弟切草〜サウンドノベルの先駆者にして不滅の金字塔〜
〜弟切草〜
その草は細長い体に楕円の葉を持ち、小さな黄色い花、その花をよく見ると血の跡のような黒い斑点、それは怨みの血ともいわれている。
花言葉は−復讐−
てなとこでsomの第一回れびゅーは弟切草をピックアップ。個人的に衝撃が走った作品だし、サウンドノベルという新しいジャンルを確立し、後のゲームに多大な影響を与えたことは、あちきが語るまでもないか。
チュンソフトがスーパーファミコンのソフトとして、最初に発表した作品。ドラゴンクエストシリーズで有名な会社で、「ドアドア」を作った中村光一(だったかな?)が社長さんです。その後も「トルネコの冒険」や最近では「街」などを出したりしてます。
その作品達を見てみると、新ジャンルや斬新なシステムが多いことに気づく。そんなリスクを負いながらもゲーム社会的に成功し、影響を与えてるって凄いよね。
そんな会社の第一作として相応しく登場した弟切草。そのシステムはサウンドノベルという、ゲームの様な小説、もしくは小説の様なゲームである。プレーヤーは主人公になり、様々な選択肢を選び、そして物語を進めていく。
これだけだと従来のアドベンチャーゲームと何ら変わりの無いように聞こえる。選択肢や謎を解きながら物語を進めるという、基本的なコンセプトはたしかに同じである。それらとの違いを表すキーワードは、「静止画像」・「情景描写」・「効果音」ではないだろうか。
「静止画像」
当時、いや現在もだが、ゲームグラフィックの質や技術力は、時代と共に歩みを続け、「これが本当にゲームの画面なのか?」、「綺麗な絵ねー」、などと新しいゲームが出る度に感動を与えてきた。特にこの傾向が強くなったのは、スーパーファミコンの時代からだろうか。
そんな時代の流れに逆行するかのように、弟切草は生まれてきた。ゲーム中の画面はまるで舞台の様に、話の区切りがつくまでは、その一枚の舞台風景が映し出されている。それは古びた洋館であったり、薄暗いロビーであったりする。全体的に暗い雰囲気の背景が、物語へと導いてくれるようだ。
それらの絵は高い技術力を誇るでもなく、見ようによっては手抜きとも思える。そんな背景が弟切草の話に非常にマッチし、作り手のこだわりが見えたような気がする。
「情景描写」
こういった背景の上に次々と文字が、浮かんでは消えていく。浮かび上がった文章を読み、終えたならボタンを押し、また次の文章が浮かび上がる。背景は従で、あくまで主は文章などだと言わんばかりだ。ここで小説特有な情景描写が現れる。
もともとゲームでは文章で表現する必要はなく、その画面・映像で表現する。これがゲームグラフィックの質の向上の原因の一つなのだ、リアルな映像の方がより表現力が増える。ゲーム自体が視覚的なものである以上当然なのだ。
しかし弟切草はノベルなのだ。背景で語ろうとはせず、文章表現でプレーヤーの心に映し出す。背景がほとんど無く、主人公などが一度も画面に現れないのは当然のことなのだろう。
「効果音」
弟切草には音楽が少ない。ここでの音楽とはBGMといった、ゲーム中に常に流れている音楽を差している、メインテーマやエンディングテーマ以外はほとんど無い。その代わりに音はたくさんある、音楽ではなく音。車のクラクションの音、ドアのノブを回す音、雨の音。
ついにサウンドノベルのサウンドの部分が登場する。BGMだけでも臨場感や緊迫感を出せるが、効果音が加わり物語をさらに盛り上げる。小説には効果音などというものは存在しない、サウンドノベルだけが表現できる世界なのだろう。
・・・。
弟切草は新しいシステムと言うこともあり、かなり荒削りな作品です。しかしそれ以上に魅力的な作品であることは間違いないでしょう。弟切草はホラーを扱った作品ですが、個人的にサウンドノベルはホラー以外向かないのではと思っていましたが、恋愛物などの形を取り、様々な会社で製作・発表され、ジャンルとして定着しました。
しかし弟切草以上にサウンドノベルという特性を生かした作品には、私はまだ出会っていません。サウンドがただのBGMとしてしか使われておらず、ただのノベルにしかなっていないように思えます。
サウンドノベルを遊んだこともある人も無い人も、一度は弟切草を遊んでみては?(今冬にPS版でリメイクで出るそうです)
あなたは一枚の写真に寒気を感じたことはありますか?
あなたは古びた人形に過去を見たことがありますか?
あなたはピアノの音に恐怖したことはありますか?
あとがき
つたない文章でしたが、読んでいただきありがとうございます。今回は初めてということもあったり、題材が弟切草であったこともあり、全体的に堅い文章になってしまいました。(^^;
また抽象的な表現ばかりで大変読みにくかったのではと思います。何かご意見・ご感想がありましたら掲示板もしくはメールして下さい。
Otogirisoh
199? Chun Soft / Super Famicon
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