Resistance
あの日君を見送ったのは
 砂が風に飛び散るスティション
レールウェイが遠く霞んで
 街に冬が近づいていた

★ ★ ★ ★ ★

ねえルヴァ、本当に行っちゃうの?
悲しそうな瞳をした少女は、黙って頷く青年の頬にソッと触れて言った。
・・・シャ
青年は、優しく少女の名を呼んだ。
素敵な事だと思いません?このレールの向こうに、新しい未来が待っているんですよ。
どうして、と少女は言う。
どうして向かい風に逆らおうとするの?どうして遠い道を選ぶの?と、少女は問う。
何かを見過ごしたまま、と青年は、穏やかな瞳で言った。
生きるのは、寂しい事だと思いませんか?
青年はいつも、違う生き方を夢見ていた。
青年が見つめていたのは、別れではなく、始まり。
青年は、行かなくてはならない。それが例え、本意でなくとも。
これは、それを理解った上での、少女の我侭、儚い抵抗。
青年が、愛しそうに少女の髪を掻き上げた。
どんなに離れていても、ひとりきりで泣かないで。
少女も、愛しそうに青年の頬を掌で包んだ。
待ち続けるわ、あなたが好きだから。
悲しみに沈む時にも、忘れないで。1人じゃない。
それは、長い間忘れていた過去の出来事。少女の名も思い出せぬ、儚い、夢。

(98.7.yas.)