理由

 

阿笠邸

「じゃあ、ありがとうね、送ってくれて・・」

「送るっても、まあ自分の家の隣なんだけどな、それに・・・」

「あら、どうしたの?博士になにか用があるのかしら?」

「バーロ、用があるに決まってんだろ、とりあえずお前のことききださないとな・・」

「あら、本人が目の前にいるんだから、尋ねればいいじゃない?」

「教えてくれね〜だろ!」

などと宮野としゃべりながら俺は博士の家に入った、

「ただいま〜」

「おじゃましま〜す」

「おお!新一か、志保君と一緒だったようじゃな、学校はどうじゃったか?」

「ええ、楽しめたわ・・」

「そうか、で、新一は何か用でもあるのかの?」

「バーロ、あるに決まってるだろ、なんでこいつが俺の高校に転校して来るんだよ?

そもそもこいつは俺より1つ上なんじゃないのか?」

「人のことこいつ呼ばわりするのは感心しないわね・・」

俺は宮野の皮肉を無視して続けた、

「だいたいだな、こいつがうちの高校に入ってくるなら俺に知らせろよ、なんで俺に一言も知らせないんだ?」

「あら、帝丹高校に入るにはあなたの許可が必要なのかしら?」

「うるさいな、俺は博士にきいてるんだよ!」

「いや〜、すまんのう、実は口止めされておってのう・・」

「口止めってこいつから・・」

「いや、実はこのことは優作君と有希子君が絡んでおってな・・」

「はあ?父さんと母さんが?」

「この前あなたのご両親が帰ってきたのよ、全く知らなかったらしいわね・・」

「はあ?一体全体いつだよ、だいたいなんで俺が知らないんだよ?」

「この前あなた毛利さんと二人で出かけたでしょう?その時よ、せっかく帰ってきたのに彼女と旅行かって

ご両親は残念がってたわよ・・」

「彼女と旅行って、別にそういうわけじゃねえよ・・」

俺は慌てて否定した、

「あら、てれちゃって、それとも駆け落ちだったのかしら?」

「な、何をバカなことを言い出すんだよ、そんなことよりも話を続けろよ!」

クスクスと彼女は笑いながら話を続けた・・・

 

工藤邸前

「新ちゃ〜ん、おかしいわね〜、どこ行ったのかしら・・」

「う〜む、なんか事件でもあったのかな、せっかく日本に寄ったというのに・・」

その日は朝から隣が騒がしかった、私が何事かと思って外に出てみると、そこには・・・

「あらあ〜、哀ちゃん・・じゃなかった、志保ちゃんじゃない、あ、ごめんなさいね、起こしちゃったかしら?」

工藤夫妻が門の前でたたずんでいた。

「いえ、大丈夫ですけど・・あの〜どうしたんですか?」

「久しぶりに新一の顔でも見ようと思ってこっちに寄ったんだけどね、なんか新ちゃんいないらしのよ・・」

「ああ、工藤君なら、昨日から出かけています、確か毛利さんと一緒だったと思いますが・・」

「へ〜、蘭ちゃんと一緒に・・新ちゃんやるじゃない・・、しかし弱ったわね、これじゃ何しに来たんだか・・」

「そうだなせっかくアイツの顔を見に来たのに、まあ彼女と仲良く旅行してるんだから元気なんだろうが・・」

(どうやら両親公認の仲らしいわね、あ、でもあのへぼ探偵さんはどうかしらね・・)

おそらく今ごろ、「あの探偵小僧め!うちの娘に手え出したら承知しねえぞ」なんて言ってそうである。

そんなことを思ってると自然と笑みが生じた、

「う〜ん、あ、そうだ、志保ちゃんって今日何か用事あるかしら?」

「え!私ですか?今日は特に用事はありませんが・・」

「じゃあ、ちょっと付き合ってくれないかしら?一回ゆっくり話してみたかったのよね、志保ちゃんと・・」

「それはかまいませんけど・・・」

「それとも、新ちゃんのことが心配かしら?」

「え!」

「ウフフ、冗談よ、まあ新ちゃんのことだから蘭ちゃんと一緒にいてもどうせホームズの話しかしてないじゃないのかしら・・

以前NYに二人で来た時も移動中ホームズの話ばっかりしてたわね・・」

「そうですね、彼の鈍感さはちょっと・・」

「でしょ?まあ、そこが新ちゃんのかわいいところかしら・・」

「さあ、おしゃべりはそのへんにして、とりあえず中に入ろうじゃないか・・」

 

