Happy Birthday

 

5月4日、新一の誕生日である。新一としても久しぶりに蘭の料理が食べられるということで大いに楽しみにしていたが

間の悪いことに1週間ほど前に事件の依頼がありその事件にかかりきりになっていた新一は体調を崩していた。

もともとたいした事件ではなく2,3日でかたがつくであろうとたかをくくっていたのであるが事件が思わぬ方向に進展してしまい

かなりてこずるはめになったのだ。なんとかこの日にまで事件を解決することができたが連日の徹夜により風邪が治りきっていなかった

新一の具合はあまり思わしくなかった、もちろん蘭にはそのようなことを言うつもりはなかったが・・

そういうわけで料理ができるまで新一は自分部屋で横になっていることにした。

「ふう、あとはこのレモンパイを焼けば終わりね・・志保さん手を貸してくれる?」

蘭が隣に住んでいる博士と志保を呼んだのだがあいにく博士は海外の研究会の集まりがあるとのことでしばらくの間家を留守にすることに

なっていたので来れなかったのである。一方志保はというと、邪魔をするようで気が進まなかったのであるが博士に自分の代わりにぜひ

とも行ってくれとの頼みがあったので仕方なく同席することになったが、とはいえ何もしないで待っているのも落ち着かないので

蘭の手伝いをすることにしたのである。

「ねえ、このレモンパイってもしかして工藤君の好物だったりするわけ?」

「ええ、そうよ・・意外でしょ?」

「ふ〜ん、彼のことならなんでも知ってるって感じね・・いい奥さんになれるんじゃないかしら?」

志保が軽口を叩くと蘭は複雑な表情を浮かべた。

「どうしたの・・かしら?」

志保が心配そうに尋ねる

「実は私がこのことを知ったのもつい一年ほど前なのよ・・」

「えっ、そうなの・・」

「ちょうど去年の夏休みにね、中学の時の先輩に教えてもらったの・・」

「・・・」

「その人今は東都大学の学生でね、私たちが中学一年生の時に生徒会長やってたのよ・・」

何故突然蘭がそんな話をしだすのか最初は志保にはよくわからなかったが・・・

「で、その女性は工藤君とどんな関係にあったのかしら?」

「えっ・・」

まだ何も言っていないのにどうしてそんなことがわかるのか蘭は驚いたが、志保にしてみれば蘭の表情を見れば

話の流れはだいたい想像つくのである。

「初恋の人だったんだって・・」

「ええっ!工藤君の!?」

あの超鈍感男が・・と志保はさすがに驚いたが無論そういうわけではない

「違うわよ・・新一のじゃなくて新一がその先輩の初恋の相手だったんだって・・」

「ああ、なるほどね・・」

(まあ彼はどうせあなた一筋だからね・・悲しい初恋ねえ・・もっとも私も人のこと言えた立場じゃないのよね・・

まったくなんであんな人好きになったんだか・・)

「あ、あの・・」

志保が少し押し黙っていると蘭がおもむろに尋ねてきた。

「その・・志保さんって、新一のことどう思っているの?」

「え・・どうって言われても・・」

さすがに思わぬ質問に志保は戸惑った

「もしかして・・新一のこと好き・・なの?」

蘭としてみれば最近思い悩んでいたこと全てこの質問というかたちで志保にぶつけたのである。

そしてとっさに志保の口から出た言葉はこうであった。

「だったら・・どうする?」

「え・・あの、その・・こ、困ります・・」

しどろもどろになりながらも蘭は続けた

「でも・・志保さんみたいな美人でやさしくて頭のいい人に好きになってもらえるなら新一の奴幸せですね・・」

蘭の声は今に立ち消えそうなものであった。

そんな蘭の様子を見てとると志保としてはこう続けるしかなかった

「安心して・・私彼のことそういう対象として見てないから・・」

かって一度言ったことのある自分の心を偽る言葉・・・しかし今このときほどこの言葉が自らの胸を重く締め付けることはなかった。

(私もつくづくバカな女ね・・まああのバカな男に惚れたの運のつきのようね・・)

一方蘭はというと志保のこの言葉を聞くとみるみると元気を取り戻した。

「そうよね・・志保さんみたいな美人ならあんな奴なんかじゃなくてもっと素敵な人が見つかるはずよね・・」

そんな蘭の言葉も今の志保にとっては苦痛でしかなかく、一刻も早くこの場から立ち去りたい気分であった。

「を〜い、飯まだできないのか、腹減ったんだけど・・」

突然お腹をすかした新一の声が聞こえてきたことにより志保は辛くもこの場から解放されることになった。

「どうやら工藤君がお腹をすかして待っているようね・・早くこれをオーブンに入れて料理を持っていってあげた方がいいようね・・」

そう言って志保はくだんのレモンパイを持ち上げるとオーブンのところまで持っていった。

「あっ、あとは私がやるから志保さんは料理を持って先に新一のところに行ってあげて・・新一の奴どうやら風邪引いているらしいのよね

まあ食欲があるくらいだから大丈夫だと思うけど・・」

「あら、そうなの・・彼元気そうだけど・・」

蘭と志保がそんなことを話していると向こうの部屋から突然ハックシュンと大きいくしゃみの音が聞こえてきた。

「・・どうやら風邪気味みたいね・・」

「ね、言ったとおりでしょ?」

そんな話をしながら二人ともクスクスと笑いあった。

 

終わり

 

あとがき

新一の誕生日なのに新一がほとんど出てきません(笑)なんかこのごろ志保×蘭の会話が多くなってきているなあ・・

まあ登場人物が志保、蘭、新一ぐらいしかいないんだからしょうがないかあ・・

怪盗キッドとか出すとややこしくなるので出すつもりはないんだけど服部ぐらいは出したいですねぃ

でも関西弁があ・・・誰か僕に関西弁教えてください(涙)え、何?他に大事なことがあるって?

台詞が原作の台詞の使いまわしばっかで手抜き?なにとぞその点には目をつぶってくださいね(汗