98年度春季リーグ戦記

98年度春季リーグ戦記


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 個人戦では東大の今村氏に負けてまたしてもベスト64を逃したが、リーグ戦には十二将として
登録されることとなった。「登録メンバーは最低一試合は出場させる方針でいく」という細川主将
の言葉を信じて出番を待つが、一日目、二日目は私の出る幕はなし。東大と慶応が星を落とすなか、
早稲田は順調に全勝で最終日を迎える。
 ここまでくれば応援に徹するのみと私は考えていたが、集合場所の駒沢大学駅で私は細川主将よ
りこう伝えられた。
「阿部さんが就職活動で午前中来れないようなので、慶応戦にはお前を出す」
 まさに青天の霹靂とも言うべき出来事であった。

 メンバー表交換の時間になった。阿部さんは来ない。オーダーは上から、細川、川合、片山、岡
安、田中大司、田口、そして私である(敬称略)。
 十二人登録されている中での十二人目であるから、私は七将が確定している。慶応の七将には今
まで高野君か有富君が入っていた。この二人相手なら冷静にみて勝負は互角。
 だが、ふたを開けてみると慶応の七将は古田君であった。高野、有富の両者とも不調であったか
ら、あとから考えてみれば当然と言える采配なのだが、意表を突かれて少なからず動揺する。
 そして私のデビュー戦がはじまった。

  そして気がつくと私のデビュー戦は終わっていた。棋譜はあえて載せない。ただ、序盤早々に歩
損になる手を指してしまい、さらに中盤の入り口で致命的なミスを犯し、一度も形勢が私に傾くこ
となく敗北を喫してしまった。
 直前に隣で田口が投了するのを目にし、さらにその隣では大司が明るい声で感想戦をやっている
ので奴は勝ったのかなと思ったら実は負けていた。私が投げた時点でチームの負けも決定し、最終
的には2対5で早稲田負け。だがまだ東大との直接対決で勝てば優勝である。
 阿部さんが会場に姿を現したので、私が抜けて大将に阿部さんが入るオーダーとなった。だが、
東大にも同じく2対5負け。優勝どころか3位に終わってしまった。

  悔しさはなかった。ただ、せっかくのデビュー戦を、おそらくは最悪の内容で終えてしまったこ
とは残念だ。次の機会があるとしたら、このような惨敗だけは避けたい。
 最後になったが、ベスト64にも残っていないような人物を大事な慶応戦で使ってくれた細川主
将には感謝している。