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「ねぇランチ、手ぇつないでよ」 PC用のデスクの上にあるキーボードを横によけて。 分解したパーツを広げる。 「毎日毎日、銃の手入れなんかしててバカみたいだって思ってる?」 分解して、磨いて、また組み立てる。 毎日、毎日。 「けっこう重たいんだよね、これ。腰とか…こっちゃって…さ」 パチン。と、手首を振って、グリップを握ったまま、銃は元の形に戻った。 「聞いてる?」 「こっち向けるな」 床に倒したアタッシュケースに、ノート型PCの部品を外した順番に並べて。 顔も上げない。 「聞いてないでしょ」 撃鉄を押し上げる音。 「腰がこるんだろ?」 「その前のヤツよ」 苛つくように、ランチが立ち上がる。 「何? ビビってんの?」 「弾入れてねぇだろ」 「入ってるよ。一発だけ。心配なら全部入れようか」 手を、出された。 ぶたれる…! そう思い、首をすくめる。 「そんなモン握ってちゃ、つかめねぇだろうが」 顔を上げると、広げられた手のひら。 「…なんだ、聞いてたんじゃん」 「聞いてるって言ってんだろ」 銃を、左手に。 右手を差し出す。 一度強く握って、すぐにランチはソファに戻る。 「…何、それ。握手?」 「文句言うな」 「フツー、手ぇつないでって言ったら、違うでしょ」 イスの背もたれに預けていた胸を剥がして。 ランチの足下に歩み寄り、しゃがみ込んだ。 「…照れてるワケ?」 覗き込む。 アタッシュケースのパーツは増える一方。 「バカ言ってんじゃねぇ」 ひざの上のそれはグロテスクな姿で。 触れれば、きっと痛い。 「照れてるんだ。リーダーに言ってやろ」 ランチは顔を上げる。 何かを言おうと息を吸って。 「…その言葉には、反応するんだ?」 吸った息は、重たい溜息となって吐き出された。 「いつまでそこに居る気だ?」 たった一つしか弾丸の込められていない、背中を向ける。 「さぁね…」 運転席へ続く扉を開ける。 「もうすぐ、いなくなるんじゃない?」 扉が閉まる。 運転席に、身体を放り投げ、シートを倒した。 身体の中にある鬱陶しい棘のやり場に困って。 振り上げた踵を、クラクションに落とす。 なんでこんなに、嫌な音がするんだろう…。 足を落として。 左手の銃を、右手に。 銃口は、こめかみに。 指は、引き金を躊躇いもなく、引いた。 |