工藤邸内

「ちょっと待ってね、今コーヒーでも入れてくるから・・」

「あ、私手伝いましょうか?」

「ううん、いいわよ、リビングでくつろいでちょうだい・・」

と言って有希子はキッチンの方へ向かって行った。

「ところで、宮野君だっけな?君はこれからどうするつもりだい?」

「これからって、今後の身の振り方でしょうか?」

「そう、何をするかは君次第だが何かやりたいこととかあるのかな?」

「いえ、特には決めていません、確かにいつまでも博士の家に居候してるわけにもいかないですよね・・」

「そうか・・じゃあものは相談なんだが、1年間遊んでみるのはどうかな?」

「遊んでみる・・?」

「そう、高校に転入してみるのはどうかな?」

「え・・高校って私はアメリカで既に大学出てますし、年齢的にも不自然ですし・・1年間ってことは3年生ってことですよね?」

「まあ、そこらへんは私は何とかしよう、どうだね?」

「高校ってどこでしょうか?」

「新ちゃん達の通ってる高校よ、はい・・」

有希子がコーヒーをいれて戻ってきた、

「あ、ありがとうございます、確か帝丹高校ですよね?」

「そうよ、どうかしら?まあ無理にとは言わないけど・・結構おもしろそうよ、ウフフ・・」

「ぜ、ぜひ、お願いします、これからどうしようか迷ってたところなんです・・」

(また工藤君と一緒の学校に通えるのね・・なんてね、何考えてるかしら私、彼には毛利さんがいるのに・・)

「あ、そうだ、新ちゃんには内緒にしておいて、びっくりさせてあげましょうね・・」

 

阿笠邸

「かぁ〜、ったく全て母さん達の差し金かよ、まったくとんでもない親だな・・」

「あら、彼女と旅行に行ってたあなたが悪いんじゃないの?」

「いや、だから、違うっての!」

「・・・本当?」

志保は少し間をおいて、躊躇いがちにきいた・・

俺は宮野の予想外の反応に戸惑った、

「え!ああ、まあな・・・」

「そう・・」

志保は寂しげな表情を浮かべながら頷いた・・

ふと、携帯が鳴っていることに気がついた、蘭からだった・・

「あ、もしもし、何の用だよ?今、どこかって?博士の家にいるけど・・・

何?貸したもの返せ?貸したものって・・あ!」

今日蘭に借りたことを忘れていた・・・

「悪い、悪い、何?今すぐ返せって?わかったよ、今から返しにいくよ・・・」

「じゃあ、ちょっと今から蘭の家に行ってくるわ、じゃあまた明日な・・」

「ええ、また明日ね・・」

 

終わり

 

 

あとがき

この小説は前回の転校生のすぐあと、博士の家に着いてからのことってな感じになっています。

基本的に新一×志保の高校生活をシリーズものみたいな感じで書いていければなあと思っています。

ちなみに基本設定ですが、新一の彼女は蘭という前提にしてあります、何故そうしたかというと

新一×志保のSSって結構2人がラブラブな恋人同士とかいうのが多かったりするんですよね。

もちろん哀ちゃんファンとしては2人がくっつくことはうれしいのですが、それだとなんとなくおもしろみが

ないかなと思って、いわゆる三角関係みたいな感じにしてみました。そういうわけで新一の彼女は蘭ということに

なっていますが、この2人の仲はいっこうに進展しません(笑)そこに志保嬢が加わるという話になっていくと

思いますが、にぶい新一は当然のごとく志保の思いに気が付かないわけで・・・(ちなみに志保が新一に転校の

いきさつを話す場面ですが、志保は当然有希子にからかわれたりした部分は端折っています)

一応この小説の最終的な目標はこの2人をくっつけることなんですけで、果たしてうまくいくやら(ぉぃ

最後に、拙い小説ですが読んでくれてありがとうございます。