素直 

 

 

 

 

 

 

 

 

第壱話 出会い


春の朗らかな日差しの中、響きわたる声。
「起立!礼!着席!」
今日もこの声から、朝のHRは始まった。
いつもならば、先生の話があり、そのまま授業に入った。
・・・そう、いつもなら。
「霧島・・・マナです。よろしくお願いします!」
「よろしゅう!」
「あはははははは」

「座席は・・・と、碇君の隣が空いてるからそこに行きなさい」

 数秒後、彼女は僕の方を笑顔で見てこういった。

「碇君・・・ね。よろしく。」
「よ・・・よろしく」

この言葉から・・・僕の新しい学校生活が始まった

1時間目・・・
とても暖かかった。
 外を見ると 校庭の中にある大きなソメイヨシノが 花吹雪を巻いていた。
 その美しさにしばらく心を奪われていた。
 そして 少し目線を下に向けると ガラスを通して見える
 何かを書いている 転校生の姿が・・・

霧島さん、何を書いているのだろう・・・
 一度も前を向いていないから、ノートではない。
 じゃあ、何だろう・・・

・・・くん、碇君!」
「うわっ!」  
 後ろを見ると、背伸びしてる人、おしゃべりしてる人、あくびしてる人・・・
・・・そうか、1時間目、終わったんだ。
そして僕の前には、あの娘 −霧島さん− が居た。
「ど、どうかしたの碇君?」
「い・・・いや、別に・・・
それより、何か用?」
「別に用って用はないんだけど、さっきから、何見てるのかなーって思ってさ」
「外の桜を見てたんだ。今、散ってるからさ」
「あ、本当だ。綺麗・・・
碇君って、桜とか好きなんだ」
「え?・・・まあね」 
「偶然ね・・・私もなんだ。何か碇君とは気が合いそうだね」
「そうかな・・・」
 ここで、チャイムが鳴った。

 二時間目、三時間目、四時間目も、
 鮮やかに散っていく桜に目を奪われ、
 また、「何か」を書いている霧島さんを見つつ、時は刻々と過ぎ、
 昼休みのチャイムが鳴ったときには、大きな裸木(らぼく)と、ピンクの絨毯が目の先にあった

・・・僕は久しぶりに、屋上でお弁当を食べることにした。
   屋上は春の陽気に包まれていた。
   いつもなら、この陽気は、全て僕に注がれていただろう。
   ただ、今日は違った。
   そこには、学校の桜の木を見る、転校生が居た

「霧島・・・さん?」
「あ、碇君。」
「お昼、食べてるの?」
「うん。ねえ、一緒に食べない?」
「あ・・・いいよ」

 僕は霧島さんの隣に座った。
そして、弁当を広げる。
「わあっ!すごい綺麗なお弁当ね。碇君が作ったの?それともお母さん?」
「一応・・・僕が作ったんだ。
 霧島さんのお弁当もすごい綺麗だね。自分で作ってるの?」
「う・・・うん。
 それよりさ、学校の桜、散っちゃったね・・・」
「そうだね。すごい綺麗だったよね。」
「もう、桜、見れないのかな・・・」
「大丈夫だよ。バスで少し行ったところにすごい綺麗な桜の名所、あるから」
「そうなんだ・・・」
それから、授業五分前の予鈴まで、ずっと霧島さんと話してた。

・・・そして教室に戻って、黒板を見たとき

   ・・・思わず顔が真っ赤になってしまった

・・・僕も、

・・・霧島さんも

 シンジ LOVE マナ 
       

 

 

                 ・・・こう黒板に書いてあった

ケンスケ「よっ!ご両人!」
トウジ「まってました!」

  周りから、口笛や、「ヒューヒュー」という声が聞こえてくる。
  トウジ達の仕業だ。
   シンジ「な、何かいてんだよ!」
   トウジ「あれ?一目惚れってやつやなかったんか?」
  ケンスケ「あれ?ちがうの??絶対そうだと思ったんだけどな・・・」
   ヒカリ「ちょっと二人とも!やめなさいよ!」
  

こう言っている内に、昼休みは終わっていった・・・

午後の授業・・・

  ちらっと、彼女の方を見た。
  まだ真っ赤になって、俯いたままだ・・・

  何でだろう・・・何でこんなに霧島さんを心配してるんだろう・・・
  なんだかよく分からない。今までにない感情・・・
  そう・・・

  午後の授業・・・

ちらっと、彼の方を見た。
  まだ真っ赤になって、俯いたままだ・・・

  何で?・・・私、何でこんなに碇君を気にしているの?・・・
  なんだかよく分からない。今までにない感情・・・
そう・・・

    『僕(私)、霧島さんを(碇君を)好きになっちゃったのかな・・・』

  放課後・・・
  「碇君。」
  「あ、霧島さん。」
  「ねえ、碇君、今日・・・ヒマ?」
「え?、・・・うん、一応ヒマだけどどうして?」
  「あのさ・・・この辺に、本屋あるかな?」
  「え?本屋なら学校の近くにあるけど・・・」
「あの本屋、小さくて。もっと大きな本屋」
「まあ、あるにはあるけど」
  「悪いんだけどさ、案内してくれない?」
  「別にいいけど・・・」
「じゃあ、行こ!」
   
