楽園


 求めていた楽園は、遙か遠くの地にあると云う。
 それでも手に入れたくて、私は全てを捨てた。

 捨てたと思いながら、引きずるっているものばかりで、足が重くて前に進まない。
 夜空を見上げても、吹き荒れる砂嵐に飲まれ、叫ぶ声も聞こえはしないだろう。
 枯れたはずの涙は、それでも、あなたを思って流れ続ける。

 いつか、この思いが昇華して。
 楽園の扉を開ける事が許されたなら、その時こそ何もかもを打ち捨てて生まれ変わりたい。
 私に、身を切り裂く程に辛い現実があるように。
 あの人に、夜露を避ける優しいベッドがありますように。

 流れていくのは時の大河。
 この想いまで、木の葉の舟と一緒に流してしまえたら良いのに。
 彷徨い続けて、探し続ける楽園。
 それはこの世の果てに見つける事が出来るのだろう。

 あるいはもしかしたら。
 それはあの人の隣でしか無かったのかも知れないけれど。


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