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「まずい、まずいよね・・・」
聖殿の裏に作った自分の花壇の前で、マルセルがボソッと呟いた。 僕、何だか最近、サクリアが衰えてきてる・・・!? マルセルはもう一度、落ちついて最初から考えてみる事にした。 最初に気づいたのは、一週間ほど前。 ピッコロ大魔玉−−−今回の2人の女王候補は、名前を、レイチェルともう1人、ピッコロ大魔玉と言った。しかも、最初に何かミスがあったらしく、大魔王の『王』が『玉』と登録されていた・・・−−− ピッコロ大魔玉に『たくさん』育成を頼まれ、その足で王立研究院へ向かい、力を送った。 ・・・が、翌日になって、『少し』育成と同じだけの力しか、送り込まれていない事が判明したのだ。 最初は、どーせ僕は女王試験なんか興味ないしー。仕事なんか、かったるくってやってらんないよね。という、不届き千万手討ちにしてくれる。(ジュリアス:談)的な物の考え方の影響だろう。と、軽い気持ちでいたのだが・・・ それから毎日のようにピッコロ大魔玉(くどいようだが、女王候補の名前)が育成を頼みに来て、否応ナシに親密度が上がってしまっても、サクリアがなかなか高まらない。 ・・・まあ、その辺は恋愛の対象物にもよるのかもしれないが・・・ とにかく、緑の星が宇宙に現れたのは、9度の育成依頼の後だったという訳だ。 「このままじゃ僕、守護聖最年少引退記録を更新しちゃう!?(っていうか、最短!?)」 「おいチビ、何やってんだよ」 頭をかきむしって絶叫するマルセルに、背後からゼフェルが恐々声を掛けた。 「・・・やあ、ゼフェル。呼んでもないのに、何の用?」 「・・・オレは貴様の何だ?」 マルセルがコロッと態度を変え、ゼフェルが呟いた。 「僕今、忙しいの!用がないなら、放っといてよね!」 「何言ってんだよ、今日はオメーも仕事だろ。さっさとジュリアスのところに行こーぜ!」 普段のゼフェルを知っている者には鳥肌物のセリフだが、何分の幾らか(アバウト)の確率で、このゼフェルは何と、仕事熱心になっているのだった・・・っ!! 「ぼ、僕、今日は頭が痛くて・・・ウッ!ゲフン、ゲフン・・・」 その途端に、マルセルが腹を抱え、パンチョ伊東の頭並のあからさまさで咳込みだした。 「頭痛てえって、ハラ抱えてんじゃねーよ!!おら、立てッ!」 「ああッ、かんにんして・・・ッ!!」 「コラーーーーッ!!!」 ゼフェルがマルセルの胸ぐらを掴んだ途端、背後からバカでかい怒声が聞こえ、それに押されるようにゼフェルの身体は前方へつんのめった。 「こ、この、血管がはちきれんばかりの声は・・・」 「ゼフェル!またマルセルをいじめてるな!」 天知る地知る、人ぞ知る。人が泣くとこ、我がいる。少女と犬にゃ滅法弱いぜ、正義と愛と勇気の守護聖。赤いマントをひるがえし、呼ばれなくともここぞと参上! ・・・とばかりに、ランディが現れた。 「出たな!!エセ平和主義者!!」 どこに隠し持っていたのか、ゼフェルが手製のリモコンを取り出した。 「迎撃ロボ、GO!!」 トマトの形をしたロボが、ランディめがけ、発進される。 「うわーーーーっ!?」 「君、これ、わざわざ作ったの・・・?(よっぽど暇だったんだね・・・)」 「おうよ!」 マルセルの言葉にゼフェルが、思いきり誇らしげに胸を張った。 「ちなみに、姉妹品の『迎撃ロボ PARTII』もあんだぜ。」 「はあ・・・」 「ボインボインのナインちゃんに、松田聖子も顔負けの、どぎついメイクの甘いフェイス。もちろん足にはジェット噴射、なんと馬力は10万ボルト(単位は違うが)椎茸型どる憎い奴!10月27日くらいに完成予定だぁ!!」 「・・・具体的なようで、全然そうじゃないね・・・」 マルセルがつぶやいた。
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