素直

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第四話 真夏の海 そして・・・(前編)


 

 終業式も明日に控えて、辺りは、「夏休み、何処行こうか?」の話題一色だった。

 「なあシンジ、夏休み、何処か行くの?」

 そんな中、「2−Aの三馬鹿トリオ」こと、トウジ、ケンスケ、そしてシンジが、

 やはり夏休みのことについて話していた。

  「う・・・うん、ちょっとね・・・」

  「なんやシンジ、おまえって奴は、人がせっかく親切に誘っているというのに・・・」

  「まあいいじゃないかトウジ。で、何処行くんだ?それくらいは教えてくれよ。」

  「・・・うん、親戚の所に・・・(言えない、本当のことなんて・・・)」

  「そっか・・・じゃあ仕方ないな。トウジ、二人で行こうよ。」

  「ま、しゃーないな。」

  「ごめん」

  「いいよ、いちいち謝らなくても。」

 

 

 そうして、別の話題に入る三人。

 一方・・・

 

 

 

  「・・・さん、霧島さん!」

  「あ・・・何?ヒカリ?」

 こちらでは、マナとヒカリが、同様のことについて話している。

  「もう、何じゃないわよ。人の話はちゃんと聞いてよ。

  それでさ、夏休みって、マナ、暇なの?」

  「・・・・・・夏休み・・・か」

 以前のシンジとの約束を思い出して、又ぼーっとするマナ。

  「ちょっとマナ!真面目に話聞いてる!」

  「あ・・・ゴメンゴメン、夏休みはちょっと・・・」

  「そうなんだ・・・どこか行くの?」

  「うん・・・ちょっと、親戚の家にね。(本当のことなんて、言えないよね)」

  「そう・・・残念だな・・・」

  「ヒカリ、ゴメンね。」

  「いいわよ。それよりさ・・・」

 

 少し声のトーンを落として・・・

 

 

  「碇君には、告白したの?」

  「えっ」

 途端に顔が紅くなるマナ。

  「ううん、まだ・・・」

 

 

 マナにとってヒカリは、かけがえのない友達であると同時に、悩み事の相談役でもあった。

  

  「シンジ君って、人気あるからね。早く告白した方がいいんじゃない?」

  「分かってるんだけどね・・・でも、

  そう言うヒカリこそ、彼とはうまくいってるの?」

 

 そして、ヒカリの顔も途端に紅くなる。

 

  「私は・・・別に・・・鈴原なんかとは・・・」

  「あっれぇー、私、鈴原君なんて、一言も言ってないんだけどなぁ・・・

 しまった!と思って下に俯くヒカリと、それを見て、くすっと笑うマナ。

  「マナの・・・イジワル。」

  「イジワルなのはお互い様。これで貸し借りはナシよ。」

  「そうね」

 

 

 

 そんな会話も続き・・・放課後、

 シンジはマナと一緒に帰ってる。

 

 

  「ねぇ、今日寄ってかない?あの事もあるし。」

  

 「あの事」とはもちろん、例の旅行計画のことだった。

  「そうだね、そろそろ決めておかないとまずいか・・・」

 

・・・んで、マナの家。

 

 

  「・・・でさ、とりあえず青森の知り合いに連絡したら、構わないって言ってた。」

  「こっちの海の家も大丈夫だって。」

 

 

 ・・・このようにして話し合った結果、

 

  「今までのことをまとめると・・・

   出発は終業式の次の日。集合時間は8:00に第三新東京駅の銀の鈴。

   まず、新千葉へ行って、海の家で一週間、

   それから、青森へ行って、牧場で一週間、

   最後に、アテのない旅を一週間、

   計21日間の旅・・・で、いいのかな?」  

  「うん、全然オッケー。」

 こうして、全ての計画は整ったのだった。

 

 

 

 

・・・そして、二日後・・・

 

 

 

  「おはよう!マナさん。」

  「おはよう!シンジ君。

   わぁ!でっかい荷物だね。」

 シンジは、この日のために、キャンプ用具一式(テント含む)を買っていたのだった。

  「うん、ちょっとでかすぎたかな・・・」

 そう言いながら、頭をポリポリ・・・と掻くシンジ。

  「じゃ、行きましょうか。」

 

 

・・・電車の中にて、

 

 電車の中は以外に空いていて、この車両に限っては、シンジ、マナの二人しかいない。

  「シンジ君、新千葉の海って、どんなとこ?」

  「そうだね・・・あんまり知られてないから、来る人も少ないけど、すごい綺麗な海だよ。

   それに、海の幸もすっごいおいしいし、自然も残ってるし、何よりも、静かなんだ・・・」

  「ステキね・・・」

  「駅に着いたら、知り合いがむかえに来るって言ってた。」

  「その『知り合いの人』って、どんな人?」

  「僕の従兄弟で、すごい優しい人だよ。」

  「ふーん・・・」

 

 

 このような会話をして二時間、

  「あ、この駅だ。降りよう。」

  「うん!」

 

