魂の半分は転生を果たしたとしたら?
「感じるのですよ
あやつの個人的な何かのために
動いておるような感じが…」
そう、例えば太公望がそうだったとしたら?
それでも、欠けた、人より脆い心でもヒト並の幸せを手にする事が出来たかもしれない。しかし、その心は欠けた部分から崩れてしまった・・・
そこを妲己につけ込まれている間にもう一つの王奕の魂魄が転生し―――
百と数十年の後、姜族の村の一つに生まれた子供。
統領の息子として、一族皆の期待と愛情を受けて育った少年。
「望」と名付けられた少年。
名前には意味があるという。一族の、両親の望みか、これから彼が出会う人々の希望となるというのか、・・・それとももう一人の彼自身の望みを―――
穏やかに笑う兄も、自分を慕う妹も すべてを失い、仙人界へ上がる。
かの仙女との因縁は偶然か、それとも必然かただひたすら修業を続ける。友にも、仲間にも愛され、かつて王天君が失った生き方を、同じ師の元で―――
人の激しさを忘れぬままに―――しかし不完全な存在で
「太公望が太極図の
真の力を発揮するためには
足りないものがあるんだ
それが補われた時こそ―――」
二人が一つになる日は来るのだろうか・・・
自分が傷つく事は厭わぬ二人
全てが終わったあと、他の誰が許しても
自分を決して許しはすまい。その選ぶ道は―――
「太公望よ・・・
どうか・・・
重い運命に
潰されぬよう・・・・・・」
師の愛というものも確かにあったはずなのに・・・。
「・・・あれが今生の別れになっちまったか」
残念そうに呟く。最後に会いたかった友であり師であり時には父であった男と最後に会った時、否定しながらも予感はあったのだ。
涙をこらえる妻の手を握り、その激しい生とは対称に穏やかな顔で逝ったのは、それから間も無くの事だった。
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