届かぬ思い後編

 

放課後

新一が帰ろうとするとクラスメートに呼び止められ、その間に志保は一人で帰っていった。

「何だよ?おまえら?」

新一はどうせ志保がらみの話なんだろうと予想していたのでうんざりしなが尋ねた。

「工藤、お前、宮野さんと親しいんだよなあ?」

「あん?親しいってもな・・まあ、お前らよりはな・・」

「じゃあ、宮野さんの携帯の番号知ってるか?」

「え゛!なんでアイツが携帯持ってんの知ってるんだ?」

「・・やっぱり知ってるようだな・・」

(しまった・・)俺は心の中で自分の失言を呪った。

「いや、でもなあ・・・アハハハ・・」

教室の中で俺のカラ笑いがむなしく響く。

「番号教えてくれるよな?俺達友達だろ?」

「・・・」

「教えないとお前の携帯のメモリあさるぞ?」

「・・・わかった・・」

俺はとうとう降参した。

「さすが工藤だ、お前と友達でよかったよ!」

「お前は毛利さんがいるんだし彼女のことは俺達にまかせろよ・・」

(ったく、勝手なこと言いやがって・・)俺はひとりごちた。

仕方なく俺は宮野の携帯の番号を教えると、ようやく解放された。

(弱ったな〜、アイツに何て言おうか・・まあ、でも教えたのはあの三人だけだし・・)

新一が教室を出てとぼとぼと下駄箱まで志保への言い訳を考えながら歩いていると

「あれ、新一じゃない、どうしたの?やけに暗い顔してるけど・・」

蘭が下駄箱でくつを履き替えているところであった。

「いや、オメーこそ何してんだよ?部活じゃねえのか?」

「部活に行ってみたら、今日は休みだったってこと忘れてて・・」

「ふ〜ん、そうなのか・・」

「あれ、そういえば志保さんは?」

「ん?宮野か・・さあ、アイツは先に帰ったんじゃ・・何か用でもあるのか?」

(やれやれ、またアイツの話かよ・・)俺は蘭まで一体アイツに何の用があるかと思いながら答えた。

「ううん、別に特に用ってわけじゃないけど・・」

新一と蘭はしゃべりながら学校の外に出て行った。

「そういえば今日の昼休み、オメー宮野と一緒に飯食ってたよなあ?」

「ええ、ちょっと宮野さんと話してみたくて・・」

「ふ〜ん・・何話してたんだ?」

「別にたいしたことじゃないけど・・哀ちゃんのこととか・・」

「灰原のこと?」

「あれ?新一って哀ちゃんと知合いなの?」

「え、いや、あの・・コ、コナンから多少話しを聞いたりしたからな・・」

(ふう、あぶねー、あぶねー)俺は思わず冷や汗をかいた。

「コナン君から?コナン君って哀ちゃんのことどう言ってたのかしら?」

「え、えーと・・こんな感じの子がいるってなことしか言ってなかったけど・・」

「ふ〜ん・・」

(そういえば哀ちゃんもそんな感じだったって志保さんが言ってたわね・・なんか感じが似てるのよね、あの子達・・)

蘭がコナンと哀のことを考えていると・・

「どうしたんだ、蘭?にやにやして・・」

「え!別に何でもないから気にしないで・・じゃあまた明日ね〜」

蘭は自分の家の方向に帰って行った。

 

