| 猫とは、本来気まぐれな生き物である。 人に飼われてる猫ですら、自分の気が向かない時は飼い主に目もとめないぐらい。 野良猫ならなおのこと。 特に野良猫は警戒心が強く、ちょっと目が合っただけでビクビク。 近づこうものなら一目散に逃げを打つ。 そんな認識があったから、流川には目の前にいる猫が信じられなかった。 ほんの少し口の開いたスポーツバックの中ですやすやと眠る小猫。 近づいても一向に起きる気配のない艶やかな黒い身体。 一体いつのまに潜り込んだのだろう? 体育館まわりの掃除当番だったので、荷物を全部体育館の前に持ってきて置いていた。 ようやく終わって取に来たらすでにこの状態。 「・・・・・・」 手を伸ばし、そっと撫でてみる。 ふわりと柔らかい毛並み、暖かい体温。 「・・・練習、行かねえと・・・」 安心しきって眠っている小猫を起こさないようにゆっくりとバックを肩にかけて、 着替えるべく部室に足を向けたのだった。 |