電脳戦機バーチャロン〜Oratorio Tangram〜
〜幼い頃の夢をのせて電脳世界へダイブ〜



 電脳戦機バーチャロン。我々が幼い頃にブラウン管の向こうに憧れた、あの”巨大ロボットのパイロット”となり、愛機を駆って迫り来る敵を迎え撃つ・・・。男であれば、1度は夢見たであろう(筆者は未だに夢見続けている(笑))想いを、たった1コイン(もしくは2コイン)で叶えてくれるこのゲーム。これだけで、プラス20点は固いでしょう。←100点オーバー分はこれです(笑)。

 一応、知らない人(居るのか?)の為にゲームの紹介から・・・。このゲームは、2本のレバーと4個のトリガー、そして両レバーの間のボタン(本来はスタートボタンだが)を駆使して自機を操り、様々な3Dフィールドにて待ち構える敵機と戦うゲームで、ゲーム的には、いわゆる”対戦格闘”と同じジャンルのゲームです(”格闘”ではないが・・)。

 前作”オペレーション・ムーンゲート”と初めて出会ったのは、都内の会社に転勤して初めての冬。まだあまり慣れない土地のゲーセンで、このゲームに出会ったときの衝撃は、正に、筆舌に尽くし難いという言葉のままでした。

 その衝撃、バーチャロン・シリーズの魅力は、大きく4つありますが、その最大の魅力は”リアルである”ということと、”爽快である”ということ、そして、”自由である”というそれまでの常識では、(技術面等から)全てを成立させることは不可能と思われていた3つの要素を、全て、高いレベルで表現出来ている所にあると思います。これまでも、似たようなコンセプトのゲームは、昔から何作かは出ていました。しかし、そのいずれも 前述の要素のいずれかを立て、残りの要素を殺していたか、もしくはその全てが中途半端なゲームになっていたかと(筆者の知る限りでは)思います。

 まず”リアル”であるということ。これは、ゲーム性には直接的な関係ありませんが、ゲームの魅力を支える重要な要素であると思います。キャラクターであるバーチャロイドにしても、カトキハジメ氏の”格好良い”だけでなく、”いかにも近未来的にありそうな(そうじゃ無いのもあるが(笑))”デザイン。キャラクターや世界観を支える情報の数々(情報量が多い=リアルである、ということではありませんが)。どれも、知らない(もしくは覚えない)事で、ゲームの面白さが損なわれることはありませんが、知っていれば、より魅力的になるはずです。

 次に”爽快”であるということ。これは第一に、操作性の良さがあります。コントロールパネル自体は、レバー1個+ボタン数個の通常のゲーム筐体に比べ少々特殊ですが、理解しずらいという事はなく、デモ画面の操作要領を見れば、すぐに思い通りに操作できるようになれると思います。そして第二に各バーチャロイドのアビリティバランスの良さが抜群であることが挙げられます。各バーチャロイドの性能は千差万別であり、バランス型 のテムジンを除けば、凶悪な攻撃力、堅牢な防御力、俊敏な機動力、多彩な攻撃手段、変幻自在な特殊能力など、何かに秀でています(その分他が劣っている)。組み合わせによって、キャラクター毎に有利不利な感じはありますが、それは絶対的なものではなく、このゲームに関しては、技量によってはその優位性が逆転します。その、タイトロープ的なアビリティーバランスの中で、長所を駆使し、また、短所を補って勝利したときの爽快感は、いままでの対戦ゲームでは得られなかったものだと思います。

 最後に、”自由”であるという事。これは、操作性に通じるところもありますが、操作に関する制限が少ない、という事になります。空を飛ぶ事は出来ない(一部例外を除く)ものの、歩く、走る、しゃがむ、跳躍する、等の基本動作が、自在な操作性やクオリティの高いグラフィックを損なわずに、それを可能にするシステム(総3Dのフィールドやキャラクターや、さらに、それを支えているプログラムなど)がしっかりと出来ていなくては、この自由度は得られないものでしょう。

 一作目にして、すでにこれだけの魅力を兼ね揃え、世に出たオペレーション・ムーンゲートより約3年、満を持して発表された第二作”オラトリオ・タングラム”。これはもう、期待するな、という方が無理でしょう。そしてこの作品は、その期待を裏切らないクオリティで我々の前に現れました。システムは、前作を忠実に踏襲しつつも、一部、操作方法の変更により、発表初期の、前作の経験者と未経験者の格差を狭め、”ヴァーティカル・ターン”、”スライディング”、”空中ダッシュ”等の新たな操作により、さらに広がった自由度と戦略は、想像以上のものでした。

 唯一、気になった点としては、対戦時に、乱入された側に拒否権が無い事でしょうか。そのため、技術格差が広がりすぎると、初心者はおちおち練習ができないという対戦ゲームの初期からの問題が解決されていません。四台で通信できる技術があるんだから、拒否選択を追加するぐらい、さほど難しい事ではないと思うのですが・・・。もっともプレイ中に何度も”乱入されました、挑戦を受けますか?y/n”等と、何回も表示されたら、鬱陶しくはありますが・・・。

 とにかく、全てにおいて、業務用ゲームメーカーの老舗にて最大手の一つ、セガらしい良作のゲームの中でも、群を抜いて素晴らしいゲームであります。何度もプレイしていく内に、開発者達の優れた技術と、気の遠くなるような努力が垣間見える作品ですので、まだプレイされていない方は、是非、死ぬまでに一度はプレイして欲しいゲームですね。



 Cyber Troopers Viutual-On
 -Oratorio Tangram-
 1998 SEGA / Arcade

written by すちゃらかぺー



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