が期待していたようなも
のではない。
「それはそうだろ」
 タウたちの監視をアシーン・ウォーラーステイン
と交代して、休息の前に様子を見に来ていた青海崎
恭一郎が言った。
「軍の下っぱなんてのは、普通、作戦の意図や詳し
い内容を知らされないからな。ましてやあいつらは
使い捨ての兵器。巡行ミサイルは、目標の座標は知
らされていても、目標の破壊が戦略上どんな意味を
持つのかなんて、知らないはずだぜ。知る必要もな
いしな」
「じゃあなんで、捕虜になることを禁じられていた
んだろう。情報を持っていないなら、別に」
 ディスクの整理をしていた李音・ミッターマイヤ
ーが尋ねる。恭一郎は椅子を回して彼女に向き直っ
た。
「それはおそらく、情報じゃなくて、技術の流出を
恐れたからじゃないか? シアンが言ってたぜ、あ
いつらに使われているナノマシーンは、フェデレー
ションの知識じゃ、解析しきれないってな」
「その手の人たちに遠慮して、動物実験すらままな
らない私たちと、クローンを使っていくらでも人体
実験ができる人たちとでは、くらべものにならない
ってとこですか」
 ラテルナ・ビューリーが言った。
「こんな面倒なもの、とっとと処分しちまうか、本
部にでも送っちまった方がいいぜ」と恭一郎。
「なんてこと言うんですか!」
 シュネーデン・ヤマグチがいきどおる。肩を竦め
て返す恭一郎。
「ひとつ問題があるんだ。みんな知恵を貸してくれ
ないか」
 尖った雰囲気を取りなすように、エルが言った。
「AIに、制御コマンドらしいものがあるのは分か
ったんだ。問題は、それを、生きているクローンの
AIにどうやって入力するのかってことなんだ」
 電波信号なのか、あるいは別のなんらかの方法な
のだろうか。
 その答えは、思わぬところから得られた。
 その頃、アヴァターラ区画では、ジョージ・ライ
オネルが、工作班員を指揮して、拿捕したアルファ
たちの攻撃機の修理と改造を行っていた。
 攻撃機は、大出力エンジンを備えた───という
より、四機の大出力エンジンに流体コックピットを
付加したといった方がいいような高機動型だ。クロ
ーンたちは、攻撃機のコンピュータと自分のAIを
直結することにより、これを文字どおり手足のよう
に操縦していたのだ。その接続方式を調査した結果、
クローンは、口と耳による音声入出力のほかに、網
膜に光入出力端子を持っていることが分かった。レ
ーザー発振器と受光器だ。ここを通してAIにアク
セスできる。AIの制御コマンドも、光リモコンの
ようなもので入力できるのだろう。
 余談だが、光入出力端子を持つということは、つ
まりクローン兵たちは、レーザー回線を形成し、文
字どおり「アイコンタクト」で意思を通わせること
ができるということになる。
 ちなみに、ジョージは、攻撃機を回収して、エン
グラム・インターフェイスを増設し、流体コックピ
ットをそのまま残した機体と、コックピットをアタ
ランテ仕様の複座のものに取り替えた機体の二種類
を作るつもりでいる。完成したものは、ハンプティ・
ダンプティ基地の所属とする予定だ。個人で所有し
ていても、充分に運用できるとは思えないから。な
お、流体コックピットというのは、液体の中に体を
浮かべて、浮力でGを軽減しようというもので、ツ
ィオルコフスキーも言及していたという由緒正しい
代物だ。もっとも、そんなものを開発するより人間
の体の方を鍛えた方が早いっていうんで、実際に使
われたという話は、あまり聞いたことがないけれど。
 タウたちの方は、ウェスリー・ハインのいうとこ
ろの「サイレントベビー」に対するやり方で、まと
まりつつある。ウェスリーや篠宮は、時間を見つけ
て絵本の読み聞かせをしているし、北条虎獅狼や川
島英樹は、情操教育と称して、マルチウェブでやっ
ている幼児向け番組やドラマを見せている。彰子た
ちも、タウたちに接する時は、まめに話しかけるよ
うに心がけていた。
 食堂のラウト・クルーラも、食事を持ってくるた
び、食事が終わるまでなにやかやと話していく。
「おい、いつまでそこにいるんだ。いいかげん仕事
に戻れよ」
 アルファに食事を与えながら、秀真國晶が振り返
って言った。
「いいだろう、別に。コックの代わりなんて、いく
らでもいるんだから」
「そこで見てられると、気になるんだよ」
 落ち着かない様子で、國晶は言う。この間までは
流動食だったけれど、ギャグボールは使わなくても
大丈夫だと判断されたので、今は普通の食事だ。た
だし、拘束を解くわけにもいかないので、食べさせ
てやっている。その姿を、後ろからじっと眺めてら
れるのは、気になるものだ。
「どうかな? おいしいかな?」
 そんな職場仲間の戸惑いにはおかまいなしに、ラ
ウトはアルファに、陽気に尋ねる。
 アルファは、口に物をいれたまま、答える
「質問ノ、意味不明」
 情操教育の効果は出ていないようだ。マナーも教
えた方がいい。ほかの3人も様子は同じだ。
 ツェータのところには、スクゥード・ソウンが入
り浸っている。見張りだ。対象にツェータを選んだ
ことに、理由はない。
 ツェータが暴れたり、人に危害を加えたりしたら
いけないと見張りをしはじめたのだが、少なくとも
今のところ、ツェータにその様子はない。ウェスリ
ーから話を聞いていたスクゥードは、ツェータの食
事の面倒を見てやったり、いろいろと話しかけたり
するようになっていた。
「……こうして、一年に一度だけ、七月七日に会え
るようになったんだ。でも、雨が降るとその年は会
えないから、雨が降らないようにお祈りするわけ」
 けれどもツェータも、話している間じゅう、やは
り無表情のままだ。
 スクゥードは肩を竦めると、虎獅狼が持ち込んだ
マルチウェブのモニターのスイッチを入れた。縞服
の男が腕を血に染めている映像が映し出される。年
代物のB級スプラッタだ。
「ア……」
 ツェータが声を上げた。振り返ると、青い顔をし
て、もしかして、震えている?
