入り口にはこう書いてありました。"秋葉神社まであと9km"
ビビり入る俺の前に、いきなりかなり急な上り坂が現れた。しかもどう見てもずっと上りっぱなし。ずぅっと先にも平地のところが全く見当たりません。マジですかあ?と思いつつ無我夢中で上りました。長い。本当に長い。一体いつになったらなだらかな所が出てくるのだろう。
林が途切れている所がありました。外を覗くとかなり良い景色が見えました。いつのまに、こんな高いところに来たんでしょう。看板によると海抜は400m…。こんな短時間でこの海抜… そりゃキツイわ…。そうこうしているうちにギアはあっというまに1−2に。
先行していて”遅いぞー"と上から戻ってきたHoneに
"頂上の海抜ってどれくらいなのかな…。" と聞いてみると
"知ってるけど教えて欲しい?"
"いや…聞くとくじけそうだからやめとく…"
このとき頭の中では、「とりあえず600mぐらいって思っておこう」と繰り返しておきました。 この辺から、足に力が無くなってきてまっすぐ上れず蛇行で上ってました。 もちろんギアは既に1−1。もう残るは根性だけです。
蛇行を繰り返しながら上って行くと"秋葉神社まで残り1.55km"の看板が見えました。
"なんだ結構進んでたんだな…1.55kmか今、時速8kmで進んでるから…うーんとうーんと、20分ぐらい、こげば着くな。”
と息も絶え絶えな状態でかなり無理やりな見積もりをして気持ちが 少し楽になりました。ところが、その後、いくらこいでも全然、着きません。
良く考えたらむちゃくちゃ蛇行しながら進んでいるため 道のり的には数倍になってるんですね。 また、いかにも勿体つけたようにたくさん出てくる 距離の表示されていない看板の多いこと多いこと、出てくるたびに 息も絶え絶えな俺の心を一喜一憂させます。 なんて罪深い看板どもだ。
そのうち林も途切れて上には青空が広がって来て、いかにももうすぐ頂上な雰囲気。それなのに、30分ぐらいこいでも、全然つかないので、かなりキレそうになってきました。 精神的にもおかしくなってきたらしく様々な症状が出はじめました。
@症状そのいち。
蛇行でガードレールの無い方の端っこに行くたびに崖側を見ては、”このまま崖の側に落ちたら楽だろうなぁ…落ちた瞬間だけ、その後、死ぬだろうな。でもそれも良いかも…。”
と思ったり、路肩の草むらを見ては
”ああ、あそこに倒れこみてー、砂利にタイヤ取られたことにして転ぼうかな”
とか思い始めました。でも、すぐ”いや足だけは絶対につかないぞ”と思いなおして漕ぎ出す。 もはや意地だけ。何度も何度も、その思考を繰り返してました。
@症状そのにー。
人間、生命の危険があるほどに追い詰められると本性が出るものです。 ”今ので良い加減1kmは進んだよな、なぁ?ってことは後500mぐらいだよなぁ”
とか思っていたころに”残り0.8km”の看板が出てきていい加減頭に来て、”叫び”が出始めました。 上りがキツクなって力を入れてこぐたびに"ああああ、このやろー"
"いぃいい加減にしろぉぉおおぉおお"
"まだかああああよぉおおおお。今ので500m絶対進んだって。なんでつかねええんだよおお”
”もう、もう、てめー(神社)が降りて来いやあああ!"<無茶言うな
とか叫びまくり。声を出すと力のかかり方が違いました。 恥ずかしいとかそんな余裕はなく足を止めないためにこぐので精一杯。車とすれちがうときは黙ってましたが。 すれ違うときは蛇行できないのでまっすぐ走らなければなりません。そうすると かなり疲れるので、”早く通りぬけろって!こっち見てンナ!”と心の中では悪意丸出し。いや自分の本性を再確認できました。
@最後の症状
VAAM入り水もつきたころ、視界の中心に何かチカチカと”またたくもの”が見えてきました。とうとう 脳まで犯されてきたか、と思いましたが、無視しました。 ハンガーノックか?とも思いましたが、背中から食料を取り出す余裕もなし。 宇宙人や山の精霊とかとの交信とか言う説も。
これらの症状を伴いながらも、叫びはじめてから30分後ぐらいに神社の入り口に到着。結局最後まで平地と下りは無しでした。鬼だ…。 距離約9kmを平均時速8km以下で1時間30分で上りました。頂上の海抜は866m。 途中で聞かなくて良かった。
その後
秋葉神社を参拝したあと、上の食堂で カレーとミツマメ、お茶。を食べました。これが美味かった。絶対うちの大学の学食よりも美味。こんな山頂でこんなに美味いカレーを出す意味があるのかは全くの謎です。
下り坂
上りが凄かった反面。下りも凄かったです。 フルブレーキかけてるのに40km/h出る坂って一体…。正直行って怖すぎた。 初めから最後までブレーキ握りっぱなし。最後の方は握力が無くなってきて かなり怖かった。
最後に
正直な話、今回ばかりは死ぬかと思った。坂に殺されるかと思いました。 こんな坂は月に一回とかしか上れないと思います。絶対体壊します。 でも、月に一回なら良いかなとか…ちょっぴり思った俺はもう壊れてるかもしれません。上り坂万歳。
戻る