第1回 走圏
では、さっそくよろしいですか?
八卦掌の基本は、『走圏』と言って、円の上を歩く事です。
半径1m程度の円で構いませんわ。
円の中心に背の高さほどの棒を立てて、
それを中心に回れば、大体そんな感じになりますわね。
この周りを、決めた歩数分ずつ、左右交互に回ります。
普通は、一つの姿勢を100歩程度で1セット毎に切り替えるようですけれど。
まず、初めの姿勢『起式(きしき)』は、背筋は真っ直ぐ、視線は水平に前。
両手は下腹部の前に、指先を向かい合わせで下に圧するように置きます。
この状態で、腰を少し下げ、円周の外側の足は足先を真っ直ぐに前に、
内側の足先は円周に沿って外側に開く感じで、可能な限りゆっくりと歩きます。
私の御爺様の口癖ですけれど、『基本はゆっくりと正しく』ですわ。
次に、歩きながら腕の姿勢を変えます。
両手を各々左右の斜め前方、肩の高さに差し出し、掌を上に向け、
上体を内側にひねり、視線は内側の掌の先を見ます。
この時の内側の手の先の延長線上に円の中心を置きます。
この姿勢を『大鵬展翅(たいほうてんし)』と言いまして、
このまま、また決めた歩数分だけ、ゆっくりと歩きます。
最後に、歩きつつ上体を円の内側にひねったまま、
円の内側の掌を目線の高さで円の中心方向に返してパラリと開き、
円の外側の掌は内側の腕の肘の斜め下で同じくパラリと開きます。
胸を凹ませて背中を丸くし、目線は内側の掌を通して円の中心を見据えます。
この姿勢を『領手推掌勢(りょうしゅすいしょうせい)』と言います。
両手で太極図を表わすこの姿勢が八卦掌の基本ですわ。
このまま、さらに決めた歩数分だけ、ゆっくりと歩きます。
ここまでが1セットです。
初めの内はこれを繰り返し練習して、
腕を長時間上げていられる筋力と力の入れ加減、
八卦掌独自の歩法を身につけます。
あ、歩く向きを変える時は、前に出した足のつま先を90度程内側に曲げる事で、
上体の姿勢を崩すことなく、素早く向きを反転出来ます。
これを『こう歩』と言います。
逆に、つま先を外側に向ける事を『はい歩』と言いますわ。
これだけをランダムに繰り返して、
八卦掌の動きに慣れるのもいいかもしれませんわね。
では、一緒にやってみましょうか。(にっこり)