工藤邸

新一が夕食を食べ終えて本を読んでいると突然携帯が鳴り出した。

「ったく、いいところなのに・・誰だよ・・」

着信は志保からであった。

「隣なのにわざわざ電話かけてくる必要あるのかよ・・しかし何の用だろうな?はい、もしもし、何の用だ?」

「何の用だじゃないわよ!全く、どういうつもり?」

俺は志保のただならぬ剣幕に驚いた。

「おい、一体何のことだよ、いきなり怒鳴られる筋合いはないぞ・・」

「あら、名探偵さんはとぼけるのもうまいのね・・」

「だ・か・ら、何のことだよ?わかるように説明してくれ!」

俺は思わず大声を上げた。

「今日私の携帯に電話がかかってきたり、メールが届いたりしたわ・・」

「はあ?んなもん当然だろ?なんだよ俺がいたずら電話でも掛けたとでもいうのか?そんなことするわけが・・」

「少しだまっててくれないかしら?私が話しているのよ・・」

「・・・」

「ええ、確かに電話が掛かってくるのは当然よね!ただしわずか数時間の間にメールが100通も届いたりするかしら?」

「ひゃ、100通?」

「そうよ、メールが100通、電話はかかりっぱなし・・全部知らない人からね・・」

「・・お前何したんだ?」

「私は何もしてないわよ!何かしたのはあ・な・た・でしょ!」

「俺は何もしてねえよ!」

「じゃこれを一体どう説明するわけ?私の携帯の番号なんてあなたぐらいしか知らないはずよ・・」

「あ゛!」

俺は思わず声を上げてしまった、そう、あの三人に教えたことを思い出したのだ。

「・・やっぱりあなたが犯人だったのね・・で、何をしでかしたの?

どこぞの出会い系サイトにでも私の番号を流したのかしら?」

「バーロ、誰がそんなことするかよ!友達にお前の番号教えただけだよ・・」

「・・ずいぶんとお友達が多いようね、100人に教えるのはさぞかし大変だったでしょうね・・私に無断でね!」

「いや、お前に無断で教えたのは悪かったと思ってるよ、でも教えたのはたったの三人だぜ・・」

「じゃあ、何でメールが100通も来るのかしら?送ってきた相手も違うようだけど・・」

志保はまるで他人事のような口調で話を続けた。

「まさか・・あいつら他の奴らに教えてるんじゃ・・」

「それにしては数が多すぎるんじゃない?でも、メールを見てみると確かに帝丹高校の男子ばっか・・」

俺はいったん宮野との電話を切ると急いで例の三人に電話して確かめてみることにした。

 

30分後

俺は再び宮野に電話した。

「で、結局どうだったのかしら、名探偵さん?」

「・・・どうやら、俺が教えたやつらが他のやつに教えて、でもってそいつらがまた別のヤツに・・ってなことらしいぞ・・」

「ふ〜ん、で、あなたはこの責任をどう取るつもりなのかしら?」

「・・悪い・・」

「それだけ?」

「じゃあ、携帯の番号変えればいいだろ?」

「それは、嫌!」

「・・何でだよ?」

「とにかく番号変えるのは嫌よ!」

俺は何故宮野が今の番号にこだわるのか不思議に思ったが、今はそんなことをきける雰囲気ではなかった。

「じゃあどうすればいいんだよ?」

「そうね・・アイツは俺の彼女だから手を出すなってみんなに言ってくれないかしら?」

「お、おい!ちょっと待て、俺にはだな・・」

「蘭がいるっていうんでしょ?」

クスクスと笑いながら志保は言った。

「ったく、くだらない冗談はやめろよ・・」

「あら、私は冗談のつもりじゃあなかったけど?」

「おい!いい加減にしろよ!」

「クスクス、嘘も方便って言うじゃない・・これぐらい言ってくれてもいいんじゃないかしら?」

「頼むからそれだけは勘弁してくれよ・・俺が殺されてしまうぜ・・」

「蘭さんに?」

「お前にメール送って来た100人にだよ!」

「じゃあ、どうするつもり?」

「まあ、お前が迷惑しているって言って止めさせるよ・・」

「そう、じゃあ頼りにしてるわよ、名探偵さん・・」

「わかったよ・・最後に一ついいか?」

「何かしら?」

「オメー、なんで番号変えるの嫌がってたんだ?」

「フフフ、秘密よ、じゃあまた明日ね・・」

そういい残すと志保は電話を切ってしまった。

「あなたからのプレゼントだったからだなんて言えるはずないわよね・・」

志保は携帯電話をしばらく見つめていた。

 

終わり

 

あとがき

本当はこんな場面が書きたかったんですよ!

 

朝、新一が登校してきて下駄箱を開けるとファンレターが10通ぐらい入っている、それを見て思わずにんまりする新一、

一方志保が下駄箱を開けると同じく手紙が落ちてきます、しかもそれらは新一の数倍の量があります。

それを見て志保が一言「私の勝ちみたいね、名探偵さん・・」そしてふてくされる新一(笑)

 

まあ、さすがに今時下駄箱に手紙は無理かなと思いまして携帯電話ってなことにしました(笑)

数時間でメール100通とかアホな設定もありますがそこらへんは多めに見てくださいね。

拙い文章ですが、読んでくれてありがとうございます。