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固まった肩をぐるりと回し、見上げた窓の外には流れ星。 一度小さく首を曲げて、ポケットの小銭を確認して、部屋を出た。 かかとを潰した使い古しのスニーカー。 明け方の空は未だ碧く。 星の見える天井。 僅かに染まる、東の地。 星は夜へ夜へと逃げる。 僕も、逃げよう。 夜に逃げ込んだ流れ星を理由に。 西へ。 寒さの残る、朝。 自動販売機の明かりにフラフラと。 暖かいコーヒーを片手に。 マンション、公園、小学校。 大きな地下駐車場を越えて、ここは団地? はらはらと。 飲み終えたコーヒーの缶のフチには、花びら。 見上げれば、夜を背景に光る桜。 コーヒーの缶を灰皿代わりに。 タバコをくわえ、火を。 ガスライターを掲げて。 舞い落ちる花びらはくるくると舞い上がる。 落ちては昇り、昇っては落ち。 背後から、クラクション。 全身を逆立て驚いて、すごすごと道路の端へ。 車の音は、隣で止まる。 「あんた…何やってんだ? こんな時間に」 どれだけ逃げても、太陽は必ず僕を捕まえに来る。 朝は、必ずやってくる。 幸福な束縛。 とりあえず、しまりのない笑みで。 「ハハ…うん、おはよう」 |