君の名は


どうして僕はここにいるんだろう。
大義名分は、存在意義を肯定してくれる。
こんな小さな箱の中で、僕は何と呼ばれている?
リーダー。
リーダーリーダーリーダーリーダーリーダーリーダーリーダーリーダー………
だから僕はここにいるのか?
だからここから抜け出せないのか?
僕の作った安定したプログラムの中で、ぐるぐる巡るハツカネズミ。
スプーキーと言う名のハツカネズミ。
僕が作った国。
僕が王様で。
僕が法律。
どっちが本当?
ハツカネズミ?
それとも…
「…リーダー?」
「ん?なんだい?」
背中から、緩やかに回される腕。
「何考えてんだ?」
「…なんにも。ただボーっとしてただけだよ?」
何も解ってないんだろう?
何も解ってないのに、どうしてそんな辛そうな顔をするんだろう。
「…あんまり、遠くに行かないでくれよ」
そんな辛そうな声で。
「どうしたんだい?僕は、ここにいるよ…?」
ここに僕を縛り付ける。
リーダーと呼ばれ、リーダーだと認識する。
可笑しな、話だろう?
小さな国の王様は、ハツカネズミに恋をして、小さな小さなハツカネズミになるんだ。
富も、財産も、権力も、プライドも、全てをなげうって。
ドラマティックな脚色は、存在意義を肯定してくれる。
僕が作ったストーリー。
僕が原作者で。
僕が脚本家。
どっちが本当?
…どっちも本当なんかじゃないよ。
なら、都合の良い方が本当。
都合の悪い物は、皆食べてしまおう。
夢見がちで、消化不良のバグ。
そいつはだんだん大きくなって、一つの名前を名乗るんだ。
桜井雅宏。
僕?
僕はスプーキー。
スプーキーズのリーダーだ。
だから僕は、こう言うんだよ。
「僕は、ここにいるよ」



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