2,理学療法とは



ここでは理学療について説明していきます。
まず、理学療法とはリハビリテーション医学の重要な治療手段の一つです。
また、理学療法は『運動療法』と『物理療法』の二つに大きく分かれます。

1,運動療法
運動療法は何らかの運動を用いて運動障害の治療や矯正を行おうとする治療法である。
これを目的にわけると・・・

@関節可動域の維持・改善
A筋力の強化
B耐久力の増加
C運動の協調性の改善
D呼吸訓練
E日常生活活動(ADL)訓練

@関節可動域の維持・改善
 関節それ自体の障害の有無にかかわらず、患者が関節運動を行えない場合、関節は拘縮を起こします。
 拘縮とは長期間、関節を動かしていないと関節が固まって動かなくなることです。
 これを予防するために可動域の維持を目的とした運動、関節可動域訓練(range of motion exercise)が必要になります。
 この訓練は理学療法士によって他動的に行われるのが原則であり、基本的には各関節に固有な運動を正しく行うことが大切です。
 方法としては理学療法士自らの徒手による伸張訓練、または器械による伸張訓練があります。

A筋力の強化
 筋力増強の訓練は徒手筋力テスト(Manual Muscle Test:MMT 0〜5の6段階評価)の結果をもとにして次のような方法が用いられる。
  T.他動運動(passive exercise)
  U.自動介助運動(active assistive exercise)
  V.自動運動(active exercise)
  W.抵抗運動(resistive exercise)

  T.他動運動(passive exercise)
    この運動は徒手筋力テストの結果がZero(0)、つまり筋収縮がまったく見られない患者に対して行われます。
    これは理学療法士が他動的に患者の関節を動かす運動のこと。方法としては関節可動域訓練と同じです。
  U.自動介助運動(active assistive exercise)
    徒手筋力テストの結果がTrace(1)かPoor(2)の場合、筋の収縮は起こっても、関節の運動をすることは困難である。
    このような時に、自発的に筋の収縮を患者に行わせながら、理学療法士あるいは器具の補助によって関節運動が起こるようにする。
  V.自動運動(active exercise)
    筋力がFair(3)になると、重力に抗して運動を行うことができる。これを利用して患者自らに運動を行わせる、これを自動運動という。
    自動運動は筋力3の筋に対する訓練としてばかりでなく、心肺機能の改善や全身状態の回復などのために用いられる。
  W.抵抗運動(resistive exercise)
    徒手筋力テストの結果がGood(4)あるいはNormal(5)の場合にはこの運動が行われる。
    抵抗運動では等張性収縮を利用したものと、等尺性収縮を利用したものに分けられる。

B耐久力の増加
 筋の耐久性を高めるためには
、基本的には筋力の増強の場合より少ない抵抗とより多くの回数で訓練を行うのが原則である。
 しかし、筋の耐久力は一方では筋力と密接に関係しており、筋力の増強訓練と並行して行われる。
 臨床的には筋力増強訓練と耐久力の増強が切り離して要請されることはほとんどない。

C運動の協調性の改善
 原則的な方法としては
 T.中枢側から末梢側へとコントロールして行う。

 U.基本的な動作の習得は、運動発達の順序に従う。
 V.正しい運動パターンを繰り返し入力させる。
 W.障害の程度、回復の状況に応じて運動の種類、運動の速度などを選択する。

D呼吸訓練
 
呼吸訓練いは、発声訓練、口すぼめ呼吸、深呼吸運動、腹式呼吸などがある。

E日常生活活動(ADL)訓練
 
ADLの訓練は患者や障害者が自立していくための最も基本的な訓練である。

 ADL訓練には立位訓練、歩行訓練、食事動作、整容動作、更衣動作、トイレ動作、入浴動作などがあります。

2,物理療法
物理療法とは物理的なエネルギー(温熱、電気、水、光)を用いて疼痛の軽減、局所循環の改善、コラーゲンの弾性増加などを目的とした治療を行う手段である。
これらは単独で用いられることもありますが、現在では他の手段の補助的手段として用いられることが多くなっています。
例えば、拘縮を起こしている筋のストレッチングの前に温熱療法を行えば、ストレッチングの効果を一層高めることができます。
現在用いられている物理療法には以下のようなものがあります。
@寒冷療法
A温熱療法
B機械的治療
C電気治療
D水治療(これは1つのカテゴリーとしても考えられるが、寒冷・温熱療法の一部とも考えられる)

@寒冷療法
 効果・・・疼痛の軽減、筋肉の急性けいれんの軽減、コラーゲンの弾性の増加、局所循環の減少・増加、浮腫の減少、組織代謝の減少
       このうち局所循環は、10分以下の短い冷却で減少が起こり、15分から30分位の長い時間冷やすと循環は増加する。
 方法・・・氷、ゲル状の冷却物、化学製品によるパックおよびガス

A温熱療法
 効果・・・血管拡張作用、毛細血管の透過性の増加、コラーゲンの粘弾性の低下、疼痛の減少
 方法・・・ホット・パック、パラフィン浴、超短波、極超短波、超音波、渦流浴

B機械的治療
 効果・・・局所の血流の増加、リンパ流の増加、筋緊張をゆるめる、鎮痛効果
 方法・・・マッサージ、渦流浴

C電気治療
 効果・・・疼痛の軽減、筋スパズムの弛緩、筋の再教育、麻痺筋の運動
 方法・・・軽皮的電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:TENS)、機能的電気刺激

D水治療
 効果・・・水流や浮力を利用して重力による抵抗を軽減する。
 方法・・・渦流浴、ハバードタンク、プール


   
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