暗い短文の連作です。
グラフェというにはアレなので肌にあわなかったら忘れて下さい。
タイトルクリックすると、その場所に飛びます。
「奈落」 「枯渇」 「絶望」 「最終的な地獄」
だいすきなお兄ちゃん。
だいすきなお姉ちゃん。
お兄ちゃんは、お姉ちゃんが好き。
だからわたしは。
だからわたしは。
ふたりを。
お兄ちゃんを応援するの。
だいすきなふたりが、幸せでありますように。
バカ親父が言った。
カミサマがいるなら。きっとおねがいするの。
どうかどうか。
ふたりがしあわせで。
きっとお兄ちゃんの気持ちがとどきますように。
ちくちくちくちくちくちくちくちくちく…
それはきっと。いたみじゃないから。
ふたりが幸せなら。
お兄ちゃんが幸せなら。
それは痛くなんてないから。
だから。
それは。
奈落。
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ここは、わたしの部屋。
大切な仕事場。
他に何もないわたしに。まかされた場所。
朝日が、カーテンの隙間からこぼれて。
わたしの顔を照らして。
じわりと、目が覚める。
ゆっくり覚醒。うん、これを覚醒っていうにちがいないの。
わたしは、ぱちぱち。
まばたきをくりかえす。
もそりと布団からはいだして。
大きく息を吸い込んで吐き出す。
準備運動はたいせつ。
順々に、わたしの体がおきだして。
うん。
着替えよう。
顔を洗って。軽めの朝食。
そのころには、幼馴染たちがやってきて。
それから…
それから…
あのひとのところに、野菜をとりにいかなくちゃ。
枯渇。
なんだろう。なにか夢をみたんだけどな。
もうわすれちゃったみたい。
枯渇。
さぁ、わたしの一日の始まり。
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え?
なぁに、リシェル。
なにか言ったの?
野菜?
やさいがどうかした?
もったいないことってなに。
リシェルがなにを言ってるのかわかんないよ。
どうして?
今日は休めって。どうして?
わたしなんともないよ。
病気じゃないもん。元気だし。
熱もないってば。
リシェルこそ、どうかしたんじゃないの。
だってこの野菜。
腐ってるんだよ?
食べられないから捨てるの。
それだけじゃない。
どうしたの?
どうして、そんな顔をしてるの、リシェル?
しないしないしない。
絶望。
そんなものしない。
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それは最終的な地獄。
わたしは知ってるの。
お兄ちゃんは優しいって。
わたしは知ってるの。
お兄ちゃんが優しいって。
だからきっと。
抱いてってお願いしたら抱いてくれるよね。
それか。
バカこと、言うなって。きっと優しくしてくれるね。
わたしは知ってるの。
わたしはおにいちゃんがやさしいってしってるの。
わたしはしってるの。
わたしは子供で。
かわいそうな女の子で。
だから。
わたしがどうしたらいいのかしってるの。
そうして。
奈落に。
絶望しているのに。
ずっとずっと。
枯渇しつづけて。
やがて。
堕ちて。
最終的な地獄のはてに。
かわいそうな子供で健気な少女だということを武器にできることを知っている女だという自覚のあるフェアの話。だからこのフェアはお兄ちゃんの前では泣かないで笑っているにちがいないのにどこかで誰かに助けてあげてと言ってもらおうとしてる子です。
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