コキンチョウの体色の遺伝 <その2>

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 pinnaコキンチョウの体色は、ベースカラー、ヘッドカラー、ブレストカラーの組み合わせでできています。これらに関する遺伝子は互いに独立に親から子へと遺伝していきます。ここではpinnaコキンチョウを使った遺伝解析によって得られた結果をまとめてみました。本物のコキンチョウの遺伝様式とは部分的、あるいは大きく異なる点があるかも知れません。あくまでpinnaコキンチョウでの話であることをお断りしておきます。2000.01.17にOPeNBooK9003のHPによって公開されたアップデーターでバージョンアップしたコキンチョウでは、遺伝子機能により完全に遺伝法則をシミュレートしたものとなりました。

 <1999.8.20掲載>

<2000.1.23改訂>

2.pinnaコキンチョウ 〜ヘッドカラーの遺伝様式〜

  pinnaコキンチョウ・ヘッドカラーの遺伝様式は、ZW型(メスヘテロ型)の伴性遺伝と条件遺伝子とが組合わさってできており、複雑な遺伝様式がモデルになっているようです。
 
ヘッドカラーを決定するローカスは2つあり、これらの組み合わせで出来ています。
a.ヘッドカラーローカス
赤色をつくる遺伝子「Rh」と黄色をつくる遺伝子「yh」があり、性とは関係のない常染色体上に存在しています。「Rh」と「yh」は互いに対立遺伝子の関係。「Rh」は「yh」に対して完全に優性です。
b.コンディションローカス
ヘッドカラーローカスで決まる色を実際に現すかどうかを支配する遺伝子座で、性染色体Z上に存在しています。鳥類の性染色体構成は一般にZW型で、性染色体に関して、同じZ染色体が2本あれば(ZZ)♂、Z染色体と、これとは異なる性染色体W染色体とがあれば(ZW)♀となります。ちょうどXY型のヒトとは雌雄が逆のパターンといえばわかりやすいかも知れません。pinnaコキンチョウでも、一般の鳥類と同様のZW型がシミュレーションされています。
 ヘッドカラーローカスで決まる色を実際に現す作用をもつ遺伝子「C」と、ヘッドカラーローカスの遺伝子型に関わりなく色を着けさせないように作用する遺伝子「c」とがあり、♂ならば2本、♀ならば1本備わっているZ染色体上に存在しています。 「C」は「c」に対して完全に優性です。劣性の「c」遺伝子が支配するとブラックヘッド、またはホワイトヘッドとなり、優性の「C」遺伝子が支配すると、ヘッドカラーローカスの遺伝子型に応じてレッドヘッドまたはイエローヘッドとなります。
[ヘッドカラーに関する遺伝子型]

 

[Blackhead]
or
[Whitehead]
[Redhead]
[Yellowhead]
・Zc/Zc Rh/Rh
・Zc/Zc Rh/yh
・Zc/Zc yh/yh
・ZC/ZC Rh/Rh
・ZC/ZC Rh/yh
・ZC/Zc Rh/Rh
・ZC/Zc Rh/yh
・ZC/ZCyh/yh
・ZC/Zc yh/yh
・Zc/W Rh/Rh
・Zc/W Rh/yh
・Zc/W yh/yh
・ZC/W Rh/Rh
・ZC/W Rh/yh
・ZC/W yh/yh
<交配の具体例>
 遺伝子型がZc/Zc yh/yhのブラックヘッドのオスと、遺伝子型がZC/W Rh/yhのレッドヘッドのメスとの交雑では、オスの子はレッドヘッド(遺伝子型はZC/Zc Rh/yh)かイエローヘッド(遺伝子型はZC/Zc yh/yh)となり、メスの子はすべてブラックヘッドかホワイトヘッド(遺伝子型はZc/W Rh/yh か Zc/W yh/yh)となります。
 
ベースカラーとの関係
 ベースカラーがシルバーとパステルシルバーの場合、ブラックヘッドを示す遺伝子型の個体はホワイト(WH)となります。正面から見たパステルシルバーのホワイト(WH)は、シルバーのホワイト(WH)に比べて、ややかすれたように見えます。また、パステル、イエロー、パステルイエロー、パステルブルーのブラック(BH)は、灰色に見えます。さらにブルー、パステルブルー、シルバー、パステルシルバーでは、レッド(RH)とイエロー(YH)の違いが無く、これらを示す遺伝子型の個体はどれも朱色に見えます。 
 

←[B]のレッドヘッド個体には、イエローヘッドの遺伝子型をもっているものがいる。

←[Bp]、[SL]、[SLp]のレッドヘッド個体には、イエローヘッドの遺伝子型をもっているものがいる。

(C) Cinomix
 

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