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ココロまで脱がされる 熱い風の誘惑に
負けちゃって 構わないから 真夏は 不祥事も 君次第で |
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| 生温い風を頬に受けながら、オスカーは横に佇む少年の姿を盗み見た。 |
| スゥエード地で作られた柔らかそうな服の袖から、スラリと長い手足が伸びている。 |
| 真夏用のその薄地の服は、ごまかしようもない程くっきりと、彼のスタイルを表していた。 |
| 確信犯め・・・ |
| 自分に向けられる少年の無邪気な笑顔を、ふとオスカーは壊してやりたい衝動にかられた。 |
| 誘惑したのは、お前だ。 |
| オスカーは、少年の身体をきつく抱きしめた。 |
| 熱い、熱い、風の誘惑。 |
| 捕えられたのは、熱い炎。 |
| ココロまで、ぬがされてしまった・・・。 |
| 少年が、縛り付ける炎から逃れようと、身体を捩る。 |
| 炎はますます、少年のしなやかな身体を締め上げる。 |
| 瞬間、激しい爆発音と共に、花火がこの、むせかえるような熱帯夜を彩った。 |
| 少年の横顔も花火に照らされ、七色に彩られる。 |
| この花火のように、打ち上げて散る想いなら・・・。 |
| オスカーは考える。 |
| このままずっと、抱き合って・・・焦がれるまで。 |
| 誘惑したのは、お前だ。 |
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真夏の不祥事は、そう。いつでも起こる物なのだから。
(98.7.yas.) |