第9話:いけない手料理

 

その日は一日中だるかった。 朝飯もほとんど喉を通らなかった。

(って言うか毎日ろくなモン食ってねえからなぁ)

ビタミン不足かなぁ・・・・、などとけだるい午後の授業中に考えていると頭の中が真っ白けになった。

「え・・・?」

がたん!

俺はどうやら・・・・倒れてしまっ・・・・たらし・・・い・・・・。

 

「・・・・・う・・・・ん・・・・・」

目を覚ますとそこは保健室だった。 隣には・・・・・あかりがいる・・・・・・。

「今・・何時だ・・・」

「・・・5時だよ、・・大丈夫? 浩之ちゃん・・・起きられる? 帰れる?」

「あぁ・・・」

そして俺はあかりと一緒に帰った。 帰りの途中、

「浩之ちゃん、ちゃんとご飯食べてるの? 顔色悪いよ・・・」

さすがにあかりの前では嘘ついてもしょーがねぇか・・・。

「最近、調子悪いんだよ・・・ハハ・・・ビタミン不足かもな・・・」

「やっぱり・・・ちゃんとしたもの食べてないんでしょ・・・。 分かった。 今夜私が作りに行ってあげるよ。

 栄養がつくような晩御飯にするからね」

こう見えてあかりは言い出したら聞かない。

「あぁ・・・頼むわ・・・」

 

その夜、あかりが飯を作りに来た。

 

トントントントン・・・・・・

 

『お帰り、浩之ちゃん』

『ただいま・・・って、いい加減浩之ちゃんはやめろよ、もっと別の呼び方があるだろ?』

あかりはカーッと赤くなった。

『えと・・・じゃあ、あ、あなた・・・お風呂にする? ご飯にする? それとも・・・あ、あたしに・・・する・・・?』

『フ、フフフ・・・お前じゃあぁ! あかりいいいいぃぃぃ!!』

がばっ!

『あ! ・・・ひろゆきちゃん・・・・あぁ・・・・・んっ・・・・・』

 

・・・あぁ・・・俺は何を妄想してんだ・・。 欲求不満なのかなぁ・・。 ←そーです

そうこうしているうちに晩飯ができた。 やはりいつ見ても旨そうだ。

「いただきま〜す」

もぐもぐ・・・むしゃむしゃ・・・がつがつ・・・

「おい、あかり? また料理上手くなったな・・・」

「うふふ、そう? 今日は浩之ちゃんの大好物とスタミナ料理だからね」

なるほど・・・だからこんなに食が進むのか・・・レバニラにギョーザにモロヘイヤのサラダに・・・って、

改めて見るとすげぇ献立だなぁ・・・こりゃ、嫌でもスタミナが付くぜ・・・ いかん・・・ムラムラしてきた・・・

さっきの妄想のせいだぁ〜。

「デザートにはグレープフルーツにヨーグルトをあえたのだからね。 体力の維持にとってもいいんだって」

「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 ←かなりキてます

「どうしたの? 浩之ちゃん、不味かった・・・・?」

「いや・・・とても・・・マジで旨かった・・・だから・・・俺・・・俺・・・」

「・・・? なあに、浩之ちゃん?」

あかりが俺の顔を覗き込む。 距離20p。 もう・・・だめだ・・・。 溢れ出る感情を抑え・・・切れねぇ・・・。

←カッコつけてるけど実は襲いたいだけ

「元気になった俺を見てくれえええぇぇぇ!!!!」

部屋の電気のスイッチまでダッシュ! 素早くOFF!! あかりのいる場所めがけて

(料理に気をつけて)ジャンプ!!!

「あぁぁぁかぁぁぁぁりぃぃぃぃ!!」

 

ごち。 ←床に激突

 

「・・・何やってるの? 浩之ちゃん・・・」

 

・・・ちくしょー・・・こーゆーオチかよ・・・(何となく分かってたけど・・)

                                              〜完〜 

 

――戻りますぅ――