「なんだ、どうした? ひょっとして、怖いのか?」
 信じられない思いで、スクゥードは言った。
 ツェータがつぶやく。
「え? なんだって?」
 スクゥードは頭を寄せた。
「たうガ、つぇーたヲ、殺シニクル……」
 ツェータはおびえていた。
「大丈夫だよ。タウはここにはいない」
 スクゥードは笑って見せて、ツェータの頭に手を
やる。
「はうっ!」
 その時、ツェータが悲鳴を上げて大きくのけぞっ
た。
「なんだ、どうした?」
「ギ……ギギ……ギィ……」
 ツェータは獣じみたうめき声をあげて歯を食いし
ばり、ベッドを揺らしてがたがたと震えた。
「誰か! 誰か来てくれ!」
 スクゥードは廊下に飛び出した。
「どうした?」「なにがあった?」
 クローンが暴れ出したのかと、アシーンら、警戒
してた連中が駆けてくる。
「待ってくれ。様子がおかしいんだ」
 スタンロッドを手にするアシーンを、スクゥード
は止める。「早く来てくれ」彼は駆けてくる堂本柚
香に呼びかけた。
 柚香は部屋に駆け込み、驚いて立ち止まる。
「どうしたの?」
「分からない、突然苦しみだしたんだ」
 ツェータは、拘束衣を引き破り、体を丸めて震え
ている。うめき声も苦しそうだ。
「なんとかしてくれよ」
 スクゥードは柚香に迫った。
「そんなこと言われても、原因が分からないとなん
とも……」
 ともかく、ナースに命じて鎮静剤を持ってこさせ
る。柚香は、恐る恐るツェータに近づき、腕を取っ
た。注射器を近づける。
「グガァッ!」
「あっ!」
 ツェータが腕を振った。柚香は弾き飛ばされ、注
射器が落ちて割れる。
「どうしたの?」
 騒ぎを聞きつけて、プロジェクト「モルフェウス」
の面々がやってきた。
 ツェータは、苦痛のためか、激しく威嚇している。
以前タウがそうした時とは違って、あきらかに正気
を失っている。葵紋司郎が、ツェータを刺激しない
ように柚香を連れ出す。
「どう思う?」
 ニーファン祀はリリー・ヘヴンズフィールドに尋
ねた。
「分からない。まだ実験段階だから」とリリー。「
けど……」
「実験するにはいい機会だな」
 クランド・ニシクジョーが言葉をついだ。
 ニーファンはうなずく。
「押さえて」
「分かった」
 クランドはダグラス=織田と協力して、ツェータ
を押さえつけた。何をするつもりか分からないなが
ら、スクゥードたちも協力する。
 ニーファンがツェータに歩み寄り、親指と人指し
指と中指を伸ばして、ツェータの額に触れた。ニー
ファンのエングラムが明滅する。アナ・ビジョン所
有者である篠宮美沙季や川島英樹には、その時、ツ
ェータの頭の奥の方で、ニーファンのエングラムに
タイミングをあわせて、かすかな光が明滅している
のを感じていた。
 ツェータはおとなしくなり、すぐにすーすーと寝
入ってしまった。
「分かりました」
 数時間後、リリーがツェータの異常の原因を突き
止めた。
「彼女たちが頭につけていた環っかから、抗精神薬
などの薬物が直接脳に投与されていたんです。その
薬が切れてしまったために、苦しみ出したんですね」
「ということは、ほかのアルファやタウにも、同じ
症状が現れるってことか」
 恭一郎が尋ねる。
「ええ」
「やっぱり、とっとと始末しちまおうぜ」
 そう言う恭一郎を季音が目顔でたしなめる。
「どうしたらいいんですか?」
 紋司郎が尋ねた。
「習慣性のない代替薬を用意しました。当面、これ
で症状を押さえられるはずです」
 リリーは言った。
 このことを境に、ツェータたちは従順になった。
おそらくハンプティ基地の人たちを、自分を苦痛か
ら助けてくれる人なのだと、認識したのだろう。
     @     @     @
 先行した3隻のアタランテ改、エレス・アクベ隊
から、所属不明船団と接触、攻撃を受け、これを敵
と認定して戦闘を行った旨の報告が届いた。
 敵船団との接触まであと二日あまり。
 従順になったものの、未だツェータたちが外部か
らコントロールされる可能性は否定されていない。
早急になんらかの対策を打たなければならない。
 一番に考えられるのは、体内よりナノマシンを取
り除き、身体機能強化能力を奪うことなのだが、シ
アンの研究により、ナノマシンが少女たちの生命維
持に関わっている可能性があるため、それはできな
い。
 ナノマシンの制御機構を解析し、これをコントロ
