クリスマスに向けて 2



 さて次の日、天気は晴れて冬だがぽかぽかと暖かい。待ち合わせは急遽変更、木の葉公園の中心にある大きな木の下で、今日は絶好の任務日和だと気合を入れるは金髪小僧。
「俺ってば今日こそサクラちゃんに良いとこ見せるんだってば!」
 続けて既にツッコミですらない感想が2つ。
「ナルトうざいわよ」
「うるさい、ウスラトンカチ」
 そしてソワソワと木の下で上司を待つこと1時間半、何故か大きな荷物を背負った上司が現れた。
「やぁー、おはよう諸君。今日は天気と言う予報に迷ってなぁ」
「「はい、嘘!」」
「……」
 と彼等の日常会話を繰り返す。
「でも天気を気にしてたのは嘘じゃないぞ〜」
 にっこりと見えているのか見えていないのか分からない弓形の眼で空を仰ぐ。
「ま。良い天気で良かったな、お前ら」
 釣られる様に仰ぎ見たカカシの視線の先には待ち合わせの目印となった木。
「あれ?」
 木を見上げた下忍3人の中でサクラが首を傾げた。
「サクラちゃん?」
 サクラの呟きを聞いていた残り2人がサクラを見、ナルトがどうかしたのかと問いかける。
「カカシ先生」
 サクラは自分の考えが正しいのかそれをカカシへと呼びかける事で尋ねれば、カカシは嬉しそうにサクラを見た。
「やっぱり女の子だねぇ、よく気が付く」
 そして教え子3人をぐるっと見渡して任務を言い渡す。
「今日の任務はぁ〜、この木の飾り付けだ!」
「やっぱり!」
「えー!」
「フンっ」
 三者三様。歓喜、驚愕、嘲笑。
「木の飾りつけだって馬鹿にするなよ。これは忍者じゃないと出来ない事なんだからな」
「どうしてだってば?」
「それはだな……」
「うんうん」
 いつも何処まで理解しているのか不明だが真剣にカカシの説明を聞くナルトに勿体つけるカカシ。何となく理解できているサクラとサスケはこの展開でカカシが素直に言う訳がないと踏んで呆れ顔だ。当然の様に。
「やってみてからのお楽しみだ!」
 カカシの次の言葉はこれだった。

 さて飾り付けの前に小物が必要と取りに行く。木の大きさに見合った飾りは1つ1つが大きくて重い。
「ホラ。頑張って運ばないと夕方までに終らないぞ〜」
 手伝う気のない上司は飾り付け対象の上から監視と言う名の休憩中。
「大体カカシ先生がもっと早く来てれば少しは早く終るっての」
「は〜いナルト。口じゃなくて手と足を動かそうな」
「分かってるってばよ!」
 運び終わり飾り付けを待つモールやリーフにオーナメント。何だかんだと言ってもちらりとそれを横目で見ながら頬が緩んでいる子供たち。
 重い物を運ぶ事も大変だが「これからもっと大変だぞ〜」と内心囁いて木の上から降りる。
「さあ飾り付け開始だ!」
 本格的な作業開始の合図を出した。

 飾りを見て目を輝かせても困惑しているのはナルト。
「どうすれば良いのか分かんねぇってばよ」
 その木の大きさ故に分からないのか飾り付け事体した事がないのか、恐らくはどちらもだろうとカカシは考える。
「オイ、木に登るぞ」
 ナルトの弱音に小さく眉を顰めてサスケは数十メートルはある金色のモールをナルトへと投げて渡し、自分は銀色のモールを肩に担ぐ。
「サクラ、お前は上でこのモールの端をしっかりと持ってろ」
 タンっタンっタンっと木の上に駆け上がり後から登って来たサクラへモールの先を渡す。木を回りながら降りて行けばモールが木に斜めに巻き付いて行く。
「俺もだってばよ!」
 木に巻き付いて行くモールとサスケの様子を見てナルトは慌てて木へ登り、サクラへとモールの端を渡してサスケとは反対方向に木を回りながら降りて行く。
 途中下まで行って余ったモールを登りながら巻き付けて行くサスケと擦れ違えば互いに顔を見合わせてニヤリと笑う。
 モールの次には同じ要領で電飾を巻いて行く。
「うんうん、チームワークだねぇ」
 ポカポカ陽気を浴びながら見上げる上忍は嬉しそうだ。
「じゃあ次はオーナメントの飾り付けね」
 巻き付ける物がなくなり木から下りたサクラが色とりどりの、星や玉やサンタクロース……などの普通のオーナメントと、何故か、流石に忍の里だからなのか、色とりどりのクナイや手裏剣をまだ木の上にいるナルトとサスケへ投げて行く。
「はいナルト」
「おう!」
「サスケくん、今度はちょっと右ね」
「分かった」
 などなど。その辺りは流石に忍者でクナイや手裏剣で慣れたもの、狙い通り投げられてはチャクラを使って手に吸着させて受け止めながら足の裏にもチャクラを集めて木を歩き回り飾り付けて行く。
 サクラはサクラで2人のいる位置や飾られている物の飾り付け具合を見ながら的確に、それでいて色使いや配置などに女の子らしい配慮を見せながら投げていた。
「はい、オーナメントはこれで最後よ」
 残った2つのオーナメントを両手に1つずつ持ちナルトとサスケに投げるとその行く先を見る事なく木を見上げながら周囲を1周した。
「うん、上手く飾れてるわ」
 満足げなサクラの横に、ナルトが残っていた「Merry Christmas」と書かれた両腕で抱えても大きいリーフをヨロつきながら持って来る。
「これはどうするんだってば?」
 サクラは巨大リーフを見て公園を見回す。
「そうね、公園の正面がこっちだからこっちに付けましょう」
「分かったってばよ」
 そう言ってナルトはリーフを抱えながら登って行く。
「チッ。半分貸せ」
 不安定なナルトの後ろ姿に見かねたサスケがナルトの隣に行きリーフを持つのを手伝うと。
「大丈夫だってば!」
 負けじとリーフを引っ張りながら登って行く。それでも何だかんだと助け合っているのかもしれないのはリーフを壊す事も落とす事もないからだ。
「この辺で良いだろう」
「そうだな」
 ポーチから糸を取り出してリーフを固定する作業はナルトが支えてサスケが固定して行く。

 ナルトとサスケの作業を眺めながら木を見て首を傾げたのはサクラ。
「ねぇ、カカシ先生」
「ん? どうした?」
「飾りはこれだけなんですよね」
「倉庫にあったのは全部持って来ただろう」
 7班の3人は保管してあった飾りを全部持ってきた筈だ。
「そうなんですけど……星が……」
「星?」
 作業を終えて下りて来た2人も集まってサクラの言う事を待った。
「いつも木の天辺に大きな星があった筈なんです」
 サクラは困った顔でカカシに言えばカカシは持って来ていた荷物を解いた。
「それはなサクラ。これだ」
 そこから取り出したるは巨大な巨大な手裏剣だった、しかも金色。




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