涙の降る夜(THE HOLY CHILDRENの後)
霧龍 要瑪
 あのミッションから数日が経ったが、一向にケンは立ち直ることができないでいた。
 「・・・シ・・・スター・・・」
 天宮 薫子の子守り歌がケンの耳にこびり付いて離れなかった。それを振り払おうと首を横に振ってはみるが聴こえ続けた。
 「・・・シスター・・・」
 ケンはベッドの上で耳を塞ぎうずくまって涙を流していた。
 「ケン君、入るよ。」
 オミは食事を片手にケンの部屋に入って来た。
 天宮 薫子の歌声を聞かないようにしているケンはオミが部屋に入って来たことにも気づかず、反応もしなかった。オミは冷めてしまった朝食と今持っている夕食を置き換えた。ケンはまったく食事に手を付けず、水すらも摂っていないようだった。
 「ケン君・・・食事してよ!身体壊れちゃうよ!!」
 オミはケンの肩に手を置いて揺さぶった。
 「・・・」
 「ケン君!!!」
 ケンはオミの顔を見上げた。ケンは少し痩せていた。泣いていたケンの顔は涙でぐちゃぐちゃに なっていた。オミはそんなケンを見てどうすることもできなかった。ケンは目の前にいるのがオミだと判ると天宮 薫子の歌声に惹かれそうな自分を止めようと必死になった。オミはいまのケンに何を 言っても仕方がないと判り、冷めきった朝食を持ってケンの部屋を後にし、店に戻った。
 「ケン君がまたいな〜い!」
 店ではケンを目当てに来ていた女の子達が騒いでいた。
 「うるさい!買わないんだったら帰れ!!」
 店頭にたまるだけの女の子達に邪魔だと言ってはみるが、余計に五月蝿くなるばかりだった。店に出て来たオミを見て、女の子が走って来た。
 「オミ君、ケン君はどうして店に来ないの〜?」
 「えっ、ケン君はちょっと・・・」
 流石に殺しをやって自己嫌悪をに陥ってるとは言えず、かと言ってまったく違う理由を言うわけにもいかず、オミは黙ってアヤとヨージを交互に見た。
 ヨージはアヤに近寄り、ケンの部屋に行って来ると告げて引き上げて行った。
 ヨージはケンの部屋のドアをノックし、部屋に入った。ケンは相変わらずベッドの上でうずくまっていた。ヨージは溜め息を一回すると腕を組んだ。
 「ケン、いつまでもウジウジしてんなよ。」
 ケンはヨージの言葉に耳を傾けなかった。ヨージはケンの隣りに座り、ケンの肩を抱き締めた。そしてケンの手の甲に口づけた。ケンはヨージの腕で思いっきり声をあげて泣きじゃくった。ヨージはケンの頭を優しく撫でる。
 「ケン。」
 ヨージは優しく呼びかける。ケンも泣ききったのか、ヨージの顔を見上げる。ヨージはケンの目の下にクマができていることに気がつくとケンに寝るように言った。
 「寝たいけど、寝られないんだ。シスターが・・・シスターが俺を呼んでるみたいで・・・寝るのが怖いんだ・・・」
 ケンは肩を震わしながらまた泣き出した。ヨージはケンをここまで追い詰めている天宮 薫子が許せなかった。ヨージはケンを強く抱き締めた。
 「安心しろ。俺がお前の側にいる。俺が天宮 薫子から護ってやる。だから今は安心して寝ろ。」
 ケンはヨージの言葉に安心感を持った。ケンはここ数日間、まともに睡眠を取っていなかった。そのせいだろう。ヨージに肩を抱かれながらヨージの胸で眠った。ヨージはケンがよく眠れる事を願うことしかできない自分を呪った。ケンが悪夢に捕まらないように、ヨージはケンの額に口づけた。