ールするというの手だが、これもできない相談だ。
沙織・ミュッセンベルク、ジム・B・キートン、倉
橋慶彦、祀・ポヤチオ、エリカ・ヘルモッド、イサ
ギ・霖・ファザード、プエル・祀、フィリス・祀と
頭数は揃えていながら、ナノマシンをどうやって制
御しているのか、解明できていないのだ。使われて
いる技術が、彼らの知るものよりも進んでいるせい
だった。いずれ脳内のAIが関係しているのだろう
が、それも推測の域を出ていない。
 AIの摘出も、また不可能だ。当初の医療班の推
測どおり、AIは、タウたちの運動を制御している
ものなのだから。
 ちなみに、AI解析チームからの情報を検討して、
シアンは、AIが、少女たちの脳本来の情動を押さ
え込んでいる可能性も、指摘している。
 残る手段は、AIのプログラムへの干渉だ。
 エル・グリフィスたちエルファーラン・チームは、
AIに非常用の停止コードらしきものが存在すると
ころまでは掴んでいたが、これは、各個体ごとに設
定されたパスワードを必要とするものらしく、それ
が掴めない現状では、意味をなさない。
 敵船団との接触前に、アルファ、ツェータ、ミュ
ー、タウのAIへのアクセスすることになり、関係
者を集めてうちあわせがなされた。
 リード・アマリリスと信田若葉は、敵対的なプロ
グラムを消去すると同時に、感情プログラムを書き
込むことを提案したが、現実問題、本当の意味での
人工知能の開発が停滞している現在、そんなプログ
ラムはまだ存在していない。それに、
「それは駄目よ」
 アンナ・シャルンホルストが反対した。
「AIへの干渉は、あくまでも、彼女たちに機構軍
への服従を強要している部分に限らないと。それ以
上の干渉、特に、なんらかの行為を強制するようリ
プログラムすることは、捕虜虐待にあたると考えら
れるわ。フェデレーションへの協力はもちろん、機
構軍からの脱退でさえ、その決定は、彼女たちの自
由意志に委ねられなければならないと思う。もちろ
ん、その上で、彼女たちを説得するのはかまわない
と思うし、わたしもそうしたいと思っているけれど
も」
 よくも悪くも人道主義者が大勢を占めるハンプテ
ィ・ダンプティ基地のメンバーは、その線でいくこ
とに同意する。
 数時間後、多数の協力により、処置は終了した。
機構軍への服従を求めるアルゴリズムが切り離され、
封鎖される。
「ツェータ、大丈夫か?」
 スクゥードは尋ねる。
「つぇーた、いじょう、ない」
 ツェータは言った。
     @     @     @
「敵船団接近!」
 舵取りのアーク・フォーチュンが、声高らかに告
げた。同時に、モニターを切り換え、情報を表示す
る。
 秒速3500キロ近く、光速の1.17%にまで
達しているハンプティ基地の速度で、接触まであと
一時間あまり。敵船団に後進の動きが見えるのは、
少しでも交戦時間を長くしようという算段だろう。
それでも、実際の戦闘時間は、おそらく十分にも満
たないはずだ。
「総員戦闘準備」
 基地のメンバーがあわただしく動き始める。ある
者は防空用の砲座に向かい、またある者はポートや
外壁に係留してある宇宙船に走る。
 二日の間に準備してきた作戦に従い、所属する船
舶が、順次ステーションを離れ、配置につく。すで
にα基地の方に移動していた宇宙船も、展開を始め
ている。
「ああ、いたいた。轟木、こっちだ」
 居住区の外に出るエアロックで順番を待っていた
轟木蜃八郎は、声をかけられて首を巡らせた。ごっ
たがえす人ごみをかきわけて、ジョージ・ライオネ
ルが近づいてくる。後ろに鳴門サブローを伴ってい
る。サブローは、蜃八郎同様、所有のバンツーでは、
ドッグファイトには不向きだからと、基地所属のエ
ルマーの貸与を申請していた口だ。
「話は通してある。試してもらいたい船があるんだ。
ついてきてくれ」
 ジョージは、本当に手身近に事情を説明して、蜃
八郎とサブローを、ポートの後ろのアヴァターラ区
画に案内した。
 そこには、ジョージが修理改修した攻撃機が待っ
ていた。
「これは?」
「操縦系はアテランタ仕様に改装してある。扱える
はずだ。どうだ、乗ってみないか?」
 蜃八郎とサブローは顔を見合わせてうなずいた。
「分かった、やってみよう」
 ふたりはさっそく、その複座の宇宙艇に乗り込む。
ジョージは、コックピットの脇から体を乗り出して、
