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第1回


「どうも、神崎です。予告通り、投げ・関節技の講義の一回目を始めます。今回
は、相方として新堂十萌殿にお手伝いをお願いしています。」
「宜しくお願いします。」
そういって、新堂が礼をする。
「まずは、柔道のお話を少しします。柔道は大別すると二種類のパートに分かれ
ています。投げ技を掛け合う、立ちパート。関節技、締め技をかけるグラウンド
パートとなります。立ちパートでは、関節技や絞め技は禁止になります。他に肘
以外の関節技禁止など他に沢山あるのですが、長くなるので興味ある方は本など
で確認しておきましょう。講習会でも、重要な反則などはおさえていくつもりで
すけどね。」
「あの、そんなことで良いのでしょうか?」
遠慮がちに新堂が助言する。
「うむ、別に柔道講義でもありませんし、大丈夫です。」
神崎に、にこやか言われ、
「はぁ。」
新堂は曖昧な笑みを浮かべるだけった。
「ごほん、で、次は投げ技の大まかな種類のお話ですね。大別して、柔道の投げ
は背負い投げなどの背負い系、大外がりなのどのかけ系、はらい腰などの腰投げ
系となります。巴投げなどは特殊系という感じの大別になります。それでは、簡
単な柔道の説明がおわったので、次は柔術との違いをお話しましょう。では、違
いはどのような技にあると思いますか?」
神崎が新堂に質問をする。
新堂は眉間にしわを寄せ、しばらく、考える。
「えーと、やはり、打撃技があることと、柔道の禁止技の話であった、立ち技か
ら関節技や絞め技があるところとかでしょうか?」
「うむ、その通り。他にも柔道で禁止されている。頭から投げる技や関節を著し
く痛める投げ、関節もありますし。かわず投げなどの柔道で禁止されていること
が全て使えるという点が決定的な違いです。まあ、それでも禁止されている技と
はいえ、知っておくのが良いので、まずは、少し稽古をしながらやってみましょ
う。」
神崎がそういって、道場の試合線まで移動する。
「は、はい。」
神崎の向かいに立つ。
「別に試合でないので、簡単な組みからのかけ稽古をする感じでやってみましょ
う。」
そういうと神崎は自分の奥襟とひき袖をつかませる。
「まずは。」
そういうと神崎は新堂の肘を軽くつかむ。
「ぐっ。」
新堂が苦しそうな声を上げる。
「これは簡単な肘のツボである尺沢(注)を掴んだというだけです。これも柔道
では禁止になるわざですね。それから…。」
自分の袖を掴んでいる新堂の手を神崎が無造作に握る。
「…っ。」
声にならない声があがる。
「これも関節技にあるものです。握っている人差し指をつかみ、手首の関節を内
に捻っているというものです。他にも、相手の鎖骨を掴むなど掴むだけでも沢山
の関節技があります。そして、絞め技も…」
神崎が無造作に新堂の襟を引っ張る。
「…っ。」
ぱんぱんと新堂が神崎の腕を叩くと、神崎はぱっと手を放す。
「けほっ、けほっ…。」
新堂が神崎の袖を放して咳き込む。
「こういう風に絞め技はコツが解っていると小さな力で簡単に締めることができ
ます、特にこういう襟がある胴着などでは襟がしまって、簡単におちることがあ
りますので、練習する時はよう注意するように、しめられたらすぐに負けたとい
う意味のタップ(手を相手の体を三回叩く)をすること、巧く決まると三秒で落
ちますし、慣れれば十秒いないに落とせるようになりますので、練習するときは
一人以上の補助をつけてよく、見て置いて、危険ならすぐに止めること。それで
は、今回の講義はこれくらいにしておきましょう。」
そういって神崎が締めくくると
「けほっ、あの次の講義は何をするのですか?」
新堂がまだ苦しいようだが、そう神崎に聞いた。
「うむ、特に順序だった講義は考えていないですが、次回は投げ技の理論と投げ
技の違いについてやりましょう。」
そういって神崎は講義を締めくくった。

(終わり)

というわけで、久々の講義です。
今回からは内容がハードになる(相方が惨い目に合う)ので毎回相方を変えてい
きたいと考えています。よければ、講義のモルモット、げふん、相方になりたい
人はご連絡をください。老若男女は問いませんので、どしどしどうぞ。


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