第2回
「どうも、神崎です。今日は武術講習会の投げ・関節技の二回目です。今回の相
方は山神千尋殿です。」
「山神です、よろしくおねがいします!」
山神が元気良く挨拶をする。
「今日は投げ技です。相方が千尋殿なので柔道の投げについて講義してみましょ
う。柔道の投げの基本は相手に組み付き、崩し、投げるという順番になります。
それでは柔道での崩しとは何でしょうか?」
そういって、神崎が山神にふる。
「えっ、えーと、相手に組み付いてから前後左右に相手を揺さぶることですか?」
考えながらという感じで山神が答える。
「まあ、そうですね。相手を揺さぶる方法が崩しの基本といって良いでしょう。
崩しの技法にも色々とありますが、今日は崩しの技法は詳しい話はしないでおき
ます。まず、最初の組み方についてです、ここから実際にやりながら説明しましょ
う。では、千尋殿で組んでください。」
「よろしく。お願いします!」
そういうと山神は自然と右手で奥襟をつかみ、左手で袖を掴む。
「千尋殿は自然と、この利き手で奥襟をとり、逆手で相手の袖を掴んでいます。
これが基本の姿勢となります。普通、これのポジションの取り合うところから柔
道は始まります。それでは、技をかけてください。」
そういわれると、山神は素早く奥襟の引き手を引きつけ、すばやく、右足を神崎
の左足に絡める。
ばんと神崎の体が畳に投げられた。
山神の内股が綺麗に決まったのだった。
山神がすっと立ち上がり、胴着の乱れをただす。
神崎も同じように立ち上がり、
「投げ技の受け身でよく、腕を畳に叩きつける人がいますが、危ないのでそうい
うことはしないように、受け身は投げられた時に落ちる面積を増やして衝撃を緩
和する意味でも、多くの面が落ちるときにあるのが望ましいが、腕などを伸ばす
と肘や手首の脱臼をする可能性があるのでしないように。これは毎日の練習でやっ
ているのでしゅうから、詳しい練習方法などは説明が欲しい人がいる場合に個人
個人にやることにしておきましょう。そして、投げる練習ですが、これは巧い人
に沢山投げられると自然とその呼吸やタイミングなどが解ってきますので、巧い
人と多く練習するのが良いでしょう。というところで、今日は柔道の投げ技の基
本を話して終わりにしておきましょう。」
「えっ、今日はもう終わりですか?」
意外そうな顔で山神が聞く。
「はい、今日はこれで終わりにしておきましょう。それとも、もう少しやります
か?」
神崎が笑顔でそういう。
「…あっ、ありがとうございました。」
山神が慌てて挨拶をする。
「ありがとうございました。今度も投げ技の続きをしましょう。」
そういって、神崎が締めくくる
山神が何を感じたかは推してしかるべしである。