宇宙艇の機能を説明していく。
 その間にも基地は船団に近づき、船団からひとつ
ふたつと砲撃が開始される。まだ距離がありすぎて、
大きく逸れて流れる光条。
「β基地、加速停止。αは加速を継続する」
「了解」
 瀬田の指示に従い、アークがコンソールに手を走
らせる。戦闘中も0.4Gの加速を続けたのでは、
発進した宇宙船がステーションに追いつけなくなる、
なんてことにもなりかねない。
 びりびりと響いていた震動がおさまり、疑似重力
が弱まる。いったん体が部屋が斜めになったような
感じを覚えたが、すぐに床面が回転して、“下”の
方向に合わせた。
 周囲の宇宙船は加速を継続して、基地の進路を切
り開くべく敵船団に突進していく。
 ごくり、と喉が鳴るのを、アークはどこか遠いこ
とのように聞く。
 小型船同士が接触する直前、基地側の船には、通
信士の香淡の声が飛び込んできた。
『質量弾射出。みんな、当たらないでよ』
 その声を合図に、β基地の管制室では、ルスイッ
ド・ガルトラントが、ぽんぽんぽんとスイッチを入
れる。質量弾とは名ばかりの廃棄物の塊が、圧搾空
気で次々と撃ち出されていく。ただのゴミ屑でも、
光速の1.17%なんて運動量を与えられたら、立
派な兵器になる。
 味方の間を、散らばりながら飛び抜けていくゴミ
屑。運悪く避け損ねた敵船が、ペットボトルに貫か
れて爆発する。
 その光球をきっかけに戦端は開かれた。
 一足先に、α基地が敵船団の中に突入した。αの
方は、大型船一隻と中型船二隻を中心とした一隊が
待ち受けている。待機していた船が、果敢に抵抗し
たが、敵船は、α基地の反物質採集施設への攻撃を
敢行した。その周囲のダイヤモンド外殻が破片とな
って飛び散っていく。
 その様子は、5分遅れでβ基地からも観測できた。
攻撃の影響か、シルマリルの輝きがいつもより増し
ているようだ。飛び散ったダイヤモンドのかけらが、
きらきらときらめいているような気がするのは、気
のせいだけではないだろう。
「ああ、もったいない……」
 管制室のモニターに映るその様子に、コンピュー
タ・オペレーターの煌・ティフェレトがつぶやく。
アンリカ・ウーノックに、秘書のアヤ・マツナガ、
通信士の安藤香淡、舵取りの美樹・S・クロフト、
ためいきをつく女性陣ほか一名の気持ちを、その言
葉が代表していた。
「なんだったら、これから拾いに行ってくっか?」
 やはり舵取りのトニー・ハーダウェイが、ちゃち
ゃを入れる。
「冗談言ってる場合か。こっちにも来るぞ!」
 アークが一喝した。いよいよβ基地にも攻撃が届
き始めた。管制室にも衝撃が伝わってくる。
『AX−HD1B“ライオネル”、出撃するぞ!』
 スピーカー越しに鳴門サブローの声が響いた。い
つのまにかアヴァターラ区画のハッチが開いている。
「AX?」
 耳慣れない形式番号に、香淡は聞き返す。
「やってくれ」
 いつの間にか後ろにやってきていた瀬田が言った。
当然というか、彼は知っていたようだ。
 ぺしっ、と肩に置かれた瀬田の手を払いながら、
香淡はGOを伝える。
 何度も爆発音が響き、机の上のものがカタカタ揺
れる。もう大丈夫だろうと判断されて4人一緒にさ
れたクローン少女たちは、実際、猫の子のように部
屋のすみに寄り集まって、不安そうにあたりを見回
している。
 その様子に、中沼真夏はバージ・シャウトや沙原
真砂輝と顔を見合わせる。すっかり感じが変わって
しまった。この速度で擦れ違う基地に飛び乗ってく
る敵もいないだろうし、タウたちが外部からコント
ロールされる様子もない。ここにいる必要はなかっ
たかもしれない。
 御子神魁と七原みつるは医療キットを抱えて被害
場所へ急ぐ。直接の攻撃でなく、破壊されたミサイ
ルと宇宙船の破片が、基地をつらぬいたのだ。
 ふいに静かになった。
 β基地が船団を通り抜けたのだ。
 しばらくは砲撃が続いていたが、すぐにそれも届
かなくなる。
 β基地が、船団の射程距離から逃れたのは、管制
室でも確認できた。
「全船を撤収させろ」
 瀬田は指示する。
「それから、神龍に、基地に追いつき損なった船が
あったら、乗員を拾ってきてくれるよう、要請して
くれ。アタランテ改なら、それからでも追いつける
はずだ」
 あきらかに帰還不能になった船を除き、出撃した
船舶が収容されるのを待って、二時間後、β基地は
ふたたび0.4Gの加速を開始する。
