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クリスマスに向けて
寒さが厳しくなってくる、そこかしこの家々で電飾が煌くこの季節。
「今年はまだなんですね。毎年楽しみにしてるんですよ」
受付に来た誰かの何気ないその一言が決定打となった。
カカシ率いる7班は本日も『なんとか』下忍任務遂行完了。
「んじゃ、オレは報告書を提出しに行ってくるからお前らはここで解散。明日も任務があるから遅れるんじゃないぞ」
飄々と言う上司に「いつも遅刻しているのは誰だよ」と、ツッコミはお約束だが当人は無駄に術を使って既にその場から消えていた。
聞く相手のいない文句は冬の寒空に吸い込まれていった。
報告書は無事に提出。さて、今日はこれで終わりだと、背を丸めてのんびり歩き出そうとした後ろ姿に「ちょっと待った」の声。
「何か不都合が?」
出した筈の報告書に不備でもあっただろうかと思いを巡らせどもそんな節はない。
とりあえず立ち止まって静止を掛けた綱手を振り返れば高飛車とも言える態度が出迎えた。
「カカシ、お前のとこの7班は木登りが出来るか?」
「は?」
この人物は何を言っているのだろう。きっと隠れている部分はそんな顔。
「いつからそんなに鈍くなった? チャクラを使って木を歩いて登れるかって聞いてんだよ」
「それなら出来ます」
過去の醜態やら何やら知られている相手に取り繕っても仕方がないので「それなら」と気のない返事を返しておく。
嫌な予感がするこの場合、外れる事がないのは分かっていてしかも拒否権なんて存在しないのだろうと考えるから態度も良くない。
「なら、明日のお前の班の任務はこっちに変更だ」
ヒラリと翳された紙に目を走らせれば複雑な心境になる。
「これですか?」
「そうだ」
じーっと綱手の顔を見てその真意を汲み取ろうとするが流石は年の功か読み取る事は出来ない。
「分かりました」
カカシは諦めて任務を受けた。
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