第一回 漁業従事者に告ぐ。今すぐバス駆除をやめよ!
第一回目なのにかなり強烈なタイトルなのですが、これは今バス釣りのアングラーの中でも結構興味を持っている方はいるんじゃないかなと思ってまずはこれをアップしました。
琵琶湖では伝統的な鮎漁などの不振が続き、それを外来種のせいだとする漁業者はバス駆除を一斉に始めています。しかも2003年には自治体までもが条例でバスを再放流することを禁止して(実際に守っている人はそんなにはいないと思いますが)バスを徹底的に駆除する方針を打ち出しています。
しかし、本当にこれは正しいことなのかという疑問がバスアングラーである僕には浮き上がっていきました。ここでこの琵琶湖と同じように外から人間によって生物が持ち込まれたがために生態系に変動があった島の一例を紹介したいと思います。
この話は旧課程の理科の教科書に載っている話なので結構知っている方も多いと思います。カナダのニューファウンドランド島という島には元々トナカイやホッキョクウサギというような草食動物とそれらを食べるオオカミやヤマネコが生活していたのですが、漁民が食料として持ち込んだカンジキウサギが野生化してしまい、これを餌としたヤマネコが急激に増えてしまいました。その結果ヤマネコはオオカミの餌にまで手を出すようになり、餌の不足と人間によって殺されたこともあってオオカミは絶滅してしまいました。しかし、その後ヤマネコやトナカイやホッキョクウサギなどの在来種とカンジキウサギの個体数は安定を見せるようになり新しい生態系を形成することに成功したのです。
この話では確かにオオカミは絶滅してしまいましたが、それは人間がオオカミを殺めたところに多く原因があるのです。なぜならば食料が不足しただけであるならば決して絶滅などはしませんし、その後に生態系が安定してきたということはオオカミが絶滅していなければその数も安定した可能性が高いからです。
つまり、この話で僕が言いたいのは、たとえ外来種がやってきたとしても自然の生態系はそれを受け入れるだけの十分な機能を持っていると言うことなのです。もし、外来種がやって来ただけで在来種が押しつぶされているのであれば、日本中の在来種はもうとっくの昔に絶滅しているはずなのです。外来種の外来は季節風によって種が運ばれてくるなどの自然による要因もあり、人間が文明を形成する前にも幾度となく繰り返されていたはずです。それなのに日本古来の在来種が今も残っているということはこれは生態系の力以外の何者でもありません。しかも、最大の外来種である我々人間が入ってきた今でも生き続けているということは、それはこの考えの動かしがたい証拠であるのです。
実際に1970年代から今までずっと増え続けてきたバスの個体数は今、全国の多くの湖池で減少しています。増えすぎたバスの個体数を現在のベイトの量ではまかないきれなくなったためにその数減少している、即ち自然の生態系が働いている結果であるのです。ここに人間が鮎漁を復活させたいという目先のエゴイズムに捉われて生態系に人工的に手を入れてはカナダのニューファウンドランド島のオオカミの弐の前になることは間違いありません。
そもそもブラックバスというのは食用即ち漁業者がこれをとってお金に換えるというような意図で輸入されたものです。それを今更人間の都合によって駆除使用などというのはエゴイズムもいいとこです。寧ろそんなことが平気でできる人は人ではありません。ただ生物学的に「ヒト」であるに過ぎません。この文を見てくださった方々には是非その辺をもう一度考え直して欲しいものです。
この文に関する意見や質問、感想などがありましたら是非掲示板なりメールなりで教えてくださると非常にありがたいです。よろしくお願いします。