 β基地に追いつけなくなった数隻の船の乗員を回
収して、定員オーバーで神龍が帰還したのは、それ
から二日後のことだった。
     @     @     @
 船団との交戦で、コースがわずかながらずれた。
また交戦中加速を中止した分、β基地は加速時間を
延長して、発進より15日目、ハンプティ・ダンプ
ティ基地は加速を停止した。速度はおよそ秒速47
00キロ、光速の1.5%だ。
 アークたち舵取りチームは、これからがいそがし
い。基地の前後を入れ換えなければならないからだ。
 工作機も含めて小型船が多数出て、ステーション
にワイヤーを張ってタグボートになる。自転してい
るβステーションは、慣性モーメントもかなりのも
のだから、自前のスラスターだけでは回頭もままな
らないのだ。しかも、加速時間が延長した分、手早
く回頭をすませなければ、減速時のGを大きくしな
ければならなくなる。それはあんまりやりたくない。
 この間を利用して、船団との交戦の際に得られた
データを解析した結果が報告された。
「オーバー・ザ・トップ隊が敵船より入手した情報
の中に、航路に関するものがありました」
 煌が、管制室の大モニターに、情報を表示する。
「残念ながら完全なものではありませんでしたが、
エレス・アクベ隊が推測したとおり、後行トロヤ群
より発進してきたと見て間違いないようです」
「だけどよ、後行トロヤ群に、あんな船団の基地に
なりそうなもんがあるなんて話、オレは聞いたこと
ねぇぜ」
 いつの間にか煌の後ろに忍び寄っていたトニーが、
ひょいっと彼女の顔を覗き込むようにして言った。
ふーっと耳に息を吹きかける。
「そ、そ、それは、そうなんですけど……」
 煌はかちんこちん、声も裏返っている。
「それは俺のだ。勝手に触るな!!」
 自分のシートから立ち上がって、アークが叫んだ。
「おやおや、これは失敬」
 と、トニーは、煌の肩に置いていた両手を上げる。
「そいつは知らんかった。いいのう、若いもんは。
わしもあと十年若かったら」と瀬田。
「誰があと十年なんですか?」
 アヤナがしれっと冷静なつっこみを入れる。
「ひゅーひゅー、やるねぇ、お兄さん。青春じゃん」
 美樹がアークを冷やかす。
「ち、違いますぅ」
 我に返った煌が、真っ赤になって否定した。「美
樹さんだって知ってるじゃないですか。煌、男の人
苦手なんだから。アークさんも変な冗談、言わない
でください」
(がーん!)
 真っ向から冗談にされてしまって、哀れなのはア
ークだ。
「不憫よのぅ」
 瀬田がつぶやき、
 コンソールにつっぷすアークを、
「よしよし」と香淡がなぐさめる。
 そんな彼の気持ちなど知らぬげに、煌は気を取り
直して残りを報告した。
 結局、船団の所属をあきらかにするような情報は
得られなかった。タウたちとの関係も不明だ。同じ
組織なのか、別のものなのか。いずれ機構軍の息の
かかったものではあったのだろうけれど。傭兵船団
とか。
 基地の修理も行われている。加速中は、落っこと
されてしまってはたまらないので、外部の修理はあ
まりできないから。
『アレックス、3番の鋼材の替えを頼むよ』
『はいはい、すぐ行きますよ、待っていてください』
 ドリー・メイの声に、アレックス・マクファード
は工作機の向きを変える。
 α基地の採集施設の被害は、それでも当初予想さ
れていたよりも軽微だった。外殻の外に出ている部
分は完全に破壊されていたが、内部機構はほとんど
無傷で、アヴァターラをもってすれば、数日で機能
を回復させることができるはずだ。むしろ失われた
外殻やβ基地の被害の方がはなはだしく、完全な修
復には今しばらくかかるだろう。
 アヴァターラといえば、さらさ・笹乃葉が、木星
に到着してからのことを考えて、今のうちに可動準
備をしておこうと言ってきた。
「おう、いい考えじゃな。さっそく始めてくれ」
 瀬田は応える。「じゃが、そのγ計画か、そこま
での余裕はないかもしれんぞ。なにせ、これまでに
聞いてるだけでも、三つだったか四つだったか、反
物質をあてにしたプロジェクトが待ち構えておるか
らの。アヴァターラの能力も、そっちの方に回して
やらないかんかもしれん」
 β基地の回頭が終了する。当面の外部作業を終え
てドリーたち修理班が撤収する。加速終了から二日
後、ハンプティ・ダンプティ基地は、ふたたび0.
