たんぽぽ 3



「だから向日葵に似たいんじゃないってばよ……」
 目標と逸れているから拘ったのか。
「まあ、努力家って事で似てなくもないわね」
「ドベらしいな」
 サクラとサスケもナルトを認めているから、でも素直じゃないからバツの悪いものを感じているのだろう少し憎まれ口だ。
「ま、お前は黄色い花に似ていると言う事だ」
 どうやら自分も前言撤回したくないらしい、こう云う場合はどちらも肯定する事で治めてしまうに限る。
「黄色い花って外見だけじゃん……」
「どうやらお前は先生の意見に反対らしいな」
 反抗的な態度は可愛げがなくなってくるから耳聡く脅しを込めて反応してやる。
「そ、そんな事ないってばよ!」
「ふ〜ん。ま、そう言う事にしておいてやろう」
「そうそう」
「お前ねぇ……」
 いつもながら呆れるくらいの変わり身の早さだ。
 イルカ先生が認めて卒業と言う花を咲かせた小さなタンポポは下忍と言う綿毛になって下忍認定試験を越えて新たに花を咲かせた。
 そして任務を繰り返す度に花を咲かせてその存在を認めさせる者を増やし続けている。計らずとも願いは叶っていると言う事か。
「ナルト」
 向日葵の元から歩き始めた子供達の、黄色い頭に呼びかける。
「何だってばよ」
 素直に振り返るナルト。見てきた部分が違うから発想が違ってしまったけど、教える者としての想いや願いはきっと同じだろう。
「良い先生に教えてもらってたんだな」
 自分が良い先生であるなんて思ってないからそれだけを言う。大股で子供達を追い抜いて先導して歩き始めるとナルトが呼んだ。
「カカシ先生!」
「ん?」
 振り返れば付いて来ていた子供達は一様に怒った様な顔をしている。
「カカシ先生、俺は今でも良い先生に教えてもらってる。それはサスケやサクラちゃんも同じだってばよ!」
「そうよ、私たちは良い先生にしか教えて貰ってないわ!」
「ウスラトンカチだが悪くはない」 
「お前ら……」
 思った事を見透かされたのは忍者としてどうかと思うがくすぐったい様な嬉しい気分だ。
「よーし、喜べ! 今日の演習はいつもの倍だぞ〜」
 ポケットから愛読書を取り出し鼻歌を歌いながら演習場までの道程を行く。
 後ろでは向日葵の咲いていた所までに言っていた文句とはまた違う文句が聞こえるが聞こえない振り。何を言われようとも、タンポポだろうと向日葵だろうとお前達が花を咲かす手伝いくらいはしてやるよ。
「花は良いねぇ……」
 今は修行と言う名の太陽の光をいっぱい浴びさせて光合成をさせてやろうか。




時間軸としては中忍選抜が終った原作では140話くらい。
勝手に解釈したナルトの時間軸で夏かなぁと思うんですけどどうなんでしょう。
その辺りの考察は何れまたと言う事で。
カカシ先生の口調ってその時々で変わるから掴みにくい様な分かりやすい様な。
未だ試行錯誤、手探りで書いてますね。
話的にはこう云う話が好きなのか書きやすいのか私の書く基本的な話です。




前へ