長い1週間(5)

 

「あ〜暇だ・・」

学校から帰ってくるなり志保はコナンの愚痴を聞かされることになった。

「うらやましいわねえ、そんなに暇だなんて・・・ね・・」

志保は時計を見ながら気のない返事をした。

「だってもうかれこれ4日は外に出てないぜ!もうやることねーよ・・」

「じゃあ外に遊びにでも行けば?」

「えっ、じゃあ外に出てもいいのか・・?」

思わず声が上がるコナン・・外出は禁止と志保に言われてしかたなくずっと家にいたのである。

そんなコナンの様子を眺めながら志保はコヒーを啜ると冷めた口調でこう続けた。

「ただし途中で元に戻っても私は知らないわよ、自力でここに戻って来ることね・・」

「・・・」

がっくりとうなだれるコナンだった。

「私だって迷惑してるのよ?そこらへんのことわきまえて欲しいわね・・」

「でもなあ・・退屈すぎて脳みそ腐ったらどーすんだよ?」

「じゃあ、あなたの頭脳が腐らないためには人が死んでくれないとダメみたいね?」

志保は呆れながらそう言った。

「バーロー、何言ってやがる。別に事件が起きて欲しいっていってるわけじゃねーよ・・」

さっきから志保がしきりに時計を気にしているので何かあるのか尋ねようとしたときにキッチンの方で音が鳴った。

そういえば昨日の夜何か作ってたなあ・・とコナンは思い出す。

「ケーキかなんか作っているのか?」

志保はだまって部屋から出て行きキッチンに向かった。

一人になってしばらく待っていると香ばしいにおいと共に志保が戻ってきた。

「これ何だと思う?」

志保はお皿の中のものがコナンに見えないようにして尋ねた。

「そうだな・・たぶんレモンパイじゃあないか?」

「えっ・・」

まさか当てられるとは思っていなかったので志保は驚いた。

「匂いかなんかでわかったのかしら?」

「いや、この前俺の誕生日に蘭のヤツが作ってくれたからな・・

その時にオメーとなんか話してたから作り方でも教えてたんじゃねえかと思ってな・・」

「あらあら、さすが名探偵さんね・・でも気がつかない振りして驚いてあげた方がいい時もあるのよ?」

そう言いながら志保はお皿をテーブルの上に置くと「コーヒーでも入れてくるわ・・」と言って再びキッチンに向かった。

志保がコーヒーをいれて戻ってくると、既にコナンはむしゃむしゃとレモンパイを一人で食べていた。

「ちょっと、工藤君!つまみ食いなんかして、ホント子供みたいね・・」

呆れながらそう言われるとコナンは笑いながら言い訳をする

「まあ、今は子供だしいいじゃねーか。それにしても結構美味いなあこのレモンパイ・・」

「これでも結構料理の腕はあるのよ?」

そう言って志保は微笑む。

「ふ〜ん、オメーも少しは女らしいとこあるんだなあ・・」

感心しているのかけなしているのかよくわからない感想である。

彼なりに褒めてくれているかしら?などと志保は一瞬思ったが、特に他意の無い素直な感想なんだろうと思い直した。

(あまり妙な期待は持たないほうがよさそうね・・)そう自分にいい聞かせる。

もっともその彼は食べることの方に夢中であったらしく一人でもぐもぐ食べている。

「あ、工藤君そろそろ止めておいた方がいいわよ・・」

「あん?」

「体が縮んでいるんだから元の体の時の調子で食べてるとおなか壊すわよ、それに夕飯だってあるし・・わかったかしら、食いしん坊の名探偵さん?」

そう言われてコナンは食べるのを止めたが最後に志保に茶化されたのがなんとなく気にくわなかった。

「オメーが食べ過ぎてこれ以上太るといけないから食べてあげたんだけどなあ・・」

そう言ってにっと笑う。

「ちょ、ちょっと!失礼な人ね・・別に太ってなんかいないわよ・・」

確かに自分で言うとおり均整のとれた見事なプロポーションである。しかし元々痩せていた志保が最近になって体重が増えたのは事実であった。

もっともそれは組織に居るときは研究に没頭していたため、そして灰原哀であった時は組織の陰におびえていた事がありろくに夜も眠れないこと

がしばしばあったためかなり痩せていたのであった。しかし組織が壊滅し元の姿に戻ったためにそのようなストレスから解放されてかなり

健康的な生活をおくるようになっておかげで体重も少し増えたというわけであった。

そのような歓迎すべきことをを茶化して「これ以上太るんじゃねえーぞ・・」と言ったコナンであったが志保はそんなことはわからない。

というか実は女性らしく体重が増えていることについて結構気になっていたのである。ちなみにそんなことをコナンが知っているのは博士から

「志保君が最近しきりに体重を気にしているようじゃ・・」などと聞かされたからである。

志保は気にしていることを突かれたためむきになって否定しようとしたため、コナンの好奇心をあおる嵌めになった。

「いや、元に戻った当初の頃と比べると2,3キロは太っているな・・」

などと言って志保をからかう。

「そ、そりゃ確かに多少は体重が増えたけど・・元々痩せ気味だったから丁度いいのよ・・」

「んー、でもオメーは運動しないからあ・・このまま増え続けるとまずいだろ?」

志保の反応がおもしろいのでがぜん調子に乗るコナンであった。

「このままでのペースでいくと後5キロは太るぜ!」

適当なことを言って志保の反応を試してみる。

「・・・やけに楽しそうね、工藤君?」

どうやらからかわれていることに気がついたようである。

「ん?あ、いや・・別にそういうわけじゃねーよ・・」

「そーいうわけってどーいうわけなのかしら?」

返答に詰まるコナンを眺めながら志保はきつい仕返しの一言を放った。

「じゃあダイエットのために今日の夕飯はなしにしようかしら?」

満面の笑顔を浮かべながらそう言われるとコナンとしてどうしようもなく素直に謝るしかない。

「いや、その・・・すいません・・」

「ったく・・」

そう呟いてコーヒーを啜ると玄関のチャイムが鳴った。

「あら、誰か来たみたいね・・蘭さんかしら?」

そう言って志保は席を立った。

 

続く

 

あとがき

書くのが遅くてすいません。しかも全然話進んでないし・・(^_^; アハハ…

志保ちゃんと新一の会話は書いていて楽しいんですけどねえ、会話ばかりだとなかなか進まないですなあ。

挿絵早く欲しいなあ・・(ぇ