さして目立つような装飾はないが、その形状はどこか鋭利な美しさをただよわせている。
見上げてもその先端は雲に隠れ、どこまで続いているのかすらも分からない。
地上に視線を戻すと、そこには、つい先ほどまでは無かった看板が立っていた。
| 中央魔導研究所 |
入ってすぐにあるのは、かなり広い、ロビーのような部屋だ。
階段や扉がいくつか見える。
中へと入ると、背後で大きな音がし、あたりが闇につつまれた。
振り返って調べると、今入ってきた扉が、閉じてしまっている。
試しに取っ手を掴み、引いてみると、扉はあっさりと開き、外界の光と風が塔の中へ入り込んできた。
閉じこめられたわけではなかった。
安心して再び塔の中へ戻ると、明かりをつけようとする。
その時、突然目の前が明るくなった。
すぐ前にある柱の上方についた明かりが、ひとりでに点灯したのだ。
柱を見上げていると、前から人の声がした。
「ようこそ、中央魔導研究所へ。」
目の前に、いつの間にか一人の少女が立っていた。
少女はにっこりと微笑んで、口を開いた。人目のお客様です。
あ、申し遅れました。わたしの名は、カリナ。
カリナ・カノープスと申します。
貴方を案内させていただく、当研究所の特別研究員です。
以後、お見知り置きを……。」
カリナは、そう言うとロビーの方を向き、顔を少しだけ後ろへ向けた。
「どちらへ向かわれますか?
まずは、簡単な説明をいたしましょう。」
所長室
「当研究所の所長、群咲 紫蓮さんの部屋です。 |
書庫
「ここには、膨大な数の書物が収められています。 |
メモリー・オーブ
「伝言用のメモリーオーブです。 |
転移魔法陣集積場
「他の方の領地へ跳ぶための魔法陣が集められた部屋です。 |