阿笠邸
「こんばんは〜・・・」
「おお、新一か、どうしたんじゃ?」
「宮野いるか?」
「志保君ならリビングで本を読んでおるが・・・」
「わかった・・」
俺は紙袋をかたてにリビングに向かった。
「お〜い、宮野・・」
宮野に声をかけようとしたが思わず声を止めた、
宮野がソファで寝ていたからだ、どうやら本を読んでいる途中に寝てしまったらしい
「弱ったなあ、どうすっかなあ・・」俺は右手にある紙袋を見ながらつぶやいた・・
「どうしたんじゃ、新一?こんなところで・・」
ドアのそばで佇んでいる俺を見つけて博士が声をかけてきた。
「あ、いや、ちょっと宮野に用があったんだけど・・」俺は宮野の方に視線を移動して答えた、
「ははは、志保君はお休み中らしいのう・・で、どんな用なんじゃ?」
「いや、たいした用じゃないんだけど・・宮野いつ起きるかな?」
「そのうち起きるじゃろ、今コーヒーでもいれてくるから、少し待っていてはどうじゃ?」
「ああ、そうだな、起きるまでしばらく待ってるよ・・」
博士がリビングから出て行くと当然俺と宮野の二人きりになった、
ドアのそばでつ立ってんのもなんなのでソファに座わることにした。
ソファに座ると正面には気持ちよさそうに寝ている宮野の姿がいやでも目に映る、
(疲れてんのかなあ・・それにしても気持ちよさそうに寝ているなあ・・)
などと考えていると、「寝てる姿は案外かわいいもんだな・・・」と俺は思わずつぶやいていた、するといきなり・・
「新一、コーヒーいれてきたぞい・・」
「うわぁ、な、なんだ博士か・・あ〜びっくりしたぜ・・」
俺は突然声をかけられてびっくりしまい大声をあげてしまった。
「う〜ん、何だか騒がしいわね・・」
「あ、悪い、宮野起こしちゃったみたいだな・・」
「え!きゃっ、何で工藤君がいるの?まさかさっきから・・」
「あ、ああ、起こすのも悪いと思ってお前が起きるまで待ってようと思ったんだけど・・」
「じゃあ、あなたずっとあたしの寝顔みてたわけ?」
「え、いや、ずっと見てたわけじゃないけど・・なあ博士?」
「そういう問題じゃないわよ!レディの寝顔を見てるなんて随分な趣味ね、名探偵さん!」
「まあ、そういわんと志保君、新一は君に用があったそうじゃし・・のう?」
「用?用ってどんな用かしら?私あなたの悪趣味に付き合う気はないわよ・・」
「これだよ、これ」俺は持っていた紙袋を渡した。
「何かしら・・」
紙袋をあけてみると出てきたのは携帯電話であった。
「何よ、これ?」
「何って、携帯電話だよ見りゃわかんだろ・・」
「そんなことはわかってるわよ!これをどうすんのよ?」
「まあ、お前へのプレゼントだよ、さしずめ転校祝いってなことかな・・」
「本当?うれしいわ、ありがとう・・でもプレゼントなんてどんな風の吹き回しかしら?」
「実はさあ、一昨日母さんから電話があってお前に転校祝いのプレゼントでも上げろって言われてな・・」
「あら、やっぱりね、あなたがそんな気が利くはずがないものね・・で、どうしてこれなの?」
志保は携帯電話を持ちあげながら尋ねた。
「え、いや、特に他に思いつかなかったんで・・そしたらずっと前に蘭に携帯を贈ってやったこと思い出してな、
確かお前は携帯持ってなかったよな?それで丁度いいかなと思ってな・・ん!どうしたんだ、宮野?」
何か宮野の様子がおかしかった、さっきまでの笑顔は消えて何か悲しげな表情をしている。
「やっぱりいらないわ、私携帯電話なんて使わなさそうだし・・」
そう言って紙袋を返そうとする。
「え!いや、返されても困るし。別にさあ、持ってれば便利だし、遠慮すんなよ・・」
「いらないったら、いらないわよ!」
突然宮野が大声を出したので俺は驚いた、宮野はそう言うと紙袋を博士に預けて自分の部屋に行ってしまった。
「はあ?あいつ何怒ってんだ?ったく相変わらず何考えてるんだかわからねえな・・・」
俺はこれをどうしようかと思いながら博士の手にある紙袋を見つめた。
(私ったら何しているのかしらね・・・バカみたいじゃないこれじゃ・・)
私は部屋に入るとベッドに寝転がりながらつい先ほどの事を考えていた。
(せっかく、彼からのプレゼントなのに・・・嫉妬かしら?嫌な女よね私って・・これじゃあ、ますます彼に嫌われちゃうわね・・)
(そうよ、所詮私なんかじゃ彼女には勝てないわよね・・あの花のような笑顔を浮かべる彼女には・・)
コンコン、
「・・・」
コンコン、
「・・・」
「おい!宮野いるんだろ?ドア開けるぞ、いいか?」
「・・・」
「ったく、もしかしてまた寝てんじゃないだろうな・・」
「違うわよ!」
「なんだやっぱりいるじゃねえか、入るぞ〜・・」
ガチャ、彼がドアを開けて入ってきた。
「人の寝顔を見ておいて、今度は勝手に人の部屋に入ってくるとはね。たいした御趣味をお持ちね、名探偵さん!」
「バーロ、お前が返事しないのがいけないんだろ・・」
そう言ながら彼は再び紙袋を私に渡した。
「いらないって、言ったじゃない・・」
「返されても困るんだよ!いいから貰っておけよ、俺からプレゼントってのが気に入らなきゃ、
母さんからのってことで受け取ってくれよ・・」
「・・・わかったわよ・・」
「じゃあな、俺は帰るわ・・」
「工藤君!」
「ん、何だよ?」
「あ、ありがとうね・・それと・・」
「それと?」
「あ、あなたの番号教えてくれないかしら?私他にかける相手もいなさそうだし・・」
「ああ、別にいいけど・・」
お互いに番号を交換すると新一は帰っていった。
(あなたからの、あなたからのプレゼントだったからうれしかったのよ・・)
分かれ際に志保は呟いた。
終わり
あとがき
基本的に相変わらずにぶい新一とそのにぶさにちょっといらいらしてしまう志保ってな感じです。
しかし、いくらなんでもこのにぶさは書いていて志保がかわいそうですね(笑)
ちなみに携帯電話をプレゼントってなことにしていますが、どうやってプレゼントするのでしょうね(笑)
普通本人名義で買うからなあ、自分の名義で買って志保に使わしてあげるということなのかな?
まあ、詳しいつっこみ等は無しということで(笑)一応携帯電話は次のネタの一つとして使う
予定ですのであしからず。拙い文章ですが読んでくださってありがとうございます。