4Gで、今度は減速を開始する。
 木星までは、残り二週間。
     @     @     @
 エルフリーデ・ヴェレンが尋ねていくと、ちょう
ど、瀬田が来客を送って事務室を出てきたところだ
った。
「確かに、あの娘たちをいつまでもここに置いてお
くのがよいとはわしも思わんが、わしも、無責任と
人に後ろ指を指されたくはないからの、おぬしらの
ような得体の知れん連中に任せるわけにいかんわい」
 ギャロットエンジェルスを名乗る四人に瀬田は言
った。
 彼らが立ち去るのを待って、エルフリーデは瀬田
に歩み寄る。
「ん? どうした?」
 彼女が言いにくそうにしていると、瀬田は、ぽん
とエルフリーデのおしりを叩いた。ぴくんと飛び上
がるフリーダ。
「まあ、立ち話もなんじゃ、入れ入れ」
 うながされるまま、エルフリーデは事務室に招き
入れられた。立ち上がろうとするアヤナを制して、
瀬田は自分でコブ茶を入れ始める。
「船の修理の方はどうじゃ? うまくいっとるか?」
 エルフリーデがポート作業員なので、瀬田は適当
に話題を振る。エルフリーデは、コブ茶を受け取っ
て、実は、と話し始めた。
「実は、クローンの女の子たちのことなんですけど
……」
「うん?」
 エルフリーデの向かいに腰を降ろす瀬田。
「ハンプティ・ダンプティは、シルマリルの管理と
採取を目的とした施設です。捕虜の収容には向いて
ません。しかも、これから、前線になる可能性が高
いです。あの子たちを捕虜として拘留するにしろ、
保護するにしろ、コロニーの方が向いてると思うん
です。それに、アカデミーなら、医療や研究の設備
も充実してますし……」
「うん、そうじゃの」
 瀬田はうなずく。
「木星に着いたら、あの子たちはスペースアカデミ
ーに送った方がいいんじゃないでしょうか?」
「そうじゃのう……、ナノマシンのこともあるし、
その線でいくかのぅ……」
 瀬田はアヤナに目を向ける。
「連絡を取っておきます」と、アヤナはうなずいた。
 で、当のクローンたちはというと、あいかわらず
だ。
 本を読み聞かせても、マルチウェブを見せても、
やっぱり無表情で変わりがない。AIをいじった影
響も、あったのやらなかったのやら。硲悟がフェデ
レーション加入の話を蒸し返しても、きょとんとし
たままだ。そもそもフェデレーションがなんなのか、
分かっていないんじゃないだろうか。
 スクゥードが、秘蔵のポテチを持ってくる。
「食べてみなよ」
 彼に薦められるまま、ツェータは、むずっと一掴
み、ポテチを口に運ぶ。ツェータは顔をしかめた。
「つぇーた、これきらい」
 からし味はお気にめさなかったらしい。
 実のところ、クローンたちに、コードネームでな
い別の名前を付けようという意見が、いくつかあっ
た。実際、考えた人も幾人もいるのだが、当のタウ
たちが、そういう勝手につけられた名前を受け入れ
ないのだから仕方がない。
 ある日、ハルカ・P・ウェイランドが、拳で語り
合うんだとタウを球技場に連れ出した。
 わけが分からない様子で突っ立っているだけのタ
ウに、組み手を教えて付き合わせる。見よう見まね
で付き合うタウ。そうこうしてるうち、ギャラリー
が集まってきて、やんやと歓声を送り始める。
 軽快なタウの動き。心地よい手応えにだんだん本
気になってきてしまうハルカ。タウの方も、しだい
に興奮してきて……、
「あうっ!」
 ハルカは悲鳴を上げた。タウに弾き飛ばされ、壁
に叩きつけられる。
「フーッ!」
 見ると、タウは荒い息をしている。髪が逆立ち、
皮膚の硬化と筋肉の肥大が始まっている。
「うそっ」
 ハルカは恐怖した。目を見れば分かる。タウはま
るで平静さを失っている。ハルカのことが分かって
いない。
 慌てて立ち上がる。
「あうっ!」
 激痛が走って、ハルカは叫んだ。肩がはずれてい
た。
 タウが飛びかかってくる。間一髪、これを避ける。
二の腕に三本、爪の痕が残り、血が噴き出した。ま
ろぶハルカ。0.5Gの中、壁に飛びついたタウが、
くるりと振り返り、ハルカに狙いをつけて、ふたた
び飛びかかる。
「危ない!」
 ギャラリーの中から、ウェスリーがスタングレネ
ードを投げる。
 閃光が走り、大音響が鳴り響く。
 さしもの人間兵器も、防備なしでは耐えられなか
った。タウは気を失い、ハルカも伸びている。
「早く、ドクターを!」
 彼女たちは、急ぎ、医療ラボに運び込まれた。
 さいわい、ハルカの怪我は、見た目の出血ほど、
ひどいものではなかった。タウの方は、何があった
のかよく覚えていないようだ。