・・・霧島さんに引っ張られるままに、僕は学校を出た。
   その本屋では、最短距離だと歩きで10分ほどの所にある。

  「まだ着かないの?」
  霧島さんは少し疲れたみたいだった。
  「もうすぐだよ。」
・・・僕らはかれこれ1時間も歩いていた。
  「ほら、あれだよ。」      
「え!あのビル全部!」
・・・霧島さんが驚くのも無理ない。
   あそこは10階建てで、全てが本屋なんだから・・・
「僕はここで待ってるから、見て来なよ。」
  「うん。そうする。」
  
霧島さんはビルの中へ駆けていった。

   シンジは、霧島さんを見送ってから、悩んでいた。

・・・本当にこれで、良かったのだろうか
   気がついたら、すごい遠回りをしていた
   本当なら、10分でこれたのに・・・

・・・霧島さんには、謝るべきだろうか・・・
   本当のことを言うべきだろうか・・・

   こちらは、本を探しているはずのマナ。

・・・どうしよう、やっぱり言えない。探してる本なんて
   ・・・無かったことなんか、絶対に言えない。
でも、言わないといけないかも知れない。
      わざわざ遠くまで来てくれたのに・・・
本当のこと・・・

  『好きだったから、なるべく長い時間、
       霧島さん(碇君)といたかったなんてこと・・・
                             言えない・・・』

   ・・・1時間が経過して

  「ごめん!遅くなっちゃった。」
  「別にいいよ。さ、帰ろうか。」

   その時、
    ポツリ・・・ポツリ・・・
      ポツ・・ポツ・・ポツ・・
      ザァァァァァァァァァ・・・・・・・・

  「あ、雨だ。霧島さん、傘持ってるの?」
  「ううん、持ってないんだ。」
  「そうか・・・あ、そうだ、ここで少し待っててくれる?買う物があったんだ。」
  「うん、わかった。」
  

・・・しばらくして
  「お待たせ。」
  「え、傘?」
  「うん、僕の傘、壊れて使いものにならなかったこと思い出して、ついでにって思ってね。
   ・・・霧島さん、入って・・・行くでしょ?」
  「・・・うん。」
「じゃ、帰ろう。家まで、送っていくよ。」
  「うん!ありがとう!」
・・・この時、マナは気付いた
   自分の顔が、紅くなっていること・・・
   そして、


       自分のシンジを思う気持ちが、

                     本物だと言うことを・・・

 

 

 

・・・そして、シンジも気付いていた
   自分の顔が、紅くなっていること・・・
そして、

自分が抱いていたマナへの想いが、

                      本物だと言うことを・・・

 

 

 

 

 

 

 

・・・ただ、お互いの気持ちには、

                  結局気付かぬままで、終わってしまった・・・


 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「今日は本当にありがとう。こんな遅くまでつきあってもらった上に
   傘にまで入れてもらっちゃって。」
とうに時間は21時を過ぎていた。
「いや、別に気にしないでいいから。それじゃ、明日、学校でね」
「うん!ばいばい!!」

   こうしてシンジは帰路についた・・・  
    本当のことを言えないままに・・・

   







マナも眠りについた・・・
     やはり、本当のことを、言えないまま・・・



                      ・・・つづく・・・



次回予告
お互いに意識しながらも、素直になれない、マナとシンジ。
   素直になれないマナを、シンジがデートに誘う。
   果たして、二人の恋心は実るのか。

 
                             次回「シンジの勇気」





あとがき
   

   ども、初めまして。Sreinです。皆さん、いかがだったでしょうか。
  はっきりいって、「何だこれは!!」と思っている人が大変多いと思います。
  大変見苦しい文章で、大変申し訳ありません。
  小説書くの、初めてなんで、大目に見てやって下さい。
   見ての通り、マナ×シンジの不器用な愛の物語です。
   もし良ければ、感想、苦情、アドバイスなど、メールで送って下さい。 
この小説のことなら何でも構いません。どうぞよろしくお願いいたします。
   最後になりましたが、こんな未熟ですぐ飽きそうな文章を、
  ラストまで読んでいただき、大変誠にありがとうございました。