ある少年Aのたらし伝説

= 序章 =

 

 

 

 神殿の奥。

 迫り来る強敵を次々に倒しつつ、後にクレリアの勇者と呼ばれるアドル=クリスティンは走っていた。

 イースの書を求めて。

 しかし、進めど進めど本はなく、その代わりにこれといった価値の無さそうな妖しげな鍵やらボロそうな指輪(罰当たりなっ!)をアドルは手にしていた。

「本だからひょっとして腐敗して腐っていてもおかしくないのに、それを探せなんて…」

 などと、内心「爽やか」で「お人好し」で「冒険の数以上に女がいる男」や「好色一代男」などと後に呼ばれるアドルらしくない事を思っていた。

 まぁ、確かにいきなり「貴方こそ私の探していた人ですっ!」とかおもいっきり勘違いしそうな事を言われた挙げ句、いきなり「貴方こそ私が待ち望んでいた勇者です」とか言われてその勇者とやらにされて、聞いた事もない「イースの書」なるものを探せと言われたら誰でも疑うのが普通だろう。

 …お人好しとはいいつつも、そこらへんはまだ「普通の人間」なアドル君なんだね…

「…」

 ああっ!怒っちゃダメダメっ!ほれほれっ!先に進んだ進んだっ!

「…幻聴かな…」

 はいはいっ!そうですって!

 あっ!気を付けないと魔物さんが迫ってきてますよ〜!

 この辺りは、一気に強くなってきますからね〜♪動きの早い巨大蜘蛛さんが狙ってますよ〜!

「…」

 で、まぁそんなこんなで、アドルは見落としてるのかとも思い、広い広い神殿内の迷路をうろついていた訳だった。(迷子になったとも言う)

 そんな目の前に、怪しげな牢屋が現れて…

 しかも覗き込んでみれば中には人がいた。

「…誰?」

 こんな牢屋で人が生活などしてるはずもなく、捕らわれたのだろうと判断したアドルは若干の警戒をしつつも中に入った。

 そしたら…

 なんとその中にいたのはむちゃくちゃ綺麗な女性だった。

 …なんてお約束な…などと思いつつも、ここで彼女を置いていくという訳にもいかず、アドルは彼女を安全な場所まで送る事にした。

 まがりなりにも「勇者」と呼ばれる存在なのである。

「…私を…助け出してくれるのですか?」

「うん、どういう理由があったのかは分からないけれど、僕の後ろを離れないで」

「はい…ありがとうございます。私の名前はフィーナ。ずっと前からここに閉じ込められていたのです…」

「僕はアドル。アドル=クリスティン。よろしく」

「ええ…よろしく」

 そういって柔らかく微笑んだフィーナの顔は、もうそれはそれは美しくて。もう絶世の美女なんてめじゃねぇぜレベルにまで達している。

 もちろんアドル君とて普通の少年である。見とれないはずなどない。

『…神様ありがとう…』

 見れば見る程に美しいフィーナ。

 こんな美女と出会わせてくれた事に思わず感謝するアドル。

 助け出した美女を守る勇者という美味しい構図も嬉しい!

 …しかし

 救出するとかっこつけて連れ出したはいいものの、まだまだ駆け出し冒険者である。

 自分の身は守れていたとしても、他人の事に構っている余裕などほとんどなかった。

「きゃっ!」

「ああっ!危ないっ!」

 まぁこんな感じで、フィーナを後ろにいつも以上に精神を使いながら戦っていたのだった。

 しかも、フィーナも怖いのか、アドルにぴったりと密着してくる。

 そういう体制で襲い来る魔物に剣を振るえばどういう事になるのか…

 …腕がフィーナの胸に当たってしまうのである。

「…」

 アドルといえど、今は17才の少年。

 女の子にときめく年頃である。

『…フィーナって…結構あるかも…』

 などと思いつつ、剣を振るうアドル…

 ちらりと振り返れば、怯えるフィーナの胸は確かにあるっ!

 しかも、ピンク色のサッシュで締められた腰もほっそりとしていて…

『…ひょっとして、ボンッキュッボンッって奴ですか!?』

 などと非常によこしまな事を考えていたりしたのである。

 その時…

「キャッ!!アドルさんっ!」

「っ!!」

 気が付けば上に迫ってきていた魔物の鋭い爪。

 とっさの攻撃に避けきれずに体がはじき飛ばされてしまう。

 しかし、そこはアドルである。立ち上がると一撃で魔物を仕留めた。

「アドルさん…私を庇って…すみません!」

 駆け寄るフィーナ。

 見てみれば顔を庇った腕に怪我をしてしまっていた。

「ううん、これは僕が悪いんだ…フィーナは大丈夫?」

『煩悩に支配されていたんだから…』

 しかし、そんな事素直に口にするはずもなく。

「ええ、私は大丈夫です…」

 びっくりしたのだろう。目に涙を浮かべて心配する、この顔がまた美人なフィーナの涙を指で拭いて立ち上がるアドル。

「それならばいいよ。行こう。もうちょっとで出るはずだから」

「…アドルさんは…優しいんですね…」

 その様子に頬を微かに染めるフィーナ。

 アドルを勝手にどんどん違う方に捕らえていっている事を、フィーナ本人は知っているのだろうか…?

 現にアドルは傷を見る振りをしつつ、しっかり君の胸の谷間をチェックしてるのだから…。

『…やっぱり、胸あるわ…』

 表では爽やかに笑いつつ、、内心ではそんな事を思っているのだから…。

 煩悩魔人と化したアドル…

 こんな男にこのエステリアも、イースも救われる事になるのである…。

 

 

 

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あとがき

アンケートに返答して下さったネタによるお話です。

「アドルがフィーナの3サイズを知りたくなるきっかけ」

ちなみにご注意!

このアドルはゲーム中のアドルとは全くの別人物ですっ!

ここまでよこしまじゃありません。

エターナルやコンプリートだと、アドル君、フィーナを村まで送るんですよね〜。

で、そこで3サイズを計れるというチョイワザがある。

迷子のチョイワザもあって、フィーナを置いてアドルが先先行くと、フィーナちゃん不安になって泣いちゃいます。

(これがかわいいから、ついつい迷子にさせてしまう極悪人は私です)

2だと、女の子キャラのベットにダイブするというチョイワザもあります。

リリアもマリアも本人は不在なれど、隣にはしっかりお母様がいるのにダイブします。

(リリアは本人目の前にか!?)

アドルは、このままナンパ街道を突っ走るんでしょう。

 

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