 数時間後、ケンは目を覚ました。
 「おはよう・・・と言っても、もう夜だけどな。良く眠っていた。悪夢は見ずに済んだのか?」
 「あぁ。久ぶりにシスターの夢を見ないで安心して眠れたぜ。ヨージのおかげだな。」
 ヨージの願いが届いていたのか、それともケンが心を許しながら眠ったからなのか、ケンは良く眠ることができていた。
 「そりゃぁ、良かったな。」
 ヨージは突っぱねるように言ってソッポを向いた。ケンはヨージに『ありがとう』と言葉にできず、口づけをしてまたヨージの顔を見つめた。
 「愛してる・・・ヨージ。」
 ケンはヨージに口づけた。ヨージはケンの口づけに応じ、そして更に深く口づける。ケンはヨージが送ってくる唾液を飲み下す。角度を変えながら、更に深く深く口づける。下を絡め強く吸い上げそして歯を立てた。ケンは口づけだけに耐えられなくなった。
 「ヨージ・・・しよう。」
 ケンはヨージの首に腕を回しそのままベッドに倒れた。ヨージはケンを潰さないように両手で自分を支えた。ケンは顔を近づけ口づけた。ヨージ葉口づけに応えながらもケンの服を脱がした。ケンの身体をヨージは撫で回した。
 「あ・・・っ・・・」
 ケンはヨージの下で喘いでいた。ケンはヨージの服を脱がした。そしてヨージの高ぶりを直に感じ、そして触れた。ヨージもケンの高ぶりを丁寧に大切に扱った。
 「う・・・っ・・・ヨー・・・ジ・・・もう・・・もう出る・・・」
 行為が久し振りだったせいか、ケンはイく寸前だった。ヨージはケンを口の中に含んだ。
 「!!」
 ケンはヨージの中でイった。ヨージはケンの出したモノを美味しそうに飲みきった。ケンは早くイってしまった自分を恥ずかしく思ったのか顔を両手で隠した。ヨージはそんなケンに苦笑した。ケンの両手をどかし、口づける。
 「カワイイ顔、隠すなよ。」
 ヨージはケンの耳元で口説き文句を言った。ケンはヨージの声が腰に来て顔を赤くさせ、また両手で顔を隠した。ヨージはケンを揶揄うように身体中に口づける。ケンの両足を開く。
 「・・・ヨー・・・ジ・・・焦らすな・・・よ・・・」
 「焦らしてねえ〜よ。久ぶりだから慣らしてやってるだけだぜ。もうちょっと待ちな、ケン。」
 ヨージは自分の唾液とケンの精液で濡れた指をケンの中に1本入れた。久ぶりのせいかケンはヨージの指1本でも痛がった。ヨージは痛みで萎えてしまったケンを口の中で慰めた。それと同時に指を入れたり、出したりした。それに慣れてきた頃に指を2本に増やした。ケンの身体は後ろでも快楽を感じるようになった。ケンは後ろだけでイった。
 「・・・ヨー・・・ジ・・・は・・・早く・・・入れて・・・くれ・・・よ・・・」
 何度もイかされたせいか、ケンは疲れていた。ヨージもそろそろ限界か、ケンの中に自分の高ぶりを入れた。
 「・・・う・・・っ・・・うわぁ〜〜!!」
 ヨージはケンの髪の毛をすいた。ケンはヨージの肩に自分の痛みを訴える様に爪を立てた。
 「いてッ!ケン、もうちょい緩めろ。いて〜よ。」
 「・・・そんなこと・・・言われても・・・俺も・・・痛いん・・・だよ。」
 「慣れるまで動かないでいてやるよ。」
 柔らかくヨージは笑った。ケンは息を整え、力を抜いて、軽く抱き直す。ケンは繋がっている部分を手で確認するように触った。ヨージもケンの手を追い駆けるように繋がっている部分に触れた。
 「動かすぞ。」
 「・・・うん・・・」
 ヨージはゆっくりと腰を動かす。ケンも腰を振った。
 「気持ちいいか??」
 「・・・んなこと・・・聞くなよ・・・」
 テレて顔を真っ赤にしたケンとは裏腹にヨージは余裕の顔だった。ヨージは意地悪そうにもう一度聞いた。
 「気持ちいいか??」
 「・・・ヨー・・・ジの・・・意地悪・・・」
 ケンは何度も聞かれるのが恥ずかしくなり、縦に首を振る。ヨージはケン愛しさに力強く抱き締めた。余裕そうに見えるヨージもすでに限界が近付いていた。ヨージは激しく腰を動かした。ケンはいきなりの行動をされて驚いたが、すぐにそのリズムになっていった。
 「・・・ヨー・・・ジ・・・もう・・・ダメ・・・」
 「俺も、もう限界だ・・・一緒にイこうな・・・」
 「・・・ヨー・・・ジ・・・ヨージ・・・」
 「ケン・・・ケン・・・」
 ヨージに力強く抱き付きながら名前を呼ぶ。ケンを抱き起こし更に激しく動きながら、ケンの名前を呼ぶ。
 2人の息が同時になった。そして同時にイった。
 「・・・ケン・・・愛してるぜ・・・」
 「俺も愛してる・・・ヨージ・・・」
 その一言を言うと2人は同時に意識を飛ばした。

