「・・・・・・マルチ・・・・・・」
「あっ・・・・・・」
「どうだ、いい気持ちだろう」
「は・・・い。 あっ・・・・・・・・・・・・ぅう・・・・・・も・・・もう少し・・・やさしく・・・・・・」
「ん? あぁ、悪い。 ・・・・・・こんなもんか?」
「あぁ・・・・・・」
マルチはうっとりした声を出す。
『しかし、来栖川の技術もたいしたもんだ。 ここまでリアルな声を・・・・・・』
「・・・・・・すいません。 いつもは私がご奉仕しなければならないのに・・・」
「たまには俺からもやりたくなるんだよ」
「そ・・・そんなものでしょうか・・・、あっ・・・・・・浩之さんそんなに・・・・・・・・・あぁっ・・・ん・・・」
「ふふふ。可愛いのう。 こんどは・・・・・・、ここだ!」
俺は手を休めない。
「あうっ・・・あ・・・あ・・・・・・浩之さ・・・・・・ちょっ・・・あ・・・・・・んっ・・・・・・」
マルチの体がガクガク揺れる。
「あ・・・はぁ・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・そんなふうにされたら、私、私・・・・・・・・・・・・ああぁっ・・・・・・!」
プシッ!
『ヴイイイイィィィィ・・・・・・・・・・・・ン・・・・・・』
「あ・・・やべっ!」
ヒューズが飛んでしまったらしい。 少々やりすぎたかな・・・・・・・・・。
30秒後――マルチは目を覚ました。
「・・・う・・・ん・・・。 ぁ・・・ああぁっ! すいません、すいません、すいませ〜〜〜ん!!」
「いいって。 俺も悪ふざけしすぎた。 ごめんな、マルチ」
そう言ってから、頭をなでてやった。
「しかし・・・・・・」
「はい、何でしょう」
「あ・・・いや、肩まで凝るロボットだったとは・・正直びっくりしたぜ」
「そうですよね・・・。 こんなんじゃ、私、メイドロボとして失格ですよね・・・・・・。 御主人様に迷惑をかけて・・・・・・。
妹たちにはこんな邪魔な機能はついていないんですが・・・」
「何が邪魔なもんか。 むしろ、俺は、そういうの好きだぜ。 なんか・・・・・・マルチにだけしてもらえるんじゃなくて、
こっちからも何かしてあげられる――そういう関係って、お互いをいたわれていいじゃねーか」
「はあ・・・・・・」
「それに・・・・・・、お前を作った開発スタッフも大事に扱って欲しいからこそ、敢えてその機能を付けたんじゃ
ねーのか・・・・・・。 言うなれば、親が子供に与える愛情――なんだと思うぜ。 だから、俺もその愛情に
こたえなきゃ・・・な」
「浩之さん・・・・・・あの・・・・・・言ってもいいですか・・・・・・?」
「ん・・・・・・何だ?」
「私、浩之さんが大好きでした! でも・・・・・・今は・・・・・・もっともっと大好きです!」
「・・・・・・俺もだぜ、マルチ・・・・・・っと、さて、続きやるぞ。 ほれ、肩出しな」
「あっ、いいです。今度は私が・・・・・・」
「駄目だって。 お前はデリケートに出来てんだから。 5分そこらじゃ十分ほぐれねえだろ」
シリコンの肌に手を掛ける。
「今度はやさしくするからな・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・・」
マルチのぬくもりを感じながら、・・・・・・俺は幸せだった。
〜完〜