悪夢鳥井加南子シリーズ '' '' '' ~)



 ・『悪夢の妖怪村』
 

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 2001/02/14
悪夢の妖怪村 スーパー脱出ゲーム・ノベル
悪夢の妖怪村



鳥井加南子・著
祥伝社 / 1985年 / ISBN 4-396-32010-8


総パラグラフ数 : 300 / 入手経路 : Yahoo!オークション
入手価格 : 1,000円 / 当時定価 : 400円



999  この作品はリアルタイムでプレイ済みなのですが、懐かしいのでムリして手に入れました。ちなみにプレミアつけて買うほどの本ではございません。現に、時間差で出品された同一の品は500円で他の方が落札してますし。マニアックなタイトルなので早まったよ……。

 で、本作はその名が示すように妖怪が出てきます。そして、初っ端出くわすのが妖怪アミダババア。続く「テレビに出なくなったと思ったら、こんなところに来ていたのだ」というくだりも併せ、狙ってるのか何なのか心底分からない鬱さ加減です。
 妖怪ジャンルも幅広く、「小泉八雲からスティーヴン・キングまで」といった具合で、その中心にはもれなく「水木しげる」が位置しているような。 しかしながらコレ、最終的にはSFなんですがね。一歩間違えると「古代的宇宙人カセイジンの陰謀」になるところを主人公がトリックスターなんで助かったというか助かりはしないどころか実はどうでも良い、とでも言っておいて煙に巻いておきますか。

 ゲームブック的な評価なんですが「鬱」が妥当ですね。「誰しもがクリアできない」というよりは「誰しもがクリアしようと思わない」タイプの難度。死にゲーもとい賽の河原ゲーです。
 妖怪と戦う場面があったとしても、その勝敗を確定する要素が、アミダババアとの出会い時に決まる「1-9」までの運命数と、運命数にその日の数・或いは誕生日などを足した「バイオリズム数」によってすべてが決せられるので、 その辺りもメモって適宜対応していかないと一生クリアできません(それ以前にフラグミスがあるような気もするのですが……)。
 この手のシステムはズルが効かないコンピュータゲームだったらデバッグ・ジャンキーな向きには面白いかもしれません。ゲームブックとしてだと、(ズルしてしまう己に対して)どうしても鬱の様相を呈してしまいますが。

 とはいえ、私的にはこの作品すごく好きだったりします。パラグラフ構成が可逆的なので地図作製に暇がないトコとか、出来上がった地図がかなり歪だったりするのが、また退廃的で心地よいですね。 システム的な鬱さ加減も怪我の功名となって雰囲気を助けてるような気もします。が、そのすべては私の都合の良い解釈に他ならないというのも大事な点でありましょう。

 ちなみに、鳥井加南子さんという方、『天女の末裔』という作品で乱歩賞獲ってます。もちろん、『天女-』はゲームブックではありませんがね。『悪夢の-』はこの他に二作もあるようです。見つけたら速攻殺ってやる。