 そこはまさに、大自然の宝庫と言うべき場所だった。

 そして、

  「よっ!久しぶりだねシンジ君。ずいぶん大きくなったな。」

  「あっ!シゲルさん。」

  「いやー、正直驚いたよ。いきなり連絡よこすんだもんな。」

  「すいません、シゲルさん。」

  「ま、いいってことよ。それより、後ろの彼女は?」

  「初めまして、霧島マナです。」

  「シンジの従兄弟の、青葉シゲルです。よろしく。

   ・・・シンジ君の彼女?ずいぶん可愛い子じゃないか。」

 それを聞いた途端、二人の顔が紅くなる。

  「ち・・・ち・・・違いますよ!ただの友達ですよ。」

  「まあ、そうムキになるなよ。さ、行こうぜ。」

 その様を見て、笑いだすシゲル。

 すでに二人の顔は、耳まで紅くなっていた。

  

 

 

  三人を乗せた車は、山道を進んでいた。

  「この辺って、まだ自然が残ってるんだ・・・」

  「綺麗なモンだろ?この辺の木は、ほとんどが樹齢600年を越えている

   老木ばかりなんだ。」

  「そうなんですか・・・」

 

  マナはしばらく、その美しさに魅入っていた・・・

 

 

  「・・・ほら、もうすぐ海だ。」

 

 そう言った瞬間、一気に視界が開けた!

 

  「うわぁぁぁっっ!」

 

 

 思わず声を上げたマナ。

 

 そこには、眩いばかりの砂浜と、真っ青な海が歓迎していた。

  「8年前と、全く変わってませんね。」

  

  「そうだな・・・あれから全く変わってない。

   ここはずっとこのままでいてほしいものだな・・・」

 

 

  「とうちゃーく!」

 

 海を改めて眺める。

 都会では想像できないくらい、ここの空と海は青かった。

  

  「シンジ君!よく来たわね!」

  「あ!伊吹さん!」

 それをみて、マナがむっ、とする。

  「シンジ君、この人は?」

  「あ、マナは知らないんだっけ。ここでバイトしている、伊吹マヤさん。」

  「伊吹マヤです。よろしくね。」

  「霧島マナです。よろしくお願いします!」

 

  「結構似合いのカップルだと思わないか?マヤ。」

  「本当。シンジ君も隅に置けないわね。こんな可愛い彼女を連れて来るんだから。」

 再び、顔が紅くなる二人。

  「で、どこまでいったの?二人の関係は?」

 

  「「そんなんじゃありません!!」」

 見事にユニゾンする二人。

  「そう言う青葉さんも、伊吹さんとどこまで行ったんですか?

   さっきなんて、抵抗無く『マヤ』なんて名前で呼んだりして。」

 すかさずやり返すマナ。

  「え!?ひょっとしてまさか!」

 さらにシンジが追い打ちをかける。

 

 

 今度はシゲルとマヤが紅くなる番だった。

 

 

  「まぁ、それはそうとして・・・

   シンジ君、マナちゃん、荷物、持ってってあげるよ。

   マヤ、シンジ君達の部屋に案内してあげて。」

 

  「はーい!」

 

  そして、海の家に着いて・・・

 

   マナ「この浜って、何でこんなに綺麗なのにだれも来てないんですか?」

   マヤ「ここはね、村の人たちの計らいで、あまり言いふらさないようにしよう、っていうことになってるの

      ほら、昔は綺麗だったけど、観光客が来るようになってから汚くなった海って、よくあるじゃない。」

  シンジ「へー、それは僕も知らなかった・・・」

   マナ「しゃあ、何でそんな秘密の地に、海の家があるんですか?」

   マヤ「ここも本当は元々海の家じゃ無くって、漁師さんの休憩場所だったの。

      でもいつの間にか海の家になってたわけ。」

   マナ「そうなんですか・・・」

 

   マヤ「あ、着いたわ。この部屋よ。

      あと・・・二人には悪いんだけど・・・」

 

 

  シンジ「どうかしたんですか?」

 

   マヤ「この部屋を、二人で使ってね。」

 

 

 しばらく状況がつかめず「はぁ・・・」と答える二人。

・・・しかし、次の瞬間・・・

 

     「「ふ・・・二人一緒ぉぉぉぉぉぉぉっっ!!ど・・・どうしてですか?」」

 

 見事にユニゾンした二人。

   マヤ「ここしか、空いている部屋がないのよ・・・

      まさか連れてくるのが女の子とは思ってなかったものだから・・・ごめんなさいね・・・」

    

  シンジ「はぁ・・・・・・」

 

   マナ「ま、しょうがないじゃない。ただで泊めてもらえるんだから・・・」

 

  シンジ「それもそうだね。」

 

  マヤ「じゃあ、困ったことがあったら、何でも私か、シゲルに言ってね。

     それと、二人とも疲れてるみたいだし、今日はゆっくり休んで、明日から海で遊びなさいよ。」

 

 

 

・・・さあ、このあとの運命やいかに!?

 

 

                                          ・・・・・・中編へ続く・・・・・・


 

あとがき

 

 ・・・Sreinですうぅぅぅぅぅぅぅっ。

おかしいな・・・こんなつもり無かったのに・・・いったい何処でこうなってしまったのだろうか・・・

ま、書いたものは書いたものとして、多分自分の欲望が・・・(笑)

それから、感想のメール、どうも有り難うございました(^^)。

うーん、やっぱりいきなり接近しすぎだろうか・・・この二人・・・

まあ、書いてしまったのは書いてしまったものとして、次回からは気をつけます(^^;)

あと、「おいしいシーンを流しすぎ」と言うアドバイスもきていたので、その辺も善処します。(*^^*)

では、又後編で会いましょう。(え、遭いたくないって?それはごもっとも・・・かも)