「まずいことをしてくれたの」
 ハルカを訪ねた瀬田は、渋い顔をする。
「このことが知れたら、アカデミーで彼女たちを引
き受けてくれなくなってしまうかもしれんぞ。だか
らやめておけと言ったじゃろうが」
「すみません」
 ハルカは頭を下げた。
「タウちゃんは悪くありません。罰を与えたりしな
いでください。あの子のことをよく分かっていなか
ったわたしが悪いんです」
「ああ、分かった。じゃが、頼むから、もうこんな
騒動は起こさんでくれよ。もう一度やったら、今度
こそ本当に、引き取り手がなくなってしまうわい」
 瀬田は、真剣な表情でそう言った。
     @     @     @
 遠くに見えていた木星が日に日に大きくなり、そ
の縞模様が肉眼でも確認できるようになった頃、以
前から長距離センサーが捉えていた宇宙船が、ハン
プティ基地に接近してくるのが確認された。基地と
ベクトルを合わせるためか木星方向に加速しつつ、
インターセプトコースを取っている。
 水儺瀬がエルマー級を向ける。基地からも宇宙船
が発進した。彼らに包囲された格好のそのバンツー
級から、あわてた様子の通信が飛び込んできた。
『ハンプティ・ダンプティ基地! こちら木星スペ
ース・アカデミー所属、ペキン。応答願います!』
 香淡のコンソールのスピーカーが怒鳴り声を上げ
る。香淡はチャンネルをオープンした。
「こちらハンプティ・ダンプティβ。ペキン、どう
ぞ」
 モニターに少女がふたり映し出されて敬礼した。
『木星スペース・アカデミーより迎えに来ました。
私はアカデミー生徒のエカテリーナ・オレルスカヤ
です』
 年長の少女が言う。
『同じく、角田翔です』
 と、ローティーンのもうひとりの少女。
「ご苦労さまです。瀬田リーダーは、現在、手が放
せない状態なので、わたくしがお相手します。もう
しおくれました。わたくしは、通信士の安藤香淡で
す」
 猫を被って応える香淡。その様子に、煌がくすく
す笑っている。
 かくてハンプティ基地は木星圏に到着する。舵取
りチームは、ふたたびいそがしく動き回る。
「α基地、減速停止。周回軌道に入る」
「つづいてβ基地も減速停止用意。あと12……1
0……9……」
「減速停止。……OK、軌道に乗った」
 とはいえ、基地は、当初予定していた軌道には入
れなかった。船団との交戦の影響だ。いったん、楕
円軌道で木星の重力下に収まり、今後一週間ほどか
けて本来の軌道に移行する予定。それまでは舵取り
チームも仕事が続く。
 ほかのチームもいっせいに動き出した。修理班が
さっそく本格的な修理に取りかかり、まずα基地の
採集施設の機能を回復させた。輸送船の用意も急が
れる。「メイフラワー」「ホウセンカ」「オベリス
ク」「天照大御神」などなど、反物質を必要とする
プロジェクトが多数、すでにてぐすね引いて待って
いるのだ。
 ペキンが、クローン少女兵の遺体から回収したナ
ノマシーンとAIを携えてアカデミーに帰還する。
 これから、こんな交流もさかんになるだろう。4
0AUの彼方で孤立していた頃とはわけが違う、ポ
ート作業員も、いそがしくなりそうだ。
     @     @     @
 モニターの向こうで木星スペース・アカデミー教
師主任ベンジャミン・キングストンが渋い顔をして
いる。
『聞いたぞ、うちの生徒のおしりにまで、ちょっか
いをかけてくれたそうだな』
「気にするな。そんなにたいしたおもてなしはしと
らんわい」
 瀬田は快活に笑い飛ばす。
 このスケベジジイめ、とベンジャミン。
『ほどほどにしておけ。うちの生徒の得意技は、状
況判断なしの暴走だ』
「望むところじゃわい。できれば、年頃の娘に来て
ほしいわい」
 ベンジャミンはためいきをついた。気を取り直し
て話を変える。
『それより、修理の方は大丈夫か? 必要なら、う
ちの余剰資材を送るが』
「必要ない。資材ならうちの方が多いわい。それよ
りも、リヴァイアサンの件は本当なのか?」
『ああ、現在はまだ木星上だが、反物質を狙ってそ
ちらに向かうことも考えられる。警戒は続けてくれ』
「分かった。やっと衛星軌道に乗せられたんじゃ。
これから反物質供給で忙しくなるのに、少しは休ま
せてもらいたいもんじゃわい。おとなしい別嬪のひ
とりふたりでもよこしてくれれば」
『断る』
「なんじゃ、ケチじゃのう」
 瀬田は肩を竦めた。
 ともかくも、一ヵ月に渡ったハンプティ基地の航
海は、こうして終了した。
     @     @     @
 タウたちがアカデミーに移される日が来た。彼女
たちに最後まで付き合おうという人たちも、一緒に
