「願い事は」



   「願い事は」


 正月の恒例行事といえば初詣。一家総出で神社へ詣でるのは星馬家ばかりではない。
「あれ? リョウと二郎丸じゃん」
「ホントだ」
 先にリョウと二郎丸を見つけた豪は烈の袖を引っ張って彼らの方を指差せば、烈もリョウと二郎丸を見つけた。
「リョウ君! 二郎丸君!」
 リョウと二郎丸に向って手を振る烈を鷹羽兄弟も気付いて手を振り返す。
「お前達も初詣か?」
「ああ、当然今年も俺が優勝出来るように願うつもりだぜ」
「当然だ」
 豪はリョウに宣戦布告とも取れるような事を言うがリョウも同じ事を願うのだとその宣戦布告を受けて立つ。
「ちょっと待ってよ。それは僕だって同じだからね」
「オラもだす」
 そしてその横で聞いていた烈と二郎丸も自分達もだと自己主張する。
「皆で何を言っているでげす?」
 そんな彼らの前に当然の様に現れる藤吉にまさかなぁ……と思っているとやはり現れてしまういつものメンバー。
「やあ、皆も初詣かい?」
 話し掛ける土屋博士とその隣に親子の如くJがいる。
「皆、あけましておめでとう」
 Jが新年の挨拶をすれば新年の挨拶を忘れていた面々は大慌てになった。
「あけましておめでとう」
「今年もよろしく」
 それぞれに新年の挨拶を交わす。
「それじゃあそろそろ御参りしようか」
 彼らが挨拶を終えると土屋博士はビクトリーズの監督の癖か引率のように引き連れて行く。
 その間にも今年の優勝は俺だ僕だと騒ぎながらも新年、初詣と云う事でどこかワクワクしている様子は隠せない。
 カランカランと鈴の音が聞こえて皆で前を見れば賽銭箱の前。それぞれの表情が引き締まる。
「どうか優勝できますように」
 真剣に願うそれぞれの顔。
 願い終わればいつもの顔で。
「じゃあ、走り初めと行こうぜ!」
 レースをしようと持ちかける。
 神様は誰の願いを聞き届けるのか。
 それはレースの結果次第。






あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
と、云う事で今年も新年ネタの年賀小説です。