 最初に目が覚めたのはケンだった。ケンは、窓の外を見つめた。東京の空は星一つ見えていな かったが、月が大きく輝いていた。
 月を何時間、見つめていたのだろうか。ヨージがさり気なくバスローブをケンにかけた。それに気がつきケンはヨージがいる方向に振り替える。
 「何やってるんだよ。風邪ひくぞ、バカ・・・」
 「ヨージ・・・月がキレイだったから見ていたんだ。」
 月をもう一度食い入るように見つめた。ヨージもそれにつられて月を見た。月を見ているケンの横顔をヨージは見とれた。
 「月よりもキレイだぜ、ケン。」
 ケンは真っ赤になった。ヨージを見ないで月を見つめた。後ろから冷え切ったケンの身体をヨージは力強く抱き締めた。ケンはヨージの手を握り締めた。
 「つめて〜身体して・・・何時間起きてたんだよ。ったく、バカな奴だな。」
 「月に見とれてたんだ・・・時間を忘れるくらい。」
 「キレイだからって、月ばかり見とれてるんじゃねぇ〜よ。」
 ケンの肩に顔を乗せ、拗ねた声で言った。
 「くす、くすっ!」
 「なっ、何笑ってるんだよ。」
 ケンには見えていないだろう、ヨージの顔が赤くなり、冷静に振る舞ったつもりでも声が上ずっていた。
 「くすっ・・・ヨージ・・・テレちゃって可愛いんだ。」
 「うっ、うっせ〜!」
 ヨージはケンから離れて、冷蔵庫の中からビールを取り出し、一気に飲んだ。
 「ぷっは〜!やっぱりビールはうめ〜!」
 ヨージはテレ隠しのために飲んだビールの缶をベッドの脇に置き、ケンを抱き締めた。ケンの視線が自分の方に向くようにと顔を自分の方に向けた。
 「月に見とれてるなよ。お前は俺だけを見てればいいんだ・・・」
 「・・・ヨー・・・ジ・・・」
 月光で輝くケンにヨージは見とれ、ケンも月光の輝きで、より美人に見えるヨージの顔に見とれた。ヨージはケンに口づける。
 「愛してるぜ、ケン。」
 「俺も・・・」

 翌日、ケンは店番をするために下に降りて来た。オミは元気になったケンの姿を見て喜び、アヤがやっと戻って来たかと溜め息をついた。そして店は何時ものように賑やかになった・・・

涙の降る夜 [終]

一言;とても難しい・・・というよりもとても恥ずかしい気分でいっぱいです。こんなモノを学校で書いていたなんて考えて見ると今では顔から火が出そうです・・・ヨージがとても優しくなってしまったのがちょっと残念でした・・・もっと鬼畜にするつもりだったのに・・・(-_-;)
BY 霧龍 要瑪


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