行く。
 最初は、言われるままについてきたタウたちだっ
たが、ドッキングポートに付き、連絡の船を見ると、
その意図を察したのか、とたんに船に乗るのを嫌が
りだした。
「おい、わがまま言ってないで、早く来いよ」
 腕を取って、強引に船の乗せようとするリード・
アマリリスに、ミューは、足を踏ん張って、頑強に
動こうとしない。ほかの子たちも同じだ。
 船に乗せようとする人たちに抵抗していたツェー
タは、まわりを取り囲んだ人の中に、スクゥードの
姿を見つけた。
 ぐん! 筋肉が肥大する。
 ツェータは、腕を引っ張る男たちを弾き飛ばし、
ぽぉーんとスクゥードのところまで飛んだ。
 わっと退く野次馬たち。ツェータは、その中から
スクゥードを見つけ、飛びついた。
 男たちがやってくる。ツェータはスクゥードの後
ろに回り、小さくなって隠れようとした。
「お、おい……」
 戸惑い、ツェータを見下ろすスクゥード。ツェー
タは、捨て猫のようなすがるまなざしで、スクゥー
ドを見つめる。
「つぇーたは、すくぅーどといる」
 連絡船から、乗員を弾き飛ばして、タウたちも飛
び出してくる。駆け寄り、ツェータと一緒になって
スクゥードの後ろに隠れようとする若草姉妹。
「どうしよう?」
 スクゥードは、本当に困って、まわりのみんなを
見回す。
 “情に厚い”ハンプティ・ダンプティ基地として
は、こうも強く彼女たちが望むのでは、タウたちを、
ここに置いておくしかなかった。
───────────────────────
《お知らせ》
●仮ナンバーAX−HD1“ライオネル”は、先月
拿捕したクローン少女兵の宇宙船を修理改修した高
機動型小型宇宙船です。
 AX−HD1A
  主な改修点は、生命維持装置と増加タンクを兼
ねた外部パックの設置、操縦系の補強、機関出力に
リミッターの設定。流体コックピットはそのまま残
す。単座。
 AX−HD1B
  A型の改修に加えて、コックピットをアタラン
テ仕様に交換。当然、リミッターはA型より低く設
定。副座。
 現在、ハンプティ基地が、A型二機、B型六機を
所有しています。
●なお、「銀の靴」で動力停止が可能になることは
ありません。

■重要遭遇者一覧《06210》
○ツェータのお気に入り/スクゥード・ソウン(015
33-01)/RA.06210
○AI干渉基準策定/アンナ・シャルンホルスト(0
0466-02)/RA.06210
○AX−HD1開発/ジョージ・ライオネル(00426-
01)/RA.0621

■関連リアクション及び住所リスト一覧
《06211》
○オーバー・ザ・トップ・リーダー/ジャスティン・
レイ・ガナーソン(01256-01)/RA.06211
○神龍船長/仁九龍(01881-01)/RA.06211
○α基地防衛指揮/御剣水潤(00813-01)/RA.06211

《06212》
○機関部班長/ジーン・リップ(00321-01)/RA.062
12
○実は作業プローブは彼のしわざ/エボニー・デー
ボ(01974-01)/RA.06212
○瀬田晶のネイバー/手荒田洋航(00134-01)/RA.0
6212

《06170》
○ビアンキ代表のネイバー/藤崎俊介(00475-02)/
RA.06170
○シミズ・シティ内部制圧作戦責任者/ミュラー・
フォルケン(02171-01)/RA.06170
○プロジェクト『メイフラワー』リーダー/ガルド・
ローゼンシュトック(01776-01)/RA.06170

《06200》
○ストーン・レイン計画リーダー/ニーナ・シェイ
クランド(00534-01)/RA.06200
○プロジェクト「ベネチア」リーダー/緒方翔(009
62-03)/RA.06200

《06201》
○GR計画/クロノス・カーリアン(00937-02)/RA.
06201
○プロジェクト「マリオネット」リーダー/ラビュ
ーラ・エルセンタウロ(01450-02)/RA.06201
○プロジェクト「ウロボロス」リーダー/ヴィルジ
ニア・ヴィンチェンチオ(00829-02)/RA.06201

《06220》
○フェアノール計画/砂原夢(01379-01)/RA.062
20
○エアレンディルチームリーダ/風祭風生(00445-
01)/RA.06220
○プロジェクト『ホウセンカ』リーダー/ハイソー
ル・西条(00374-01)/RA.06220

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