「・・・・・・・・・いれて・・・・・・・・・」
委員長――保科智子が俺を見つめて言った。 正直、俺は戸惑っていた。 彼女の言う通りに
するべきなのか、それとも拒否するか・・・・・・。 いや、もう答は決まっていた。
「・・・・・・・・・・・・いれたけど、どう・・・・・・?」
ガラにもなく俺は変なことを聞いてしまう。
「・・・・・・上手いんやね・・・・・・」
「まぁ、な。 あかりに――・・・・・・、いや、何でもない・・・・・・・・・」
この際だ。 あかりのことは忘れよう。
「・・・・・・フフ。 神岸さんから教えてもろたんやね・・・・・・。 ええよ、別に隠さんでも」
「そうだな・・・。 でも、本当に・・・・・・いいのか・・・?」
やはり心のどこかで『やめときゃよかった』と思ってしまう。
「ええんよ・・・」
委員長の声は艶っぽく、でも何処か暖かかった。
「なぁ、起きてるか・・・・・・」
「・・・・・・うん・・・」
時計の針は午前3時20分を過ぎていた。 あれから2時間ほど経っている。
「眠れないのか・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・うん・・・」
「委員長って、案外好きなんだな・・・・・・。 まだ欲しいのか?」
「からかわんといてや・・・・・・もう・・・・・・」
「冗談だって。 でも、やみつきになるなよ〜」
「・・・・・・なりそうや・・・・・・」
委員長は悪戯っぽくフフッと笑った。
翌朝、二人は昼近くまで寝ていた。 あの後―結局寝たのは朝の5時近くになってからだった。
委員長はシャワーを浴びて、その後一緒に軽く昼食を食べた。帰りがけに委員長が
『また・・・・・・泊めてや・・・・・・』
なんて耳打ちしてきた。
「そんときも、また・・・・・・」
「うん・・・。 いれて・・・」
お互い顔を見合わせて微笑み合う。
「じゃ・・・また、学校で」
「うん・・・」
その後――俺たちは毎週というわけにはいかないが、それでも、1か月に一度くらい週末を
一緒に過ごすようになった。 相変わらず智子はねだってくる。
「ねぇ、は・や・く・いれてぇな」
「はぁいはいはい。 そんなに急がせないでくれ」
そして俺は淹れてやる。 リクエストのコーヒーを。 〜完〜